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認知シャッフル睡眠法は効く?「関係ない単語を思い浮かべる」入眠法を研究で検証した

認知シャッフル睡眠法は効く?「関係ない単語を思い浮かべる」入眠法を研究で検証した

読む前に予想してみよう!

「何も考えないようにしよう」と強く意識すると、寝る前の悩みは消えやすい

研究カード(どんな研究?)
対象
不眠のある成人・大学生
規模
約40人規模の小規模研究
研究の種類
実験研究・パイロット試験
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

認知シャッフル睡眠法は、関係ない単語やイメージを次々に思い浮かべて寝つく方法。考え方は理にかなうが、方法そのものを確かめた本格的な臨床試験はまだ少ない。

ひとことで言うと頭の中を「どうでもいい絵」でいっぱいにすると、悩みが入りこみにくい!

もくじ
  1. カナダの研究者が考えた「頭のシャッフル」
  2. 似た方法には「効果あり」の実験がある
  3. どんでん返し:本家の研究はまだ「準備段階」
  4. まとめ

認知シャッフル睡眠法は、「考え方としては理にかなっているが、効果を直接確かめた本格的な研究はまだ少ない」入眠法です。寝つけない夜に、「り」なら「りんご、リス、リボン…」のように、関係のない単語やイメージを次々に思い浮かべるだけ。お金も道具もいらないので、試してみる価値はあります。

ただ、「科学的に証明された最強の睡眠法」とまで言うのは言いすぎ。研究で何がわかっていて、何がわかっていないのかを整理します。

01カナダの研究者が考えた「頭のシャッフル」

この方法を提案したのは、カナダ・サイモンフレーザー大学の認知科学者ボードワンさんです。正式には「連続多様イメージ法」などと呼ばれます。

アイデアはこうです。人は眠りに落ちる直前、脈絡のないイメージがふわふわ浮かぶ状態になります。逆に、悩みや計画のような「筋の通った考え」をしていると、脳は「まだ起きていなきゃ」と判断してしまう。だったら、わざと脈絡のないイメージを思い浮かべれば、脳に「もう寝ていいよ」と合図を送れるのでは?というのです。

関係ないイメージで、悩みが入りこむすき間をなくす
関係ないイメージで、悩みが入りこむすき間をなくす

02似た方法には「効果あり」の実験がある

2011年には、カナダの大学生41人を対象に、イメージで気をそらす方法などをメールで教える小さな試験が行われ、どの方法でも寝る前の心配や興奮が減り、睡眠が改善したと報告されています。

03どんでん返し:本家の研究はまだ「準備段階」

ところが、認知シャッフルそのものについての研究を探すと、見つかるのは主に学会での発表や、理論を提案した論文です。きちんとした比較試験の結果が、査読つきの論文として十分にそろっている、とは言えないのが現状です。

さらに、2011年の試験は何もしないグループとの比較がなく、人数も少ない研究でした。「どの方法でも良くなった」のは、睡眠を意識して生活したこと自体の効果だった可能性もあります。

04まとめ

認知シャッフル睡眠法は、「悩みの代わりに、どうでもいいイメージで頭をうめる」という、理にかなったアイデアです。似た方法には小さな実験で効果も見られます。

ただし、「これさえやれば必ず眠れる」というほどの証拠はまだありません。合えばラッキーくらいの気持ちで、気軽に試してみてください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerCognitive shuffling is a way to fall asleep that was suggested by a cognitive scientist in Canada. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Cognitive shuffling is a way to fall asleep that was suggested by a cognitive scientist in Canada. You imagine a series of random, unrelated words or images, such as an apple, a bicycle, and a whale. The idea is that just before sleep, our minds naturally fill with images that do not make sense together.

In contrast, organized thoughts like worries or plans tell the brain to stay awake. Research on similar methods is encouraging. In a 2002 study of 41 people with insomnia, those who practiced imagining pleasant, interesting scenes fell asleep faster and worried less. However, strong clinical trials of cognitive shuffling itself are still rare, so it is still unproven.

113 words ・ CEFR B1

和訳を見る

認知シャッフルは、カナダの認知科学者が提案した眠りにつくための方法です。りんご、自転車、くじらのように、関係のない単語やイメージを次々に思い浮かべます。その考え方は、眠りに落ちる直前、私たちの頭は自然と、互いに意味のつながらないイメージでいっぱいになる、というものです。

それに対して、心配ごとや計画のような筋の通った考えは、脳に「起きていろ」と伝えてしまいます。似た方法についての研究は期待のもてるものです。不眠に悩む41人を対象にした2002年の研究では、楽しく興味をひく場面を思い浮かべる練習をした人は、早く眠りにつき、心配ごとも減りました。しかし、認知シャッフルそのものについての強力な臨床試験はまだ少なく、効果はまだ証明されていません。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the main idea of the passage?

Q2. What happened to the group that practiced imagining scenes in the 2002 study?

Q3. Why might organized thoughts make sleep harder?

重要単語

  • fall asleepA2
    動詞(句)眠りにつくI could not fall asleep last night. fall は「(ある状態に)なる」。fall ill「病気になる」、fall in love「恋に落ちる」も同じ用法。
  • insomniaB2
    名詞不眠(症)Stress can lead to insomnia. in-(否定)+somn(眠り)。suffer from insomnia「不眠に悩む」。不眠の人は insomniac。
  • worryA2
    名詞・動詞心配ごと・心配するWorries kept him awake. worry about ~「~を心配する」。be worried about ~ も同じ意味。名詞は数えられる(worries)。
  • distractionB2
    名詞気をそらすこと・気晴らしImagery distraction helped them sleep faster. 動詞 distract「(注意を)そらす」。dis-(離れて)+tract(引く)=「引き離す」。attract「引きつける」と対で覚える。
  • randomB1
    形容詞でたらめな・無作為のThink of random words, like apple and bicycle. at random「無作為に」。研究の「ランダム化比較試験(randomized controlled trial)」でも使われる。
  • rationaleC1
    名詞理論的根拠The rationale behind the method is simple. rational「合理的な」と同語源。発音は /ˌræʃəˈnæl/ で最後にアクセント。the rationale for/behind ~ の形でよく使う。
話題の「認知シャッフル睡眠法」。りんご、ラッパ、リス…と関係ない単語を思い浮かべて眠る方法。調べると、似た「イメージで気をそらす」方法は小さな実験で効果あり。ただ認知シャッフルそのものの本格的な試験はまだ少なかった。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Harvey & Payne (2002) The management of unwanted pre-sleep thoughts in insomnia: distraction with imagery versus general distraction, Behaviour Research and Therapydoi.org
  2. Digdon & Koble (2011) Effects of Constructive Worry, Imagery Distraction, and Gratitude Interventions on Sleep Quality: A Pilot Trial, Applied Psychology: Health and Well-Beingdoi.org
  3. Beaudoin et al. (2019) Towards an integrative design-oriented theory of sleep-onset and insomnolence…, Sleep Medicine(学会抄録)doi.org
  4. Trauer et al. (2015) Cognitive Behavioral Therapy for Chronic Insomnia: A Systematic Review and Meta-analysis, Annals of Internal Medicinedoi.org