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太陽系の外から来た“葉巻形”の訪問者オウムアムア。ガスも出さずに加速した謎

太陽系の外から来た“葉巻形”の訪問者オウムアムア。ガスも出さずに加速した謎

読む前に予想してみよう!

オウムアムアは、太陽のまわりを回る太陽系の小惑星だった

研究カード(どんな研究?)
対象
恒星間天体
規模
3天体(2017年・2019年・2025年発見)
研究の種類
観測研究
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

2017年、太陽系の外から来た初の天体オウムアムアを発見。細長く、目に見えるガスを出さないのに加速していた。3個目の恒星間天体も見つかっている。

ひとことで言うと太陽系の外からお客さんが来て、すぐ去っていった!

もくじ
  1. 名前は「遠くから最初に来た使者」
  2. ガスを出さずに「加速」していた
  3. 2人目、3人目の訪問者
  4. なぜ「太陽系の外から来た」と分かったの?
  5. まとめ

2017年10月19日、ハワイの望遠鏡が、空を速く動く小さな天体を見つけました。

ふつうの小惑星や彗星なら、太陽のまわりを回っています。ところがこの天体の軌道を計算すると、太陽の重力に捕まっていないことが分かりました。

太陽系の外から飛んできて、太陽のそばを通り過ぎ、また外へ去っていく――人類が初めて見つけた恒星間天体です。

01名前は「遠くから最初に来た使者」

天体はオウムアムアと名づけられました。ハワイの言葉で、「遠くから最初にやってきた使者」といった意味です。

見つかったときには、すでに太陽への最接近を過ぎて遠ざかり始めていたため、観測できた時間はわずか3か月足らずでした。

太陽系の外から来て、太陽のそばで曲がり、外へ去っていった
太陽系の外から来て、太陽のそばで曲がり、外へ去っていった

02ガスを出さずに「加速」していた

オウムアムアの最大の謎は、その動きでした。

この謎をめぐって、さまざまな説が出されました。

  • 目に見えにくい水素の氷や窒素の氷が蒸発した
  • 宇宙線で氷の中に作られ、閉じこめられていた水素ガスが、太陽に温められて出てきた(2023年の研究)
  • ごく薄くて軽い構造で、太陽の光の圧力に押された

「宇宙人の探査機では?」という説も話題になりましたが、国際チームが2019年にまとめた研究では、観測された特徴はどれも自然の天体で説明できるとされ、多くの研究者もそう考えています。

032人目、3人目の訪問者

オウムアムアの後、恒星間天体はさらに見つかっています。

  • 2I/ボリソフ(2019年):アマチュア天文家が発見。こちらははっきりした彗星で、ガスやちりを出していました。
  • 3I/ATLAS(2025年7月発見):NASAが支援する観測網ATLASが見つけた3個目の恒星間天体。2025年10月末ごろに太陽に最も近づき、地球に危険はありませんでした。

天体ごとに性格がまったく違うのも、面白いところです。

04なぜ「太陽系の外から来た」と分かったの?

カギはスピードと軌道の形です。太陽のまわりを回る天体は、楕円の軌道を描きます。ところがオウムアムアは、太陽の重力では引き止められないほど速く、双曲線という「行ったきり」の軌道を描いていました。

つまり、太陽系で生まれた天体ではなく、どこか別の恒星系から、長い長い時間をかけて旅をしてきたと考えられるのです。

05まとめ

オウムアムアは、太陽系の外から来た最初の使者でした。しかも、ガスを出さずに加速するという謎を残して、あっという間に去っていきました。

でも、2人目、3人目の訪問者が続いています。宇宙は思ったより「行き来」の多い場所なのかもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerOn October 19, 2017, a telescope in Hawaii spotted a small object racing across the sky. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

On October 19, 2017, a telescope in Hawaii spotted a small object racing across the sky. When scientists calculated its path, they found it was not held by the Sun's gravity. It had come from another star system and was leaving ours.

This first known interstellar object was named 'Oumuamua, a Hawaiian word meaning a messenger from afar arriving first. Changes in its brightness suggested a very long, thin shape, and it looked reddish. Its biggest mystery was its movement.

In 2018, researchers reported a small push that gravity could not explain. Comets are pushed by escaping gas, but no gas or dust tail was seen. Most scientists think it was a natural object.

114 words ・ CEFR B1

和訳を見る

2017年10月19日、ハワイの望遠鏡が、空を猛スピードで横切る小さな天体を見つけました。科学者たちがその経路を計算すると、太陽の重力に捕まっていないことがわかりました。それは別の恒星系からやってきて、私たちの太陽系から去っていくところだったのです。

この初めて知られた恒星間天体は、「遠くから最初にやってきた使者」を意味するハワイ語で、オウムアムアと名づけられました。明るさの変化から、とても細長い形をしていると考えられ、赤みがかって見えました。最大のなぞはその動きでした。

2018年、研究者たちは重力では説明できない小さな押す力があったと報告しました。彗星は噴き出すガスに押されますが、ガスやちりの尾は見えませんでした。多くの科学者は、それが自然の天体だったと考えています。

4択リーディングクイズ

Q1. How did scientists know 'Oumuamua came from outside the solar system?

Q2. What was the biggest mystery about 'Oumuamua?

Q3. How do most scientists explain 'Oumuamua?

重要単語

  • interstellarC1
    形容詞恒星間の'Oumuamua was the first interstellar object we found. inter-(間の)+stellar(星の)。international(国の間の)と同じ inter-。
  • elongatedC1
    形容詞細長いThe object seemed very elongated. e-(外へ)+long+-ate。「長く引きのばされた」イメージ。
  • accelerationB2
    名詞加速Its acceleration could not be explained by gravity alone. 動詞 accelerate。車の accelerator(アクセル)。反対は deceleration(減速)。
  • trajectoryC1
    名詞軌道、飛行経路Its trajectory showed it came from outside the solar system. trans-(横切って)+ject(投げる)。投げた物が描く道のり。
  • visitorA2
    名詞訪問者The interstellar visitor left our solar system quickly. visit+-or。天体を「訪問者」にたとえる比喩は科学記事でよく使われる。
  • boundB2
    形容詞束縛された、縛られたThe object was not bound to the Sun. bind(縛る)の過去分詞。be bound to do「きっと~する」、be bound for ~「~行き」と区別。
  • consistentB2
    形容詞矛盾しない、一貫したThe data are consistent with a natural origin. be consistent with ~「~と矛盾しない、一致する」は研究紹介の定番表現。反対は inconsistent。

動画でもっと知る

4コマでわかる

太陽系の外から来た“葉巻形”の訪問者オウムアムア。ガスも出さずに加速した謎の4コマ漫画
2017年、太陽系の外からやってきた天体が初めて見つかった。名前はハワイ語で「遠くから最初に来た使者」を意味するオウムアムア。細長い形で、ガスも見えないのに太陽の重力だけでは説明できない加速をしていたらしい。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Meech et al. (2017) A brief visit from a red and extremely elongated interstellar asteroid, Naturedoi.org
  2. Micheli et al. (2018) Non-gravitational acceleration in the trajectory of 1I/2017 U1 ('Oumuamua), Naturedoi.org
  3. The 'Oumuamua ISSI Team (2019) The natural history of 'Oumuamua, Nature Astronomydoi.org
  4. Bergner & Seligman (2023) Acceleration of 1I/'Oumuamua from radiolytically produced H2 in H2O ice, Naturedoi.org
  5. NASA Science: 'Oumuamuascience.nasa.gov