寝る6時間前の多めのカフェインでも睡眠が1時間以上削られた。カフェインの「しぶとい残り香」

読む前に予想してみよう!
カフェインは飲んで2〜3時間で体から完全に消える
カフェインの量が半分になるまでに数時間(目安として約5時間前後)かかり、夜まで体に残ることがある。
- 対象
- 睡眠に問題のない健康な成人
- 規模
- 12人(+24研究のメタ分析)
- 研究の種類
- 二重盲検プラセボ対照のクロスオーバー試験+メタ分析
- 確かさ
- ★★★★☆
寝る6時間前に多めのカフェインをとっただけで、睡眠が1時間以上短くなった実験がある。しかも本人の睡眠日記には、その影響がはっきり表れなかった。
ひとことで言うと夕方のコーヒーは、夜になってもまだ体の中で働いている!
お昼ごはんのあとにコーヒー。部活や仕事の前にエナジードリンク。夕方、ちょっと疲れたらもう1杯――。
「夜はさすがに飲まないから大丈夫」。そう思っていませんか? ところが、寝る6時間前にとったカフェインでも、睡眠が1時間以上削られたという実験があるんです。
しかも、もっとこわいのは、本人の睡眠日記にはその影響がはっきり表れていなかったこと。
01カフェインは「すぐには消えない」
カフェインは、脳にたまる眠気物質(アデノシン)の“受け取り口”に先回りして座り、眠気をブロックする物質です(コーヒーナップの記事でも紹介しました)。
問題は、体から抜けるまでの時間。体の中のカフェインの量が半分になるまでの時間(半減期)は、健康な大人で数時間、目安としてよく5時間前後と言われます。しかも、人によって大きな差があり、もっと長くかかる人もいます。
半分になっても、まだ半分は残っている。たとえば夕方5時にコーヒーを飲むと、夜10時になっても最初の半分くらいのカフェインが体の中で働いている計算になります。

02寝る0時間前・3時間前・6時間前で比べた実験
400mgは、ドリップコーヒーなら普通のカップで4〜5杯分ほど。かなり多めの量なので、1杯で同じことが起きるわけではありません。でも、「自分では気づかないうちに睡眠が削られる」という点は、量が少なくても注意したいポイントです。
03では、何時までならOK?
オーストラリア・カトリック大学などの研究チーム(Gardinerさんら)が2023年、『Sleep Medicine Reviews』誌で24の研究をまとめた分析(メタ分析)では、カフェインをとると、総睡眠時間が平均で約45分短くなり、深い眠りも減っていました。そして、睡眠時間を減らさないためには、コーヒー1杯(約107mg)なら寝る8.8時間前までに飲むのがよい、と見積もっています。
一方、同じチームが2025年に『Sleep』誌で報告した実験(ふだん適量のカフェインをとる健康な男性23人)では、100mgなら寝る4時間前でもはっきりした影響は見られなかった一方、400mgは寝る12時間前でも寝つきや眠りの構造に影響したと報告されています。ここでも、測定では影響が出ているのに本人の感じ方とはズレがあった、と指摘されています。
ただし、どちらの研究も「多くの人の平均」です。参加者が若い男性中心だったり、ふだんのカフェイン量が限られていたりするので、あなた自身にそのまま当てはまるとは限りません。
つまり、ポイントは「量」と「タイミング」のかけ算。少量なら比較的ゆるくてもよさそうですが、エナジードリンクを何本も飲むような量になると、昼過ぎでも夜の眠りに響く可能性があります。
04まとめ
夕方のコーヒーは、夜になってもまだ体の中で“残業”しているかもしれません。しかも、睡眠が削られていることに自分では気づきにくいのがやっかいです。
「最近なんとなく疲れが取れない」と感じたら、まずは最後の1杯の時刻をチェックしてみてください。それが、いちばん手軽な睡眠改善かもしれません。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerCaffeine blocks the effects of adenosine, a sleep-related substance in the brain, and it stays in the body…
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Many people drink coffee in the afternoon. But caffeine stays in the body for a long time. It takes about five hours for half of it to leave. In one study, people took a lot of caffeine six hours before bed. They slept more than one hour less!
But they did not clearly notice it in their sleep diaries. So try to drink coffee earlier in the day.
68 words ・ CEFR A2
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多くの人が午後にコーヒーを飲みます。しかし、カフェインは長い時間体の中に残ります。その半分が体から出ていくまでに約5時間かかります。ある研究では、人々が寝る6時間前にたくさんのカフェインをとりました。すると、睡眠が1時間以上も短くなったのです!
でも、彼らは睡眠日記の中でそのことにはっきりとは気づいていませんでした。だから、コーヒーはなるべく早い時間に飲むようにしましょう。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
午後のカフェインが夜の睡眠を減らしうるという話なので D。
Q2. How much less did people sleep when they took caffeine six hours before bed?
They slept more than one hour less! とあるので B。5時間はカフェインが半分になるまでの時間。
Q3. In this passage, "leave" means ...
half of it to leave は「その半分が(体から)出ていく」という意味なので A。
Caffeine blocks the effects of adenosine, a sleep-related substance in the brain, and it stays in the body longer than many people think. On average, it takes around five hours for the amount of caffeine to fall by half.
In a 2013 study, 12 healthy adults took 400 milligrams of caffeine, about four or five cups of coffee, either right before bed, three hours before, or six hours before. Even when taken six hours before bed, caffeine reduced their sleep by more than an hour. However, their own sleep diaries did not clearly show this effect. Both the amount of caffeine and the timing matter.
105 words ・ CEFR B1
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カフェインは、脳の中のアデノシンという眠りに関係する物質のはたらきをブロックし、多くの人が思っているより長く体に残ります。平均すると、カフェインの量が半分に減るまでに約5時間かかります。
2013年の研究では、12人の健康な大人が、コーヒー4〜5杯分にあたる400mgのカフェインを、寝る直前、3時間前、6時間前のいずれかにとりました。寝る6時間前にとった場合でも、カフェインは睡眠を1時間以上減らしました。しかし、本人たちの睡眠日記には、この影響がはっきりとは表れませんでした。カフェインの量とタイミングの両方が大切なのです。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the main idea of the passage?
6時間前のカフェインでも睡眠が減り、本人は気づきにくい、という内容なので C。
Q2. How much caffeine did the participants take in the 2013 study?
12 healthy adults took 400 milligrams of caffeine とあるので D。
Q3. Why might people keep drinking coffee late in the day?
睡眠日記に影響がはっきり表れなかった、つまり本人は睡眠が減っていることに気づきにくい。だから飲み続けてしまうと推論できるので B。
Caffeine promotes wakefulness by blocking adenosine receptors, and with a half-life often estimated at around five hours, a substantial amount remains in the body long after an afternoon drink. In a 2013 double-blind crossover study, 12 healthy adults took 400 milligrams of caffeine, roughly four to five cups of drip coffee, or a placebo at bedtime, three hours earlier, or six hours earlier, with sleep measured at home by a simple forehead brain-wave device. Even the six-hour condition cut total sleep by more than an hour, yet participants' sleep diaries did not clearly reflect it.
A 2023 meta-analysis of 24 studies found that caffeine reduced sleep by about 45 minutes on average and decreased deep sleep, estimating that a typical cup of about 107 milligrams should be consumed at least 8.8 hours before bed. That cutoff, however, was extrapolated from models combining varied doses and designs. A 2025 trial in 23 healthy men found that 100 milligrams four hours before bed had no clear effect, whereas 400 milligrams disrupted sleep even when taken 12 hours earlier. Because sensitivity varies with genetics, age, and habitual use, these averages cannot predict any individual's response.
192 words ・ CEFR B2
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カフェインはアデノシンの受容体をブロックすることで目を覚ました状態を保たせ、その半減期はしばしば約5時間と見積もられるため、午後に飲んだ後も長い間、かなりの量が体に残ります。2013年の二重盲検クロスオーバー研究では、12人の健康な大人が、ドリップコーヒー約4〜5杯分にあたる400mgのカフェインか偽薬を、寝る直前、3時間前、6時間前のいずれかにとり、睡眠は自宅でおでこにつける簡易型の脳波計で測られました。6時間前の条件でさえ総睡眠時間が1時間以上減りましたが、参加者の睡眠日記にはそれがはっきりとは表れませんでした。
24の研究をまとめた2023年のメタ分析では、カフェインは睡眠を平均約45分減らし、深い眠りも減らすことがわかり、約107mgのふつうの1杯は寝る8.8時間前までにとるべきだと見積もられました。しかし、この基準は、さまざまな量や研究デザインを組み合わせたモデルから外挿されたものです。健康な男性23人を対象にした2025年の試験では、寝る4時間前の100mgにははっきりした影響が見られなかった一方、400mgは12時間前にとっても睡眠を乱しました。カフェインへの感受性は遺伝、年齢、ふだんの摂取量によって異なるため、こうした平均値から個人の反応を予測することはできません。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the main point of the passage?
カフェインの量とタイミングが睡眠に影響するが、個人差が大きい、という内容なので A。
Q2. According to the 2025 trial, what effect did 400 milligrams have?
400 milligrams disrupted sleep even when taken 12 hours earlier とあるので C。
Q3. Why does the author say the 8.8-hour cutoff should be treated carefully?
That cutoff, however, was extrapolated from models combining varied doses and designs. とあるので D。
重要単語
- caffeineB1名詞カフェインCaffeine can stay in your body for hours.
coffee と同語源。decaf / decaffeinated は「カフェイン抜きの」。 - half-lifeC1名詞半減期(量が半分になるまでの時間)The half-life of caffeine differs from person to person.
薬や放射性物質に使う語。differ from person to person「人によって異なる」もセットで覚えたい。 - doseB2名詞(薬などの)1回分の量A high dose of caffeine may keep you awake at night.
dosage は「服用量(の決まり)」。overdose は「過剰摂取」。 - placeboC1名詞偽薬Some participants took a placebo instead of caffeine.
double-blind(二重盲検)とあわせて、実験の公平さを保つしくみとして長文に頻出。 - disruptC1動詞乱す、妨げるLate coffee can disrupt your sleep.
dis-(ばらばらに)+rupt(破る)。名詞 disruption。interrupt、erupt と同じ rupt。 - receptorC1名詞受容体Caffeine blocks adenosine receptors in the brain.
receive(受け取る)と同語源。生物・医学系の長文でよく出る。
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- 快眠と生活習慣(厚生労働省 e-ヘルスネット)kennet.mhlw.go.jp
- カフェインの過剰摂取について(農林水産省)maff.go.jp
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「夕方のコーヒーくらい平気」と思ってたら要注意。寝る6時間前に多めのカフェインをとった実験で、睡眠が1時間以上も短くなったらしい。しかも本人の睡眠日記にはその差がはっきり出なかったのが一番こわい。
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出典・参考文献(4件)タップで表示
- Drake et al. (2013) Caffeine effects on sleep taken 0, 3, or 6 hours before going to bed, Journal of Clinical Sleep Medicinedoi.org
- Gardiner et al. (2023) The effect of caffeine on subsequent sleep: A systematic review and meta-analysis, Sleep Medicine Reviewsdoi.org
- Gardiner et al. (2025) Dose and timing effects of caffeine on subsequent sleep: a randomized clinical crossover trial, Sleepdoi.org
- Clark & Landolt (2017) Coffee, caffeine, and sleep: A systematic review of epidemiological studies and randomized controlled trials, Sleep Medicine Reviewsdoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。









