「大食いすると胃が大きくなる」は半分ホント。胃に風船を入れて測った研究者がいた

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一度食べすぎると、胃はその大きさのまま元に戻らなくなる
胃は伸び縮みする袋で、食後は元の大きさに戻る。容量は食べ方の習慣で少し変わるらしい。
- 対象
- 肥満・非肥満の成人、大食い選手
- 規模
- 数人〜数十人
- 研究の種類
- 生理学的実験+症例報告
- 確かさ
- ★★☆☆☆
胃は伸び縮みする袋で、容量には個人差と「慣れ」がある。減量で胃の容量が小さくなった研究もある。ただ1回のドカ食いで永久に大きくはならない。
ひとことで言うと胃はゴム風船みたいにのびちぢみする。食べ方のクセで、少し変わるみたい!
テレビの大食い番組を見て、「あの人たちの胃はどうなってるんだろう?」と思ったことはありませんか。
逆に、ダイエット中の人からは「最近食べる量を減らしたら、胃が小さくなった気がする」という声も聞きます。
胃は本当に、食べ方で大きくなったり小さくなったりするのでしょうか? 答えは「半分ホント」。そしてこの疑問を確かめるため、胃の中に風船を入れた研究者がいました。
01胃は「伸び縮みする袋」
空っぽの胃は、しぼんだ袋のような状態です。食べ物が入ってくると、胃の壁の筋肉がゆるんで広がり、たくさん入れられるようになります。食べ物が腸へ送られれば、また縮みます。
つまり胃は、ゴム風船のように伸び縮みする臓器なのです。1回たくさん食べたからといって、伸びたまま戻らなくなるわけではありません。
02胃に風船を入れて測った
では、胃の「広がりやすさ」に個人差はあるのでしょうか。
風船を使えば、胃がどこまで広がると苦しくなるか(耐えられる限界)がわかります。この方法で、胃の容量と食べ方の関係を調べる研究が進みました。
034週間の減量で、胃が約3割小さくなった
参加者はごく少人数ですが、胃の容量が食べ方に合わせて変化しうることを示した興味深い結果です。逆に言えば、たくさん食べる生活が続けば、胃が広がりやすくなっている可能性もあります。

04ある大食い選手の胃は「別物」だった
さらに極端な例が、早食い・大食いの選手です。
アメリカの研究チームは、世界王者級の大食い選手1人と一般の人1人に、限られた時間でホットドッグをできるだけ食べてもらい、そのときの胃の様子をX線で観察しました。一般の人は数本で満腹になり胃もあまり広がりませんでしたが、大食い選手の胃は巨大な袋のようにふくらみ続けました。しかも選手は、満腹感をほとんど感じていない様子だったといいます。
研究者らは、こうした選手の胃が本来の「満腹のブレーキ」が効きにくい状態になっている可能性を指摘し、長期的には胃の動きが悪くなるなどの健康リスクもありうると注意を促しています。
05なぜ「胃が大きくなる」と言われるのか
「最近たくさん食べられるようになった」「ダイエットしたら少量で満足できる」――こうした実感は多くの人にあります。
ただ、その変化は胃の大きさだけでなく、満腹を伝えるホルモンや脳の感じ方、食べるスピードなどの影響も受けます。「胃の大きさ」はわかりやすい説明ですが、実際はもっと複雑な仕組みが関わっているのです。
06まとめ
- 胃は伸び縮みする袋。1回のドカ食いで大きいまま戻らないことはない
- ただし、減量で胃の容量が約3割小さくなったという研究がある
- 胃の容量は食べ方の習慣に合わせて少しずつ変わるらしい
「胃が小さくなる」のを待つより、ゆっくりよく噛んで食べる。それが、胃にも満腹のブレーキにもやさしい食べ方です。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerDoes eating too much make your stomach bigger?
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
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Does eating a lot make your stomach bigger? The stomach is like a balloon. It gets bigger when food comes in and smaller when the food leaves. One big meal does not make it big forever.
But a scientist put a small balloon into people's stomachs to measure them. After four weeks of eating less, some people's stomachs held about 30 percent less. So eating habits may slowly change the stomach.
71 words ・ CEFR A2
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たくさん食べると胃は大きくなるのでしょうか。胃は風船のようなものです。食べ物が入ると大きくなり、食べ物が出ていくと小さくなります。1回の大食いで胃がずっと大きいままになることはありません。
しかし、ある科学者は人々の胃に小さな風船を入れて大きさを測りました。4週間食べる量を減らした後、一部の人の胃は約30%少ない量しか入らなくなりました。だから、食べる習慣が少しずつ胃を変えるのかもしれません。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
たくさん食べると胃が大きくなるのか、という疑問がテーマなので D。
Q2. What did the scientist put into people's stomachs?
a scientist put a small balloon into people's stomachs とあるので A。
Q3. In this passage, "held about 30 percent less" means the stomach ...
hold は「入れておける・収容できる」。容量が約30%減ったという意味なので C。
Does eating too much make your stomach bigger? The answer is partly yes. The stomach is a stretchy bag. Its muscles relax to make room for food and then shrink again as the food moves on, so one big meal does not make it larger forever.
To study stomach size, an American researcher placed a balloon on the end of a thin tube inside people's stomachs. He slowly filled it with water and asked them when they felt too full.
In a 1996 study, people with obesity followed a low-calorie diet for four weeks. Afterward, their stomachs held about 30 percent less. People who did not change their diet showed little change. So the stomach seems to adjust to the way we eat.
123 words ・ CEFR B1
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食べすぎると胃は大きくなるのでしょうか。答えは、部分的にはイエスです。胃は伸び縮みする袋です。食べ物のために筋肉がゆるんで場所を作り、食べ物が先へ進むと再び縮みます。
そのため、1回の大食いで胃がずっと大きくなることはありません。胃の大きさを調べるため、あるアメリカの研究者は、細い管の先につけた風船を人々の胃の中に入れました。彼はそれにゆっくり水を入れていき、いつ苦しいほど満腹になるかをたずねました。
1996年の研究では、肥満の人たちが4週間、低カロリー食を続けました。その後、彼らの胃に入る量は約30%少なくなっていました。食事を変えなかった人たちには、ほとんど変化がありませんでした。つまり、胃は私たちの食べ方に合わせて変わるようです。
4択リーディングクイズ
Q1. Why doesn't a single big meal make the stomach bigger forever?
shrink again as the food moves on, so one big meal does not make it larger forever とあるので B。
Q2. How did the researcher measure stomach capacity?
placed a balloon ... He slowly filled it with water とあるので D。
Q3. What can we learn from the 1996 study?
低カロリー食で胃に入る量が約30%減ったことから the stomach seems to adjust to the way we eat と述べているので C。
Eat too much, people warn, and your stomach will stretch. That is half true. The stomach is an elastic organ. Its muscular walls relax to accommodate a meal and contract again as food passes into the intestine, so one large meal does not leave it permanently stretched. To find out whether capacity varies, the American researcher Geliebter inserted a balloon on a thin tube into volunteers' stomachs and slowly filled it with water, noting when they reported fullness and discomfort.
Measured this way, capacity differed from person to person. In a 1996 study, obese participants who followed a low-calorie diet for four weeks showed about a 30 percent drop in stomach capacity, while a group that kept their usual diet showed almost no change. These studies were small and short. They also cannot say whether the smaller stomach lasts once people return to normal meals, and fullness depends on gut hormones and the brain as well.
Competitive eaters are the extreme case. When researchers used X-rays to watch a speed eater and an ordinary person eat hot dogs, the ordinary person's stomach barely expanded. The competitor's kept swelling like a huge sac, with little sign of fullness.
197 words ・ CEFR B2
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食べすぎると胃が伸びるぞ、とよく言われます。これは半分正しいのです。胃は弾力のある臓器です。筋肉の壁がゆるんで食事を受け入れ、食べ物が腸へ進むと再び縮むので、1回の大食いで胃が永久に伸びたままになることはありません。容量に違いがあるかを調べるため、アメリカの研究者ゲリーブターは、細い管につないだ風船をボランティアの胃に入れて少しずつ水を満たし、満腹や不快感を訴えた時点を記録しました。
この方法で測ると、胃の容量は人によって異なっていました。1996年の研究では、4週間低カロリー食を続けた肥満の参加者は胃の容量が約30%減った一方、ふだんの食事を続けたグループにはほとんど変化がありませんでした。これらの研究は小規模で、期間も短いものでした。また、ふつうの食事に戻したあとも胃が小さいままかどうかもわかりませんし、満腹感は消化管ホルモンや脳にも左右されます。
大食い選手は極端な例です。研究者がX線を使って大食い選手と一般の人がホットドッグを食べる様子を観察したところ、一般の人の胃はほとんど広がりませんでした。一方、選手の胃は満腹の兆候をほとんど見せずに、巨大な袋のようにふくらみ続けたのです。
4択リーディングクイズ
Q1. Why does the author call the claim "half true"?
1回の大食いでは永久に伸びないが、減量で容量が約30%減った研究がある、という両面から half true と言っているので C。
Q2. What did the X-ray observation show?
The competitor's kept swelling like a huge sac, with little sign of fullness とあるので A。
Q3. Which of the following is NOT mentioned as a reason for caution?
小規模・短期、ふつうの食事に戻したあとも胃が小さいままかどうかが不明、ホルモンと脳の関与は挙げられているが、風船が大きすぎたという記述はないので D。
重要単語
- stomach capacityB2名詞(句)胃の容量Stomach capacity differs from person to person.
capacity は「容量・能力」。capacity for ~「~する能力」も頻出。 - stretchB1動詞伸びる、伸ばすThe stomach can stretch after a big meal.
名詞でも使う。at a stretch「一気に・続けて」は熟語問題で頻出。 - satietyC1名詞満腹感Fiber can increase satiety.
satisfy(満足させる)と同語源。発音は /səˈtaɪəti/。 - adaptB1動詞適応するThe body adapts to new habits.
adapt to ~「~に適応する」。adopt(採用する)とのつづりの違いに注意。 - balloonA2名詞風船The doctor used a balloon to measure the stomach.
l と o が2つずつ。医療では balloon catheter(バルーンカテーテル)など。 - elasticB2形容詞弾力のある、伸縮性のあるThe stomach is an elastic organ.
名詞 elasticity(弾力性)。経済の「価格弾力性」にも使われる。
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「たくさん食べると胃が大きくなる」を確かめるため、胃の中に風船を入れて水でふくらませ、容量を測った研究者がいるらしい。4週間の減量で胃の容量が約3割小さくなった、という結果まで出ている。胃は意外と"慣れる"臓器だった。
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出典・参考文献(3件)タップで表示
- Geliebter (1988) Gastric distension and gastric capacity in relation to food intake in humans, Physiology & Behaviordoi.org
- Geliebter et al. (1996) Reduced stomach capacity in obese subjects after dieting, American Journal of Clinical Nutritiondoi.org
- Levine et al. (2007) Competitive Speed Eating: Truth and Consequences, American Journal of Roentgenologydoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











