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テストは「朝イチ」が有利? デンマーク全公立校のデータでわかった休み時間の力

テストは「朝イチ」が有利? デンマーク全公立校のデータでわかった休み時間の力

読む前に予想してみよう!

休み時間を減らして授業を増やした方が、テストの点は上がりやすい

研究カード(どんな研究?)
対象
デンマークの公立校の子ども
規模
全公立校・4年度分のテスト
研究の種類
大規模な自然実験(行政データ分析)
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

デンマークの全公立校の子どものテストを分析したら、1時間遅くなるごとに成績が少し下がった。でも20〜30分の休憩をはさむと、それ以上に回復していた。

ひとことで言うと時間がたつと頭は疲れる。でも休み時間でちゃんと回復する!

もくじ
  1. テストの時間は「くじ引き」みたいなものだった
  2. 頭も「スタミナ切れ」を起こす
  3. 休み時間があるクラスは、先生の評価が良かった
  4. まとめ

1時間目と6時間目、同じテストを受けるならどっちがいい? なんとなく「朝の方が頭がスッキリしてそう」と思う人は多いかもしれません。

この素朴な疑問に、デンマークの研究者たちが国全体のテストデータで答えを出しました。さらにその研究は、休み時間がテストの点を上げるという、ちょっとうれしい発見もしていたのです。

01テストの時間は「くじ引き」みたいなものだった

数字だけ見ると小さく感じますが、国全体で見れば無視できない差です。そして大事なのは、休憩による回復が、1時間分の疲れによる低下より大きかったことです。

研究チームは、この結果を学校の評価にも結びつけています。もしテストの時間帯が学校ごとにちがえば、「午後にテストを受けた学校は、実力より低く見える」ことになります。テストの点で学校を比べるなら、受けた時間帯のような外の要因も考慮すべきだ、というわけです。

02頭も「スタミナ切れ」を起こす

研究チームは、この現象を「認知的疲労」で説明しています。授業を受け続けると、集中するための力が少しずつ消耗していく。でも休憩をはさむと、それが回復するというわけです。

授業で減った「頭のバッテリー」は、休み時間に充電される
授業で減った「頭のバッテリー」は、休み時間に充電される

03休み時間があるクラスは、先生の評価が良かった

アメリカでも休み時間の価値を示す研究があります。Barrosさんらは2009年、8〜9歳の約1万人のデータを分析し、1日に15分以上の休み時間が1回以上あるクラスでは、先生が評価した「クラスの行動」の得点が良好だったと報告しました(『Pediatrics』誌)。

ただし、休み時間がほとんどないクラスには、低所得家庭や大都市の学校が多いといった偏りもありました。統計的に調整はしていますが、休み時間だけの効果とは言い切れません。

アメリカ小児科学会は2013年の声明で、休み時間は「子どもの発達に欠かせない時間」であり、罰として取り上げたり、授業時間確保のために削ったりすべきではないと述べています。

日本の学校には、授業の合間の10分休みや昼休みがあります。テスト期間中、休み時間も机にかじりついて単語帳を見続けている人は多いかもしれません。でもこの研究を見ると、休憩をはさんで頭を休ませることには、ちゃんと意味がありそうです(ただし研究で効果が見られたのは20〜30分の休憩です)。

04まとめ

テストは時間が遅くなるほど、ほんの少し不利になる。でも、20〜30分の休み時間はそれ以上の回復力を持っていました。

休み時間は「勉強していない時間」ではなく、次の勉強のための充電時間。テスト期間こそ、ちゃんと休んでくださいね。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany students feel that their minds are fresher in the morning. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many students feel that their minds are fresher in the morning. Researchers in Denmark tested this idea using national computer-based tests taken by every child in public schools over four school years, 2009/10 to 2012/13. In Denmark, the time of each test depended on class schedules and when the computer room was free, so it was almost like a natural lottery. The researchers found that for every hour later in the day, test scores fell by 0.9 percent of a standard deviation.

However, students who took the test right after a 20 to 30 minute break scored 1.7 percent of a standard deviation higher. The researchers explained this with "cognitive fatigue." The mind gets tired during lessons, but breaks restore it.

121 words ・ CEFR B1

和訳を見る

多くの生徒は、朝の方が頭がすっきりしていると感じています。デンマークの研究者たちは、2009/10年度から2012/13年度の4年度にわたって公立校のすべての子どもが受けたコンピュータ形式の全国テストを使って、この考えを確かめました。デンマークでは、各テストの時間は時間割やパソコン室が空いている時間によって決まっていたので、ほとんど「自然のくじ引き」のようなものでした。研究者たちは、1日の中で1時間遅くなるごとに、テストの点が標準偏差の0.9%ずつ下がることを発見しました。

しかし、20〜30分の休憩の直後にテストを受けた生徒は、標準偏差の1.7%高い点を取りました。研究者たちはこれを「認知的疲労」で説明しました。授業の間に頭は疲れますが、休憩がそれを回復させるのです。

4択リーディングクイズ

Q1. Why was the Danish data like a "natural lottery"?

Q2. How much did scores rise after a 20 to 30 minute break?

Q3. What can we infer from the passage?

重要単語

  • fatigueB2
    名詞疲労Mental fatigue builds up during the school day. 発音は /fəˈtiːɡ/(ファティーグ)。cognitive fatigue で「認知的疲労(頭の疲れ)」。
  • recessB2
    名詞休み時間We play soccer during recess. 主にアメリカ英語。イギリスでは break や playtime。議会の「休会」の意味もある。
  • standardized testB2
    名詞(句)標準テスト・統一テストStandardized tests are given to all students. standardize(標準化する)の過去分詞。全員が同じ条件で受け、比較できるテストのこと。
  • restoreB2
    動詞回復させるA short break can restore your focus. re-(再び)+store(蓄える)のイメージ。restore A to B「A を B の状態に戻す」。
  • scheduleA2
    名詞・動詞時間割・予定(を組む)The test time depended on the class schedule. ahead of schedule「予定より早く」、behind schedule「予定より遅れて」は頻出熟語。
  • cognitiveC1
    形容詞認知の・頭の働きに関するLong lessons can cause cognitive fatigue. 名詞 cognition(認知)。cognitive ability「認知能力」、cognitive science「認知科学」など。
デンマークの全公立校の子どものテスト結果を調べたら、テストの時間が1時間遅くなるごとに成績が少しずつ下がっていたらしい。でも20〜30分の休み時間をはさむと、下がった分以上に回復。休み時間はサボりじゃなかった。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Sievertsen, Gino & Piovesan (2016) Cognitive fatigue influences students' performance on standardized tests, PNASdoi.org
  2. Barros, Silver & Stein (2009) School Recess and Group Classroom Behavior, Pediatricsdoi.org
  3. Murray, Ramstetter et al. (2013) The Crucial Role of Recess in School, Pediatricsdoi.org