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土星は巨大なお風呂に浮かぶ。水より軽い“ふわふわ惑星”の正体

土星は巨大なお風呂に浮かぶ。水より軽い“ふわふわ惑星”の正体

読む前に予想してみよう!

土星は太陽系の惑星の中で、平均密度がいちばん小さい

研究カード(どんな研究?)
対象
土星の内部構造と密度
規模
1つの惑星(カッシーニの重力・環の観測)
研究の種類
探査機データ+内部構造モデル
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

土星の平均密度は約0.69g/cm³で水より小さい。計算上は巨大なお風呂に浮く。ただし実際に入れられる風呂は存在しない。

ひとことで言うと土星は、同じ大きさの水よりも軽いんだって!

もくじ
  1. 決め手は「密度」
  2. なぜそんなに軽いの?
  3. カッシーニが最後にくれたプレゼント
  4. 惑星の「密度ランキング」を見てみよう
  5. 回転が速すぎて“つぶれまんじゅう”
  6. まとめ

「土星をお風呂に入れたら、浮く」。こんな話を聞いたことはありますか? ウソみたいですが、計算上はホントです。

土星は地球の約95倍もの重さがある巨大な惑星。それなのに、同じ体積の水よりも軽いのです。今日はこの“ふわふわ惑星”の秘密に迫ります。

01決め手は「密度」

ものが水に浮くか沈むかを決めるのは、密度です。密度とは「同じ大きさで比べたときの重さ」のこと。

  • 水:1cm³あたり約1g
  • 地球(平均):約5.5g → 水の5倍以上
  • 土星(平均):約0.69g → 水より小さい!

木や発泡スチロールが水に浮くのと同じ理屈で、土星の平均密度は水より小さいから「浮く」計算になるのです。太陽系の惑星で、平均密度が水を下回るのは土星だけです。

同じ大きさで比べると、土星は水より軽い
同じ大きさで比べると、土星は水より軽い

02なぜそんなに軽いの?

理由はシンプルで、土星の大部分が宇宙でいちばん軽い元素「水素」と、次に軽いヘリウムでできているからです。

土星は地球のような岩の惑星ではなく、ガス惑星と呼ばれるタイプ。とはいえ、ただの「ガスのかたまり」ではありません。中心に近づくほど圧力が高くなり、水素は液体のようになったり、さらに奥では金属のように電気を通す状態になったりすると考えられています。

つまり土星は、ふわふわの外側と、ぎゅっと詰まった中心をもつ惑星。全部を平均すると、水より軽くなるのです。

03カッシーニが最後にくれたプレゼント

土星の中身を調べるのは簡単ではありません。そこで活躍したのが、NASAとヨーロッパ・イタリアの宇宙機関が協力した探査機カッシーニです。

また、土星の1日の長さは、分厚い雲のせいで長いあいだ正確に分かりませんでした。マンコビッチらは2019年、輪のさざ波のようなゆれを手がかりに土星内部の振動を読み解き、1日は約10時間33分と見積もっています。

04惑星の「密度ランキング」を見てみよう

ほかの惑星とくらべると、土星の軽さがよく分かります。

  • 地球:約5.5g/cm³(太陽系の惑星でいちばん密度が大きい)
  • 水星:約5.4g/cm³、金星:約5.2g/cm³
  • 火星:約3.9g/cm³
  • 海王星:約1.6g/cm³
  • 木星・天王星:約1.3g/cm³
  • 土星:約0.69g/cm³(ダントツの最下位)

岩や金属でできた地球の仲間(岩石惑星)は重く、ガスや氷が多い外側の惑星は軽い。その中でも土星は、とびきりの“軽量級”なのです。ちなみに、土星の自慢の輪は、ほとんどが氷のつぶでできています。

05回転が速すぎて“つぶれまんじゅう”

土星は、あの巨体で約10時間半に1回という猛スピードで自転しています。そのため遠心力で赤道がふくらみ、横にひしゃげた形になっています。太陽系の惑星のなかでも、とくに平べったい惑星です。

06まとめ

  • 土星の平均密度は約0.69g/cm³で、水より小さい
  • 水素とヘリウムが主成分のガス惑星だから軽い
  • 「お風呂に浮く」はあくまでたとえ話。でも密度のイメージにはぴったり

次に夜空で土星を見つけたら、「あれは宇宙でいちばんお風呂に浮きそうな惑星なんだよ」と、だれかに教えてあげてください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerWhether something floats in water depends on its density, which means how heavy it is for each cubic… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Whether something floats in water depends on its density, which means how heavy it is for each cubic centimeter of its volume. Water has a density of about 1 gram per cubic centimeter, and the Earth's average is about 5.5. Saturn, however, averages only about 0.69, so in theory it would float in a giant bathtub, just as wood does. It is the only planet in the solar system that is less dense than water.

The reason is that Saturn is made mostly of hydrogen and helium. Deep inside, high pressure may turn hydrogen into a liquid and even a metal-like state, but on average the planet is still lighter than water. Saturn also spins once about every ten and a half hours.

123 words ・ CEFR B1

和訳を見る

ものが水に浮くかどうかは、密度、つまり1立方センチメートルあたりどれくらい重いかによって決まります。水の密度は1立方センチメートルあたり約1gで、地球の平均は約5.5gです。ところが土星の平均は約0.69gしかないので、木が浮くのと同じように、理論上は巨大なお風呂に浮かびます。太陽系で水より密度が小さい惑星は土星だけです。

その理由は、土星が主に水素とヘリウムでできているからです。奥深くでは、高い圧力によって水素が液体に、さらには金属のような状態になるかもしれませんが、平均すると、この惑星はやはり水より軽いのです。また、土星は約10時間半に1回という速さで自転しています。

4択リーディングクイズ

Q1. What decides whether something floats in water?

Q2. What is Saturn's average density, according to the passage?

Q3. What can we infer about the inside of Saturn?

重要単語

  • densityB2
    名詞密度Saturn's density is lower than water's. dense(密な)の名詞形。population density「人口密度」も頻出。
  • floatA2
    動詞浮くWood floats because it is less dense than water. 反対は sink(沈む)。float an idea「考えを持ち出す」という比喩もある。
  • gas giantC1
    名詞(句)巨大ガス惑星Saturn is a gas giant made mostly of hydrogen. 木星と土星が代表例。天王星・海王星は ice giant と区別されることが多い。
  • interiorB2
    名詞内部Scientists study the interior of Saturn. 反対は exterior(外部)。「室内装飾」のインテリアも同じ語。
  • oblateC1
    形容詞(扁平に)ひしゃげたSaturn's fast spin makes it oblate. 極方向につぶれ赤道がふくらんだ形。地球もわずかに oblate。専門語だが難関大の科学文で見かける。
  • compositionB2
    名詞組成・構成The planet's composition explains its low density. compose(構成する)の名詞形。「作文・作曲」の意味もある。be composed of ~「~から成る」も頻出。
  • in principleB2
    副詞(句)原理的には・理論上はIn principle, Saturn would float in water. in practice(実際には)と対比で使われることが多い。in theory とほぼ同じ意味。

動画でもっと知る

土星の平均密度は水の約0.7倍。つまり土星が入るほど巨大なお風呂があれば、プカッと浮く計算になる。太陽系でいちばん“ふわふわ”な惑星らしい。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Iess et al. (2019) Measurement and implications of Saturn's gravity field and ring mass, Sciencedoi.org
  2. Mankovich et al. (2019) Cassini Ring Seismology as a Probe of Saturn's Interior. I. Rigid Rotation, The Astrophysical Journaldoi.org
  3. NASA, Saturn: Facts, NASA Sciencescience.nasa.gov