レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?「90分周期で起きればスッキリ」は半分だけ本当だった

読む前に予想してみよう!
夢を見るのはレム睡眠のときだけだ
夢はノンレム睡眠中にも見る。ただしレム睡眠の夢のほうが、ストーリー性があって鮮やかなことが多い。
- 対象
- 健康な子ども〜高齢者
- 規模
- 65研究・3,577人(メタ分析)など
- 研究の種類
- 睡眠ポリグラフ研究・メタ分析
- 確かさ
- ★★★★☆
ノンレムは脳も体も休む深い眠り、レムは体は休むが脳は活発で夢を見やすい眠り。周期は平均約90分だが人や夜の時間帯で70〜120分ほどばらつく。
ひとことで言うと眠りは「深い休けい」と「夢のステージ」をくり返す。長さは人それぞれ!
レム睡眠とノンレム睡眠のいちばんの違いは、「脳が休んでいるか、活発に動いているか」です。ノンレム睡眠は脳も体もぐっすり休む眠り。レム睡眠は、体の筋肉はゆるんで動かないのに、脳は起きているときに近いほど活発で、鮮やかな夢を見やすい眠りです。
この2つは、ひと晩に4〜5回くり返されます。1回の周期は平均するとおよそ90分。ただし、「90分の倍数で起きれば絶対スッキリ」という話は、半分だけ本当です。理由を順番に見ていきましょう。
01目がキョロキョロ動く眠りの発見
レム睡眠が見つかったのは1953年。シカゴ大学の大学院生アセリンスキーさんと指導教員のクライトマンさんが、眠っている人の目が、まぶたの下で素早く動く時間帯があることに気づきました。
この「急速眼球運動(Rapid Eye Movement)」の頭文字がREM(レム)です。この時間帯に起こすと、多くの人が「夢を見ていた」と答えました。
ちなみに、生まれたばかりの赤ちゃんは、眠りのおよそ半分がレム睡眠に近い眠りだと考えられています。脳がぐんぐん育つ時期に、レム睡眠が多いのは偶然ではないのかもしれません。
022つの眠りをくらべてみると
- 脳:ノンレムは休んでいる(ゆっくりした大きな脳波)/レムは活発(起きているときに近い)
- 体:ノンレムは少し動ける(寝返りなど)/レムは筋肉がゆるみ、ほぼ動かない
- 夢:ノンレムでも見るがぼんやり/レムはストーリーのある鮮やかな夢が多い
- 多い時間帯:ノンレム(特に深い眠り)は夜の前半/レムは夜の後半から明け方
ノンレム睡眠の中でもいちばん深い眠りは、眠りはじめの1〜2周期に集中します。明け方に近づくほど、レム睡眠が長くなっていきます。

03「90分」はあくまで平均
ここがどんでん返しです。1周期が90分というのは、あくまで平均値。実際には人によって、また同じ人でも夜の時間帯によって、おおよそ70〜120分くらいばらつくとされます。1979年の研究でも、周期の長さが夜を通じて一定の傾向で変化していくことが報告されています。
つまり「6時間(90分×4)ぴったりで起きれば必ずスッキリ」は、計算どおりにはいきません。その日の寝つくまでにかかる時間も人によって違うので、逆算してもぴったりは合いません。
04まとめ
ノンレム睡眠は脳と体の休けいタイム、レム睡眠は脳がフル稼働する夢のステージ。この2つがひと晩に何度も入れかわっています。
「90分周期」は便利な目安ですが、絶対のルールではありません。自分の体で試して、自分の周期を知ることが、いちばんの近道です。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerSleep is not the same all night.
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
When we sleep, our sleep changes again and again. There are two kinds of sleep. In non-REM sleep, the brain and the body both rest. In REM sleep, the body does not move, but the brain is very active.
We often have clear dreams then. One cycle of the two kinds of sleep is about 90 minutes on average. But it is different for each person, so waking up at exactly 90 minutes may not work.
76 words ・ CEFR A2
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眠っている間、私たちの眠りは何度も変化します。眠りには2つの種類があります。ノンレム睡眠では、脳も体も休みます。レム睡眠では、体は動きませんが、脳はとても活発です。
そのとき、私たちははっきりした夢をよく見ます。2種類の眠りの1周期は、平均して約90分です。でも、それは人によって違うので、ちょうど90分で起きてもうまくいかないかもしれません。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
第1・2文で眠りは何度も変わり、2種類あると述べ、その違いと周期を説明しているので D。
Q2. What happens in REM sleep?
In REM sleep, the body does not move, but the brain is very active. とあるので C。A はノンレム睡眠の説明。
Q3. In this passage, "on average" is closest to ...
on average は「平均して」。多くの場合をならすと、という意味なので B。直後に「人によって違う」とあり、A の「いつもぴったり」は誤り。
Sleep is not the same all night. It alternates between non-REM sleep, when both the brain and body rest, and REM sleep, when the muscles relax but the brain becomes almost as active as when we are awake. REM stands for "rapid eye movement." It was discovered in 1953, when researchers noticed that sleepers' eyes moved quickly under their eyelids.
People woken during this stage often said they had been dreaming. The two stages repeat four or five times a night. The deepest sleep comes mostly in the first part of the night, while REM sleep gets longer toward morning. One cycle lasts about 90 minutes on average, but it can vary from about 70 to 120 minutes.
118 words ・ CEFR B1
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眠りはひと晩じゅう同じではありません。脳も体も休むノンレム睡眠と、筋肉はゆるむのに脳が起きているときとほぼ同じくらい活発になるレム睡眠が、交互にくり返されます。REMは「急速眼球運動(rapid eye movement)」の略です。レム睡眠は1953年、眠っている人の目がまぶたの下で素早く動くことに研究者が気づいたときに発見されました。
この段階で起こされた人は、夢を見ていたとよく答えました。2つの段階はひと晩に4〜5回くり返されます。いちばん深い眠りは主に夜の前半に訪れ、レム睡眠は朝に近づくにつれて長くなります。1周期は平均で約90分ですが、およそ70分から120分までばらつくことがあります。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
2種類の眠りの違いと、それがひと晩にくり返されることを説明しているので C。
Q2. When does the deepest sleep mostly happen?
The deepest sleep comes mostly in the first part of the night とあるので A。朝に近づくと長くなるのはレム睡眠。
Q3. What can we infer about setting an alarm for exactly 90-minute cycles?
最終文で周期は約70〜120分とばらつくとあるので、90分ぴったりが本人の周期に合うとは限らないと推測できる。正解は B。
Human sleep is organized into cycles. Non-REM sleep, especially its deepest stage, allows both brain and body to rest, whereas during REM sleep the muscles are nearly paralyzed while the brain shows activity close to that of wakefulness, and vivid, story-like dreams are common. REM sleep was identified in 1953, and in 1957 overnight brain-wave recordings revealed that deep sleep and REM sleep alternate in a regular pattern. A 2004 meta-analysis of 65 studies covering 3,577 people found that REM accounts for roughly a fifth of adult sleep and that the proportions of deep sleep and REM decline with age.
The popular advice to wake up after multiples of 90 minutes, however, is only half true. Ninety minutes is merely an average: cycle length typically ranges from about 70 to 120 minutes, both between individuals and across a single night, and people also differ in how long it takes to fall asleep. The related idea that waking between cycles reduces grogginess is inferred from studies of waking from deep sleep rather than tested directly. A more reliable strategy is to keep a regular wake-up time and discover your own rhythm.
190 words ・ CEFR B2
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人間の睡眠は周期によって組み立てられています。ノンレム睡眠、特にその最も深い段階では脳も体も休むことができます。一方、レム睡眠中は筋肉がほぼまひした状態になりながら、脳は覚醒時に近い活動を示し、鮮やかでストーリーのある夢がよく見られます。レム睡眠は1953年に確認され、1957年にはひと晩じゅう脳波を記録することで、深い眠りとレム睡眠が規則的なパターンで交互に現れることが明らかになりました。65の研究・3,577人分をまとめた2004年のメタ分析では、レム睡眠は大人の睡眠のおよそ5分の1を占め、深い眠りとレム睡眠の割合は年齢とともに減ることがわかりました。
しかし、「90分の倍数で起きるとよい」というよく知られた助言は、半分だけ本当です。90分は単なる平均にすぎません。周期の長さは、人によっても、ひと晩の中でも、ふつう約70分から120分の幅があり、寝つくまでにかかる時間も人によって違います。さらに、周期の切れ目で起きればぼんやりしにくいという考えは、深い眠りから起きたときの研究から推測されたもので、直接検証されたわけではありません。より確かな方法は、毎日同じ時刻に起きて、自分自身のリズムを見つけることです。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the writer's main point?
睡眠周期の存在を説明したうえで、90分の倍数という助言は only half true で平均にすぎないと述べているので B。
Q2. What did the 2004 meta-analysis find?
REM accounts for roughly a fifth of adult sleep and that the proportions of deep sleep and REM decline with age とあるので D。
Q3. Why does the writer call the 90-minute advice "only half true"?
周期自体は存在する(前半)が、長さは70〜120分とばらつき、周期の切れ目で起きる効果も直接は検証されていない(後半)ので A。
重要単語
- rapid eye movementB2名詞(句)急速眼球運動(REMの語源)Rapid eye movement gave REM sleep its name.
rapid は quick のかたい語。rapid growth「急成長」のように名詞の前でよく使う。 - cycleB1名詞周期・循環One sleep cycle lasts about ninety minutes.
cycl-(輪)が語源。bicycle(2つの輪)、recycle(再び循環させる)と同じ仲間。 - deep sleepB1名詞(句)深い眠りDeep sleep comes mostly early in the night.
fall into a deep sleep「深い眠りに落ちる」。反対は light sleep「浅い眠り」。 - alternateB2動詞・形容詞交互に起こる・交互のThe two kinds of sleep alternate all night.
alternate between A and B「AとBを行き来する」。名詞 alternative「代わりの選択肢」と区別。 - paralysisC1名詞まひMuscle paralysis during REM sleep keeps us from acting out dreams.
動詞は paralyze。sleep paralysis は「金縛り」。発音は /pəˈræləsɪs/ で ra にアクセント。 - varyB1動詞異なる・変化するSleep needs vary from person to person.
vary from person to person「人によって異なる」は定番。形容詞 various, 名詞 variety, variation も一緒に覚える。
このネタ、誰かに教えたくなった?
「90分の倍数で起きるとスッキリ」ってよく聞くけど、睡眠の1周期は人や時間帯で70〜120分くらいばらつくらしい。レム睡眠とノンレム睡眠の違いと、目覚ましの本当のコツをまとめた。
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出典・参考文献(5件)タップで表示
- Aserinsky & Kleitman (1953) Regularly Occurring Periods of Eye Motility, and Concomitant Phenomena, During Sleep, Sciencedoi.org
- Dement & Kleitman (1957) Cyclic variations in EEG during sleep and their relation to eye movements, body motility, and dreaming, Electroencephalography and Clinical Neurophysiologydoi.org
- Feinberg & Floyd (1979) Systematic Trends Across the Night in Human Sleep Cycles, Psychophysiologydoi.org
- Ohayon et al. (2004) Meta-Analysis of Quantitative Sleep Parameters From Childhood to Old Age in Healthy Individuals, Sleepdoi.org
- Le Bon (2020) Relationships between REM and NREM in the NREM-REM sleep cycle: a review on competing concepts, Sleep Medicinedoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。








