心理学ホント

ナルシストは最初モテる、でも数週間で嫌われる。グループ実験でわかった"人気の賞味期限"

ナルシストは最初モテる、でも数週間で嫌われる。グループ実験でわかった"人気の賞味期限"

読む前に予想してみよう!

自己愛が強い人は、初対面の印象では周りから好かれやすい

研究カード(どんな研究?)
対象
ドイツ・カナダの大学生
規模
数十〜約300人
研究の種類
グループでの縦断的観察実験
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

自己愛が強い人は、初対面では明るく魅力的に見えて人気者になりやすい。ところが毎週会うグループ実験では、回を重ねるごとに人気が下がっていった。

ひとことで言うと最初は「すごい人!」に見えても、本当の姿は時間がたつとわかる。

もくじ
  1. 初対面では「自己愛が強い人」が人気者
  2. ## 7週間たつと評価が下がる
  3. 「あこがれ」と「張り合い」の2つの顔
  4. まとめ

新しいクラスや部活で、最初から目立つ人がいます。自信たっぷりで、話がうまくて、おしゃれで、なんだか輝いて見える。気づけばみんなの中心にいる——。

ところが数か月たつと、「あの人、ちょっと自分の話ばっかりじゃない?」「人の手柄を取るよね」と、評判が変わっていくことがあります。

心理学では、こうした変化を「自己愛(ナルシシズム)」という性格の特徴から調べた研究があります。そこから見えてきたのは、人気の"賞味期限"でした。

01初対面では「自己愛が強い人」が人気者

つまり、ナルシストっぽい人が最初にモテるのは偶然ではなく、第一印象を良くする行動を自然にとっているからなのです。

02## 7週間たつと評価が下がる

では、そのあとはどうなるのでしょうか。

カナダの心理学者ポールハスは、大学生に少人数のグループで週1回、計7回集まって話し合ってもらい、1回目と7回目の後にお互いの印象を評価してもらいました。

すると、自分を実際以上によく見せようとする傾向が強い人は、1回目は「感じがいい」「有能そう」と好意的に見られたのに、7回目には「傲慢」「敵意がある」と見られ、好感度が下がっていたのです。

最初の輝きは、7週間のうちに色あせていった
最初の輝きは、7週間のうちに色あせていった

03「あこがれ」と「張り合い」の2つの顔

ドイツの研究チームは、さらにくわしく調べました。約300人の大学生に、3週間にわたって毎週グループで交流してもらい、その様子をビデオで記録したのです。

研究チームは、自己愛を2つの面に分けて考えました。

  • 称賛を求める面:注目されたい、すごいと思われたい → 自信のある堂々としたふるまいにつながり、最初は好印象
  • 張り合う面:他人を見下す、ライバルを蹴落としたい → 攻撃的・傲慢なふるまいにつながり、信頼できないと見られる

時間がたつにつれて、前者のプラスの効果は弱まり、後者のマイナスの効果が強くなっていきました。最初の魅力が薄れ、本当の姿が見えてくる、というわけです。

04まとめ

自己愛が強い人は、初対面では自信と華やかさで人気者になりやすい。でも、毎週顔を合わせるうちに、その人気は少しずつ下がっていくことが分かりました。

第一印象はとても強力ですが、それがすべてではありません。人を判断するときは、時間をかけてその人の行動を見ること。それが、自分を守り、本当に信頼できる人を見つけるための近道です。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn a new class, some people stand out right away because they seem confident and charming. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

In a new class, some people stand out right away because they seem confident and charming. Research suggests that many of them score high in narcissism, a personality trait involving a strong desire for attention and admiration. In a German study, 73 new university students introduced themselves to the group and rated each other. People higher in narcissism were more popular at first because of their stylish clothes, confident gestures, and humorous way of speaking.

However, a Canadian psychologist found that this popularity fades. Students met in small groups once a week for seven weeks. People who tended to present themselves too positively were seen as pleasant at the first meeting but as arrogant and hostile by the seventh.

119 words ・ CEFR B1

和訳を見る

新しいクラスでは、自信があって魅力的に見えるため、すぐに目立つ人がいます。研究によると、そうした人の多くは自己愛の得点が高いようです。自己愛とは、注目や称賛を強く求める気持ちを含む性格特性です。ドイツの研究では、大学の新入生73人がグループの前で自己紹介をし、お互いを評価しました。自己愛が強い人ほど、おしゃれな服装、自信のある身ぶり、ユーモアのある話し方のために、最初は人気がありました。

しかし、カナダの心理学者は、この人気が薄れていくことを発見しました。学生たちは7週間、週に1回少人数のグループで集まりました。自分を実際以上によく見せようとする傾向がある人は、1回目の集まりでは感じが良いと見られましたが、7回目には傲慢で敵意があると見られていました。

4択リーディングクイズ

Q1. What is narcissism, according to the passage?

Q2. Why were people higher in narcissism popular at first?

Q3. What can we learn from the Canadian study?

重要単語

  • narcissismC1
    名詞自己愛(の強さ)Narcissism is a strong focus on oneself. 水面に映る自分に恋したギリシャ神話のナルキッソスが語源。形容詞 narcissistic。
  • charmingB1
    形容詞魅力的なHe has a charming smile. charm(魅力・魔法)から。lucky charm は「お守り」。
  • arrogantB2
    形容詞傲慢な、偉そうなNobody likes an arrogant leader. 名詞 arrogance。反対の意味は humble / modest(謙虚な)。
  • popularityB1
    名詞人気The singer's popularity grew quickly. popular(人気のある)の名詞形。gain / lose popularity「人気を得る・失う」。
  • admirationB2
    名詞称賛、あこがれShe wanted admiration from everyone. 動詞 admire。in admiration「感心して」。
  • rivalryC1
    名詞競争心、張り合うことRivalry between the teams was strong. rival(ライバル)の名詞形。sibling rivalry「きょうだい間の張り合い」。
  • hostileB2
    形容詞敵意のあるHis hostile words surprised everyone. 名詞 hostility。be hostile to ~「~に敵対的だ」。

4コマでわかる

ナルシストは最初モテる、でも数週間で嫌われる。グループ実験でわかった"人気の賞味期限"の4コマ漫画
自己愛が強い"ナルシスト"タイプは、初対面では自信満々で魅力的に見え、人気者になりやすいらしい。ところが毎週集まるグループ実験では、回を重ねるごとに評価が下がり、最後は「傲慢」と見られるように。人気には賞味期限があった。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Back, Schmukle & Egloff (2010) Why are narcissists so charming at first sight? Decoding the narcissism–popularity link at zero acquaintance, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
  2. Paulhus (1998) Interpersonal and intrapsychic adaptiveness of trait self-enhancement: A mixed blessing?, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
  3. Leckelt et al. (2015) Behavioral processes underlying the decline of narcissists' popularity over time, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org