心理学ホント

目が合って心地いいのは平均「約3秒」。ロンドンの科学館で約500人が見つめ合った実験

目が合って心地いいのは平均「約3秒」。ロンドンの科学館で約500人が見つめ合った実験

読む前に予想してみよう!

アイコンタクトは長ければ長いほど、相手に好印象を与える

研究カード(どんな研究?)
対象
英国の科学館の来館者/米国の大学生
規模
約500人+会話ペア
研究の種類
実験+会話の瞳孔計測
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

ロンドンの科学館で、画面の人と目が合う時間を変えて「心地いい長さ」を聞くと、平均は約3.3秒。好みの長さは性格や性別ではなく、瞳孔の反応と関係していた。

ひとことで言うと目を合わせるのは、だいたい3秒くらいがちょうどいい!

もくじ
  1. 科学館で「見つめ合い」実験
  2. 会話のアイコンタクトは「盛り上がりの合図」
  3. 見つめ合うと、親しみが増す?
  4. まとめ

「人と話すときは、相手の目を見なさい」——小さいころ、そう言われたことがある人も多いでしょう。でも、ずっと目を見続けるのは、なんだか気まずい。かといって、すぐにそらすと失礼な気がする。

いったい何秒くらい目を合わせるのが"ちょうどいい"のでしょうか? この素朴な疑問に、ロンドンの科学館で答えを出した研究があります。

01科学館で「見つめ合い」実験

意外だったのは、好みの長さが性別や性格、相手の魅力などではほとんど説明できなかったこと。代わりに関係していたのは、瞳孔(黒目の中心)の反応でした。長いアイコンタクトを好む人ほど、相手の顔を見たときに瞳孔が速く大きくなる傾向があったのです。瞳孔は、本人の意思ではコントロールしにくい体の反応です。

02会話のアイコンタクトは「盛り上がりの合図」

では、実際の会話では、アイコンタクトはどんな役割を果たしているのでしょうか。

アメリカのダートマス大学の研究では、会話中の2人の瞳孔の動きを同時に記録しました。2人の瞳孔の大きさが同じように変化しているとき、2人は同じことに注意を向けていると考えられます。

すると、アイコンタクトが起こるのは、2人の注意のそろい方がピークに達したときでした。そして目が合っているあいだに、そのそろい方は少しずつ下がっていき、やがて目がそれる。研究者たちは、アイコンタクトが「今、私たちの心はそろっているね」という合図であり、同時に、次にどちらが新しい話を持ち出すかを切り替えるきっかけにもなっているのではないか、と考えています。

目が合うのは、2人の注意が"そろった"瞬間だった
目が合うのは、2人の注意が"そろった"瞬間だった

03見つめ合うと、親しみが増す?

1989年の古い研究では、初対面の2人に2分間、お互いの目を見つめ合ってもらうと、手を見つめ合ったペアなどに比べて、相手への好意や親しみの気持ちが高まったと報告されています。ただし、これは小規模な実験で、ただし、これは小規模な実験です。

アイコンタクトの力は確かにありそうです。でもそれは、長ければ長いほどいいというものではありません。

04まとめ

心地いいアイコンタクトは、平均で約3秒。そして会話の中でのアイコンタクトは、2人の心がそろった瞬間の合図になっていました。

「目を見て話す」のは大切ですが、ずっと見つめ続ける必要はありません。数秒見て、少しそらして、また合わせる。そのリズムの中に、会話を心地よくするヒントが隠れているのです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany of us were told to look people in the eye when we talk, but how long is comfortable? 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many of us were told to look people in the eye when we talk, but how long is comfortable? In a study at a science museum in London, about 500 visitors watched videos of an actor gazing at them for different lengths of time. The average preferred length was about 3.3 seconds, and people's choices typically differed from that by about 0.7 seconds. Gender and personality explained little.

Instead, people who liked longer eye contact tended to have pupils that grew larger more quickly. A study at Dartmouth College also recorded the pupils of two people talking. It found that eye contact tended to happen when their shared attention reached its peak.

112 words ・ CEFR B1

和訳を見る

私たちの多くは、話すときは相手の目を見るように言われてきましたが、どのくらいの長さが心地よいのでしょうか。ロンドンの科学館での研究で、約500人の来館者が、俳優がさまざまな長さでこちらを見つめる動画を見ました。好まれた長さの平均は約3.3秒で、人による差は平均から約0.7秒ほどでした。性別や性格ではあまり説明できませんでした。

その代わり、長いアイコンタクトを好む人は、瞳孔がより速く大きくなる傾向がありました。ダートマス大学での研究も、話している2人の瞳孔を記録しました。その研究で、アイコンタクトは2人の共有された注意がピークに達したときに起こりやすいことが分かりました。

4択リーディングクイズ

Q1. What was related to people's preferred length of eye contact?

Q2. What did the Dartmouth study record?

Q3. What can we infer about eye contact in conversation?

重要単語

  • eye contactB1
    名詞(句)視線を合わせることGood eye contact shows you are listening. make eye contact with ~「~と目を合わせる」。avoid eye contact「目をそらす」。
  • gazeB2
    名詞・動詞視線/じっと見るHer gaze moved to the window. gaze at ~「~をじっと見つめる」。stare(じろじろ見る)より穏やかな語。
  • pupilB2
    名詞瞳孔(黒目の中心)Your pupils get bigger in the dark. 「生徒」の意味もある多義語。文脈で見分ける。
  • comfortableA2
    形容詞心地よいThis chair is very comfortable. 反対は uncomfortable。発音は /ˈkʌmftəbl/(カンフタブル)で f の後の or はほぼ読まない。
  • synchronyC1
    名詞同期、そろうことThe dancers moved in perfect synchrony. syn(共に)+chron(時間)。synchronize「同期させる」、chronology「年代順、年表」も同語源。
  • involuntaryC1
    形容詞無意識の、意思によらないBlinking is often an involuntary action. in(否定)+voluntary(自発的な)。volunteer と同語源。
ロンドンの科学館で約500人に、画面の人と目が合う時間を変えて見せ、「心地いい長さ」を聞いたら、平均は約3.3秒だったらしい。しかも会話中のアイコンタクトは、2人の注意が最高潮にそろった瞬間に起きやすかった。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Binetti et al. (2016) Pupil dilation as an index of preferred mutual gaze duration, Royal Society Open Sciencedoi.org
  2. Wohltjen & Wheatley (2021) Eye contact marks the rise and fall of shared attention in conversation, PNASdoi.org
  3. Kellerman, Lewis & Laird (1989) Looking and loving: The effects of mutual gaze on feelings of romantic love, Journal of Research in Personalitydoi.org