心理学ホント

「いいことがあった!」への返し方と、関係の未来はつながっている?"喜びの受け止め方"4パターン

「いいことがあった!」への返し方と、関係の未来はつながっている?"喜びの受け止め方"4パターン

読む前に予想してみよう!

人間関係では、つらい時に支えることより、うれしい知らせへの反応のほうが大事なこともある

研究カード(どんな研究?)
対象
米国の大学生・カップル
規模
79組など複数研究
研究の種類
日記調査+会話の録画観察
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

79組のカップルを調べたら、2か月後の関係の良さと結びついていたのは「つらい話」より「うれしい話」への反応だった。喜びを一緒に喜べるかがカギ。

ひとことで言うと友達のうれしい話には「すごい!どうだったの?」と返そう!

もくじ
  1. うれしい話は、話すとさらにうれしくなる
  2. 反応は4パターンに分けられる
  3. 「つらい時の支え」より効いていた?
  4. まとめ

「聞いて! 部活でレギュラーに選ばれた!」

友達からこう言われたとき、あなたはどう返しますか? 「おめでとう」と笑顔で返す人もいれば、「へー、よかったね」とスマホを見たまま答える人もいるでしょう。

実はこの何気ない一言が、2人の関係の未来とつながっているかもしれない——。そんな研究があります。

01うれしい話は、話すとさらにうれしくなる

心理学では、いいことがあったときにそれを人に話して分かち合うことを「キャピタライゼーション」と呼びます。

カリフォルニア大学のゲーブルらは、日々の出来事を記録してもらう調査などで、うれしい出来事を人に話した日は、出来事そのものの効果以上に気分が良くなることを確かめました。さらに、聞き手が積極的に喜んでくれたと感じたとき、その効果はいっそう大きくなりました。

02反応は4パターンに分けられる

ゲーブルらは、うれしい知らせへの返し方を「積極的か・消極的か」「関係を育てるか・壊すか」の2つの軸で、4つに分けました。

  • 積極的・建設的:「すごい! どうやって選ばれたの? 詳しく聞かせて!」
  • 消極的・建設的:「へー、よかったね」(悪くはないが、熱がない)
  • 積極的・破壊的:「でもレギュラーって練習きつくなるよ? 勉強大丈夫?」
  • 消極的・破壊的:「ふーん。そういえば昨日さ……」(話をそらす)

関係を育てるのは、1つ目の「積極的・建設的」な反応だけでした。意外なのは、2つ目の「よかったね」も、良い反応とはみなされにくいことです。

同じ「うれしい報告」でも、返し方は4通り
同じ「うれしい報告」でも、返し方は4通り

03「つらい時の支え」より効いていた?

さらに驚きの結果があります。

なぜ、うれしい話への反応がそこまで大事なのでしょうか。研究者たちは、いやな出来事に比べてうれしい出来事は毎日のように起こることに注目しています。小さな「聞いて!」は、1日に何度も訪れる関係づくりのチャンス。そのたびに一緒に喜んでもらえるか、受け流されるかが、少しずつ積み重なっていくと考えられます。

また、つらい話のときは「支えなきゃ」と誰でも身構えますが、うれしい話は「わざわざ反応しなくても大丈夫」と油断しがちです。だからこそ、差がつきやすいのかもしれません。

「本当の友達は、困ったときに助けてくれる人」とよく言われます。もちろんそれも大切です。でも研究は、「うれしいときに本気で一緒に喜んでくれる人」も、同じくらい、あるいはそれ以上に大切かもしれないと示しています。

04まとめ

友達のうれしい話は、関係を深める大チャンス。「へー、よかったね」で終わらせず、「すごい! 詳しく聞かせて!」と身を乗り出してみてください。

喜びを分かち合うと、喜びは大きくなる。そして、それを一緒に喜んでくれる人のことを、人はきっと大切に思うのです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerPsychologists use the word "capitalization" for sharing good news with other people. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Psychologists use the word "capitalization" for sharing good news with other people. Research by Shelly Gable's team showed that people feel better on days when they tell others about positive events, especially when the listener seems truly excited. The team divided responses into four types.

For example, "Wow! How did you do it?" is active and constructive. "Oh, that's nice" is passive, while pointing out problems or changing the subject is destructive. Only the first type helped relationships grow. In another study, 79 couples were filmed talking about recent good and bad events.

Their reactions to good news were more closely linked to relationship quality two months later than their reactions to bad news. One reason may be that good things, even little ones, happen almost every day.

128 words ・ CEFR B1

和訳を見る

心理学者は、うれしい知らせをほかの人と分かち合うことを「キャピタライゼーション」と呼びます。シェリー・ゲーブルのチームの研究によると、人は良い出来事をほかの人に話した日に気分が良くなり、聞き手が本当に喜んでいるように見えるときは特にそうでした。チームは反応を4つのタイプに分けました。

たとえば「すごい!どうやったの?」は積極的・建設的です。「へえ、よかったね」は消極的であり、問題点を指摘したり話題を変えたりするのは破壊的です。関係を育てたのは1つ目のタイプだけでした。別の研究では、79組のカップルが最近の良い出来事といやな出来事について話す様子が撮影されました。

2か月後の関係の良さとより強く結びついていたのは、悪い知らせへの反応よりも、良い知らせへの反応でした。理由の一つは、良いことは、小さなものも含めればほぼ毎日起こるからかもしれません。

4択リーディングクイズ

Q1. What does "capitalization" mean in this passage?

Q2. Which response is described as active and constructive?

Q3. Why might reactions to good news matter so much?

重要単語

  • capitalizationC1
    名詞(心理学で)良い出来事を人と分かち合うことCapitalization means sharing good news with others. capitalize on ~「~を活用する」から。良い出来事を「最大限に生かす」イメージ。普通は「大文字にすること」の意味も。
  • enthusiasticB2
    形容詞熱心な、大喜びのShe gave an enthusiastic reply. 名詞 enthusiasm。be enthusiastic about ~「~に夢中だ」。
  • constructiveB2
    形容詞建設的なThank you for your constructive comments. construct(組み立てる)から。反対語は destructive(破壊的な)。constructive criticism「建設的な批判」。
  • passiveB2
    形容詞受け身の、消極的なA passive answer can sound cold. 反対語は active。文法の「受動態」も passive voice。
  • well-beingB2
    名詞幸福、心身の良い状態Good friends support our well-being. happiness より広く、心と体と社会的な良い状態を表す。長文頻出。
  • perceiveB2
    動詞(~だと)感じ取る、認識するShe perceived her friend as kind. perceive A as B「AをBだと受け取る」。名詞 perception も重要。
カップルの会話を録画して2か月追ったら、関係の良さと強く結びついていたのは「つらい話」への支え方より「いい知らせ」への反応だったらしい。「へー」で済ませるか、「すごい!詳しく聞かせて」と返すか。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Gable et al. (2004) What do you do when things go right? The intrapersonal and interpersonal benefits of sharing positive events, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
  2. Gable, Gonzaga & Strachman (2006) Will you be there for me when things go right? Supportive responses to positive event disclosures, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
  3. Peters, Reis & Gable (2018) Making the good even better: A review and theoretical model of interpersonal capitalization, Social and Personality Psychology Compassdoi.org