連絡を取る相手の数は20代半ばがピーク。大人になると友達が減る"本当の理由"

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大人になると友達の数が減るのは、性格が暗くなるからだ
就職・引っ越し・子育てなどの生活の変化や、限られた時間の使い方が関わっていると考えられている。
- 対象
- 欧州の携帯電話利用者/世界の研究の統合
- 規模
- 数百万人規模のデータ+277研究・約17万人
- 研究の種類
- ビッグデータ解析+メタ分析
- 確かさ
- ★★★★☆
携帯電話のデータでは、連絡を取る相手の数は20代半ばごろがピーク。その後は減るが、悪いことばかりではなく、大事な人に時間を集中させている面もある。
ひとことで言うと大人になると友達は減る。でも「大事な人」はちゃんと残る!
学生のころは、クラスや部活、塾、近所の友達と、毎日たくさんの人と話していた。でも、大人になった親や親戚に聞くと、「最近、友達と会うのは年に数回かな」なんて答えが返ってきたりします。
大人になると、友達は減ってしまうのでしょうか? そして、それはさびしいことなのでしょうか? 大規模なデータから、その答えが見えてきました。
01携帯電話のデータが示した「ピーク」
もちろん、電話の相手の数がそのまま「友達の数」というわけではありません。それでも、若いころほど多くの人とつながり、年齢とともにその数が減っていくというパターンは、ほかの研究とも一致しています。
02277の研究をまとめたら
ドイツの研究者たちは、思春期から高齢期までの人間関係の変化を調べた277の研究(約17万7千人分)をまとめて分析しました。
- 全体的なつながりの数は、若い大人の時期まで増え、その後は少しずつ減る
- 友達の輪は、大人になってからずっと減っていく傾向
- 家族とのつながりは、思春期から高齢期まであまり変わらない
- 職場や近所のつながりは、特定の年代でだけ重要になる
そして、こうした変化には、就職、引っ越し、子育てといった人生の出来事が関わっており、変化の一部を説明できました。

03友達が減る「本当の理由」
大人になると友達が減るのは、性格が暗くなるからではないようです。大きな理由のひとつは、時間とエネルギーが限られていることだと考えられています。
イギリスの研究では、高校を卒業して大学に進学した若者を1年半追跡しました。すると、会ったり連絡を取ったりする回数が減った友達ほど、親しさが下がりやすかったのです。一方で、家族との関係は、会う回数が減っても親しさが下がりにくい傾向がありました。友情は、手入れをしないとしぼんでいく植物のようなものなのです。
人類学者ロビン・ダンバーは、人間関係を何重もの輪にたとえています。いちばん内側には、何でも話せるごく少数の人。その外側に、親しい友達、さらに外側に知り合い……と広がっていきます。大人になって時間が限られてくると、外側の輪は小さくなっても、内側の大事な人との関係にエネルギーを集中させるようになると考えられています。
04まとめ
連絡を取る相手の数は、20代半ばごろをピークに減っていく——。大規模なデータは、そんな傾向を示していました。でもそれは、さびしいことばかりではありません。限られた時間の中で、本当に大切な人を選び、その人との関係を深めていくことでもあるのです。
今、たくさんの友達に囲まれている人も、そうでない人も。いちばん内側の輪にいる人を、大切にしていきましょう。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn a 2016 study, researchers looked at a huge set of anonymous mobile phone records from a European country.
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Do people have fewer friends as they get older? Researchers studied a huge amount of mobile phone data from a European country. The number of people we contact is highest when we are young.
News reports said the peak was in our mid-20s. After that, the number goes down. This is not always sad. Adults have less time, so they may spend it with the people who matter most.
69 words ・ CEFR A2
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人は年をとるにつれて、友達が少なくなるのでしょうか。研究者たちは、ヨーロッパのある国の膨大な携帯電話のデータを調べました。私たちが連絡を取る相手の数は、若いときに最も多くなります。
ニュースでは、そのピークは20代半ばだと伝えられました。その後、その数は減っていきます。これはいつも悲しいことではありません。大人は時間が少ないので、いちばん大切な人たちとその時間を過ごすのかもしれません。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
年齢によって連絡を取る相手の数がどう変わるかがテーマなので B。
Q2. When was the peak of contacts, according to news reports?
News reports said the peak was in our mid-20s. とあるので C。
Q3. In this passage, "peak" means ...
peak は「山頂・最高点」。その後に数が減るとあるので D。
In a 2016 study, researchers looked at a huge set of anonymous mobile phone records from a European country. They counted how many people each user contacted in a month. The number was highest in young adulthood and then went down with age.
News reports said the peak came in the mid-20s. A German meta-analysis of 277 studies with about 177,000 people found a similar pattern. People's overall networks grew until young adulthood and then slowly shrank. Friend networks became smaller all through adulthood, but family ties stayed fairly stable.
Life events such as starting a job, moving, and raising children explained part of the change. With only so much time and energy, adults may choose to spend more of it on the people closest to them.
127 words ・ CEFR B1
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2016年の研究で、研究者たちはヨーロッパのある国の匿名化された膨大な携帯電話の記録を調べました。そして、それぞれの利用者が1か月の間に連絡を取った相手の数を数えました。その数は若い大人の時期に最も多く、その後は年齢とともに減っていきました。
報道によると、ピークは20代半ばでした。277の研究、約17万7千人を対象にしたドイツのメタ分析も、似たパターンを見いだしました。全体的なネットワークは若い大人の時期まで広がり、その後ゆっくり縮小しました。友達のネットワークは大人の時期を通じて小さくなりましたが、家族とのつながりは比較的安定していました。
就職、引っ越し、子育てといった人生の出来事が、変化の一部を説明していました。時間とエネルギーには限りがあるので、大人は最も身近な人たちにより多くを使うことを選ぶのかもしれません。
4択リーディングクイズ
Q1. What kind of data did the 2016 study use?
anonymous mobile phone records とあるので A。
Q2. What did the meta-analysis find about family ties?
family ties stayed fairly stable とあるので C。小さくなったのは友達のネットワーク。
Q3. What does the writer suggest in the last sentence?
With only so much time and energy, adults may choose to spend more of it on the people closest to them とあるので D。性格の問題とは言っていない。
Adults who have lost touch with old friends often blame themselves. Large data sets suggest they are simply following a common lifespan pattern. A 2016 study of anonymized mobile phone records from a European country counted how many people each user contacted in a month.
The number peaked in young adulthood and fell after that, and news coverage put the high point in the mid-twenties. Phone contacts are not the same as friends, and call logs reveal little about how close a relationship is.
But survey research points the same way. A German meta-analysis of 277 studies covering roughly 177,000 people found that overall social networks expand until young adulthood and then slowly contract. Friend networks shrink throughout adult life, while family networks stay fairly stable. Starting work, moving and becoming a parent all helped explain the change.
Why this happens is partly guesswork. The anthropologist Robin Dunbar describes relationships as layered circles, and many researchers argue that as time gets scarce, people put it into the innermost circle. A British study that followed students for 18 months after they left school saw the process up close. Friendships weakened when contact dropped, but family relationships held up.
197 words ・ CEFR B2
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昔の友達と疎遠になった大人は、自分を責めがちです。しかし大規模なデータは、それがよくある生涯のパターンにすぎないことを示しています。ヨーロッパのある国の匿名化された携帯電話の記録を使った2016年の研究は、それぞれの利用者が1か月の間に連絡を取った相手の数を数えました。
その数は若い大人の時期にピークを迎え、その後は減っていきました。報道ではピークは20代半ばとされました。
電話の連絡相手は友達と同じではありませんし、通話記録からは関係がどれほど親密かはほとんど分かりません。それでも、調査研究も同じ方向を指しています。約17万7千人を対象とした277の研究をまとめたドイツのメタ分析によると、全体的な社会的ネットワークは若い大人の時期まで広がり、その後ゆっくり縮小します。友達のネットワークは大人の時期を通じて小さくなる一方、家族のネットワークは比較的安定しています。就職、引っ越し、親になることが、いずれもこの変化の説明に役立ちました。
なぜこうなるのかは、一部は推測にすぎません。人類学者ロビン・ダンバーは人間関係を何層もの円として説明しており、多くの研究者は、時間が乏しくなると人はそれを最も内側の円に注ぐのだと論じています。学校を卒業した学生を18か月追跡したイギリスの研究は、その過程を間近にとらえました。連絡が減ると友情は弱まりましたが、家族関係は持ちこたえたのです。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the main idea of the passage?
冒頭で自分を責める大人について they are simply following a common lifespan pattern と述べ、全体でその根拠を示しているので A。
Q2. What did the British study find?
Friendships weakened when contact dropped, but family relationships held up とあるので B。
Q3. What limitation of the phone data does the author point out?
call logs reveal little about how close a relationship is とあるので C。
重要単語
- networkB1名詞つながりの網、人脈She has a large network of friends.
social network「人間関係のつながり」。net(網)+work。 - peakB2名詞最高点、頂点Traffic reaches its peak at 8 a.m.
reach a peak「ピークに達する」。peak hours「混雑時間帯」。 - declineB2動詞・名詞減少する/減少The number of students declined this year.
「断る」の意味もある(decline an invitation)。グラフ問題では「減少」の意味が頻出。 - maintainB2動詞維持するIt takes effort to maintain a friendship.
名詞 maintenance(メンテナンス)。「主張する」の意味もある。 - life eventB2名詞(句)人生の出来事(就職・結婚など)Moving to a new city is a big life event.
心理学では、生活を大きく変える出来事をまとめてこう呼ぶ。 - resilientC1形容詞回復力のある、しなやかなFamily ties are often resilient.
名詞 resilience(立ち直る力)は教育・心理の長文で頻出。
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大量の携帯電話データを分析したら、連絡を取る相手の数は20代半ばごろがピークで、その後は減っていったらしい。277の研究をまとめた分析でも、友達の輪は大人になると小さくなる傾向。でもそれ、悪いことばかりじゃなかった。
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出典・参考文献(4件)タップで表示
- Bhattacharya et al. (2016) Sex differences in social focus across the life cycle in humans, Royal Society Open Sciencedoi.org
- Wrzus et al. (2013) Social network changes and life events across the life span: A meta-analysis, Psychological Bulletindoi.org
- Roberts & Dunbar (2011) The costs of family and friends: An 18-month longitudinal study of relationship maintenance and decay, Evolution and Human Behaviordoi.org
- Dunbar (2018) The anatomy of friendship, Trends in Cognitive Sciencesdoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











