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ハチドリは「飲んだ砂糖水を数十分で燃やして」飛ぶ。夜は体温3℃まで下げる超代謝の鳥

ハチドリは「飲んだ砂糖水を数十分で燃やして」飛ぶ。夜は体温3℃まで下げる超代謝の鳥

読む前に予想してみよう!

日本の庭でホバリングしながら花の蜜を吸っている「小さなハチドリ」をよく見かける

研究カード(どんな研究?)
対象
ハチドリ(アンナハチドリ、アカフトオハチドリ、アンデスの6種26羽ほか)
規模
小規模
研究の種類
呼吸測定・同位体分析・体温測定と総説
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

ハチドリは脊椎動物でトップクラスの代謝で飛び、飲んだばかりの糖が30〜45分かけて、燃料のほぼ100%をまかなうようになる。夜は休眠状態に入り、体温3.26℃の記録も。

ひとことで言うとハチドリは、のんだ蜜をすぐ燃やして飛ぶ。夜は体を冷やして省エネ!

もくじ
  1. 体重あたりのエネルギー消費は脊椎動物トップクラス
  2. 飲んだ砂糖が、そのまま燃料になる
  3. 夜は体温3℃台まで下げる「休眠モード」
  4. まとめ

花の前でピタッと空中に止まり、細いくちばしで蜜を吸う。ハチドリは、まるで小さなヘリコプターのような鳥です。

でもその優雅な姿の裏で、ハチドリの体はとんでもないスピードでエネルギーを燃やしています。そして夜には、まるで別の生き物のように体を冷やして眠るのです。

01体重あたりのエネルギー消費は脊椎動物トップクラス

ホバリングは、空を飛ぶ方法の中でも特にエネルギーを食う飛び方。羽を1秒間に何十回も打ち続け、心臓は1分間に1000回をこえることもあるとされます。

02飲んだ砂糖が、そのまま燃料になる

人間なら、食べたものはいったん体にたくわえられてから使われるのがふつうです。ところがハチドリは違います。

飲んだ蜜が、30分ちょっとでそのまま“飛ぶ力”に変わっているわけです。いわば、ガソリンを入れながら走り続けるレーシングカーのような体です。

飲んだ蜜が、数十分のうちに飛ぶための燃料になる
飲んだ蜜が、数十分のうちに飛ぶための燃料になる

03夜は体温3℃台まで下げる「休眠モード」

これだけエネルギーを使う体で、蜜を飲めない夜をどうやって乗りきるのでしょう? 答えは休眠(トーパー)です。

体温を下げれば、エネルギー消費はぐっと少なくてすみます。朝になると体を温め直し、また猛スピードの一日が始まるのです。

04まとめ

ハチドリは、飲んだ蜜をすぐに燃やして飛ぶ“超高速エンジン”と、夜に体温を大きく落とす“超省エネモード”を、毎日切りかえて生きていました。

小さな体で生きのびるための、極端すぎるけれど見事な作戦です。もしアメリカ大陸でハチドリに出会ったら、その小さな体の中で燃えている炎を想像してみてください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerHummingbirds can hover in front of flowers, but this way of flying uses a huge amount of energy. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Hummingbirds can hover in front of flowers, but this way of flying uses a huge amount of energy. In fact, for their body size, small hummingbirds have one of the highest metabolic rates of any warm-blooded vertebrate. In a 2007 study, researchers gave hummingbirds sugar water with a special carbon marker and checked their breath.

While the birds were actively feeding and flying, the new sugar gradually became their main fuel, supplying almost 100 percent of their energy after 30 to 45 minutes. At night, when they cannot feed, hummingbirds enter a sleep-like state called torpor. In the Andes, one bird lowered its body temperature to just 3.26°C.

108 words ・ CEFR B1

和訳を見る

ハチドリは花の前でホバリングできますが、この飛び方には莫大なエネルギーが必要です。実際、体の大きさの割に、小さなハチドリの代謝率は恒温の脊椎動物の中で最も高い部類に入ります。2007年の研究で、研究者たちはハチドリに特別な炭素の目印をつけた砂糖水を与え、吐く息を調べました。

鳥がさかんに蜜を吸いながら飛んでいるあいだ、新しい糖はしだいに主な燃料になり、30〜45分後にはエネルギーのほぼ100%をまかなっていました。蜜を吸えない夜には、ハチドリはトーパーと呼ばれる眠りのような状態に入ります。アンデスでは、ある鳥が体温をわずか3.26℃まで下げました。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the passage mainly about?

Q2. How did the researchers know that the birds were using the new sugar?

Q3. Why do hummingbirds most likely enter torpor at night?

重要単語

  • hoverB2
    動詞空中で静止する、ホバリングするHummingbirds can hover in front of flowers. hover around ~「~の周りをうろつく」。マウスの「ホバー」も同じ語。
  • metabolic rateC1
    名詞(句)代謝率Their metabolic rate is extremely high. metabolism(代謝)の形容詞 metabolic。basal metabolic rate「基礎代謝率」。
  • torporC1
    名詞休眠(一時的な低体温状態)、無気力Torpor helps them survive cold nights. 数時間〜1晩単位の休眠。長期の hibernation(冬眠)と区別する。
  • fuelB1
    名詞・動詞燃料(を供給する)Sugar fuels their flight. 動詞で「あおる」の意味も。fuel the debate「議論をあおる」は入試にも出る。
  • nectarB2
    名詞花の蜜Nectar is their main source of energy. honey(はちみつ)はハチが nectar から作るもの。
  • vertebrateC1
    名詞脊椎動物Hummingbirds have the highest mass-specific metabolic rates among warm-blooded vertebrates. vertebra(背骨の一つひとつ)から。反対は invertebrate(無脊椎動物)。
  • ingestC1
    動詞摂取する、飲み込むNewly ingested sugar quickly became fuel. in-(中へ)+gest(運ぶ)。digest(消化する)と同語源で、セットで覚えると便利。

動画でもっと知る

4コマでわかる

ハチドリは「飲んだ砂糖水を数十分で燃やして」飛ぶ。夜は体温3℃まで下げる超代謝の鳥の4コマ漫画
ハチドリは体重あたりのエネルギー消費が脊椎動物トップクラス。頻繁に蜜を吸うと、飲んだ砂糖が30〜45分で燃料のほぼ100%をまかなうようになった。夜は休眠し、体温3.26℃という鳥の最低記録も出た。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Suarez (1992) Hummingbird flight: sustaining the highest mass-specific metabolic rates among vertebrates, Experientiadoi.org
  2. Welch & Suarez (2007) Oxidation rate and turnover of ingested sugar in hovering Anna's and rufous hummingbirds, Journal of Experimental Biologydoi.org
  3. Wolf et al. (2020) Extreme and variable torpor among high-elevation Andean hummingbird species, Biology Lettersdoi.org