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鳥は飛びながら眠れるのか? グンカンドリの脳波が明かした「空中の1日42分睡眠」

鳥は飛びながら眠れるのか? グンカンドリの脳波が明かした「空中の1日42分睡眠」

読む前に予想してみよう!

長距離を飛ぶ鳥は、飛びながら陸上と同じくらいたっぷり眠っていることがわかった

研究カード(どんな研究?)
対象
オオグンカンドリ(ガラパゴス諸島の野生個体)
規模
小規模
研究の種類
野外での脳波・行動記録
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

グンカンドリに脳波計をつけると、最長10日の飛行中に本当に眠っていた。ただし1日わずか約42分。アホウドリが飛びながら眠るかは、まだ脳波で確かめられていない。

ひとことで言うとグンカンドリは、空を飛びながら少しだけ眠っていた!

もくじ
  1. 片目を開けて眠る鳥たち
  2. グンカンドリの頭に脳波計をつけてみた
  3. でも、睡眠時間は「1日約42分」
  4. アホウドリやアマツバメは?
  5. まとめ

アホウドリは、何千キロも海の上を旅します。ヨーロッパのアマツバメは、10か月ものあいだ、ほとんど地面に降りずに飛び続けることがわかっています。

では、彼らはいつ眠っているのでしょう? 「飛びながら眠っているにちがいない」と昔から言われてきましたが、それを確かめた人は誰もいませんでした。飛んでいる鳥の脳波を測るのは、とんでもなく難しいからです。

01片目を開けて眠る鳥たち

ヒントはありました。陸の上の鳥は、脳の片側だけを眠らせることができるのです。

1999年の研究(Rattenborgら、『Nature』)では、一列に並んで休むマガモのうち、列の端にいるカモほど片側の脳だけで眠り、そのとき開いている目は群れの外側(敵が来る方向)を向いていました。眠りながら見張りもする、高度なワザです。

「飛んでいる鳥も、きっとこの方法で眠っているのだろう」――多くの研究者がそう考えていました。

02グンカンドリの頭に脳波計をつけてみた

さらに、片側の脳だけで眠るとき、起きている側の脳につながった目は、進む方向に向けられていることが多く、ぶつからないように前を見張っているようでした。眠りの多くは、上昇気流に乗ってゆっくり旋回しているときに起きていました。

片側の脳を眠らせ、もう片方の目で前方を見張る
片側の脳を眠らせ、もう片方の目で前方を見張る

03でも、睡眠時間は「1日約42分」

ここからが意外な結果です。飛行中のグンカンドリの睡眠は、1日あたり約0.69時間(約42分)。陸の上で眠るときのわずか7.4%でした。しかも、1回1回の眠りはごく短いものが中心でした。

研究チームは、「飛ぶ鳥は空中でも十分眠っている」という予想は外れ、海の上では眠りよりも“注意”が優先されていると考えています。陸に戻ると、グンカンドリは長く深く眠り、“睡眠不足”を取り戻しているようでした。

04アホウドリやアマツバメは?

ヨーロッパのアマツバメが10か月間の99%以上の時間を空中で過ごすことは、小型の記録装置で確かめられています(Hedenströmら、2016年)。つまり彼らも、空中で眠っているはず。ただし、アマツバメやアホウドリの飛行中の脳波はまだ記録されていません。「アホウドリは飛びながら眠る?」の答えは、今のところ「たぶん。でも未確認」です。

05まとめ

鳥は、本当に飛びながら眠っていました。でもそれは、たっぷり眠るためではなく、ほんの数秒ずつ、ギリギリの“仮眠”をつなぐための技でした。

海の上をゆうゆうと飛ぶグンカンドリの姿は、じつは“眠い目をこすりながらの長旅”だったのかもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerBirds such as frigatebirds fly over the ocean for days, so scientists have long wondered whether they sleep… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Birds such as frigatebirds fly over the ocean for days, so scientists have long wondered whether they sleep in the air. Birds on land can sleep with one half of the brain while keeping one eye open. In 2016, a German research team attached small devices to great frigatebirds in the Galápagos Islands to record their brain waves during flights lasting up to 10 days.

The birds slept in flight, sometimes with one side of the brain and sometimes with both. However, they slept only about 42 minutes a day, which was just 7.4 percent of their sleep on land. Back on land, they slept long and deeply.

108 words ・ CEFR B1

和訳を見る

グンカンドリのような鳥は何日も海の上を飛ぶので、科学者たちは彼らが空中で眠るのかどうか長いあいだ疑問に思ってきました。陸の上の鳥は、片目を開けたまま脳の半分で眠ることができます。2016年、ドイツの研究チームはガラパゴス諸島のオオグンカンドリに小さな装置をつけ、最長10日間の飛行中の脳波を記録しました。

鳥たちは飛びながら眠っており、脳の片側で眠ることも、両側で眠ることもありました。しかし睡眠は1日約42分しかなく、陸での睡眠のわずか7.4%でした。陸に戻ると、鳥たちは長く深く眠りました。

4択リーディングクイズ

Q1. What did the 2016 study show?

Q2. How did the researchers study the birds' sleep?

Q3. Why did the birds probably sleep long and deeply after returning to land?

重要単語

  • hemisphereC1
    名詞(脳の)半球、(地球の)半球One hemisphere stayed awake while the other slept. hemi-(半分)+sphere(球)。the Northern Hemisphere「北半球」も頻出。
  • EEGC1
    名詞脳波(記録)The EEG showed slow waves during flight. electroencephalogram の略。encephalo-(脳)+-gram(記録)。
  • glideB2
    動詞滑空する、すべるように進むFrigatebirds rise on warm air, then glide down. glider(グライダー)の動詞。slide(すべる)と似た「なめらかな動き」のイメージ。
  • alertB2
    形容詞警戒している、油断のないOne eye stays open to remain alert. stay alert「注意を保つ」。名詞で「警報」、on the alert「警戒して」。
  • predatorB2
    名詞捕食者、天敵The open eye watched for predators. prey(獲物)とセットで覚える。predatory(捕食性の・略奪的な)。
  • forageC1
    動詞(食べ物を)探し回るFrigatebirds forage over the ocean for days. 名詞で「飼料」。foraging flight「採餌飛行」は生態学の定番表現。
  • airborneC1
    形容詞空中にいる、飛行中のCommon swifts stay airborne for ten months. air+borne(運ばれた)。airborne virus「空気感染するウイルス」の意味でも使う。

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4コマでわかる

鳥は飛びながら眠れるのか? グンカンドリの脳波が明かした「空中の1日42分睡眠」の4コマ漫画
何日も海の上を飛び続ける鳥は、いつ眠るのか。グンカンドリの頭に小さな脳波計をつけたら、飛びながら本当に眠っていた。片方の脳だけ眠ることも、両方眠ることも。でも睡眠は1日わずか約42分で、陸の上の1割以下だった。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Rattenborg et al. (2016) Evidence that birds sleep in mid-flight, Nature Communicationsdoi.org
  2. Hedenström et al. (2016) Annual 10-Month Aerial Life Phase in the Common Swift Apus apus, Current Biologydoi.org
  3. Rattenborg, Lima & Amlaner (1999) Half-awake to the risk of predation, Naturedoi.org