ムダ毛は剃ると濃くなる? 100年前から実験で否定されていた「気のせい」の正体

読む前に予想してみよう!
カミソリで剃ると、次に生えてくる毛は太く濃くなる
剃っても毛をつくる毛根は変わらない。切り口が太く見えるだけで、毛そのものは変わらない。
- 対象
- 若い成人
- 規模
- 数人規模
- 研究の種類
- 比較実験(片側だけ剃る など)
- 確かさ
- ★★★☆☆
剃っても毛の太さや色、伸びる速さは変わらないことが、1920年代から実験で示されている。濃く見えるのは、切り口が太く、日焼けしていない新しい毛だから。
ひとことで言うと剃っても毛は濃くならない。切り口が太く見えるだけ!
「ムダ毛は剃っちゃダメ。剃ると、もっと太くて濃いのが生えてくるよ」
中学生くらいになって、初めてカミソリを手にしたとき、家族や友達にこう言われた人も多いのでは? 実際、剃った後に生えてくる毛はチクチクして、前より濃くなったように見えますよね。
でもこの話、なんと約100年前の実験で、すでに否定されていたのです。
011928年、すでに確かめられていた
その後、1970年にも別の研究者たちが、若い男性の脚の片側だけを定期的に剃って比べる実験を行いました。結果はやはり同じで、剃った側と剃っていない側で、毛の太さや伸びる速さに違いは見られませんでした。
02毛の運命を決めるのは「毛根」
なぜ剃っても毛は変わらないのでしょうか? カギは、毛がつくられる場所にあります。
毛は、皮膚の奥にある毛包(もうほう=毛をつくる小さな“工場”)で生まれます。毛の太さや色、伸びる速さを決めているのは、この工場のほう。
カミソリで剃るのは、皮膚の表面から出ている部分だけです。工場には一切さわっていないので、次に生えてくる毛の性質は変わらないのです。
03じゃあ、なぜ濃く見えるの?
「濃くなった」と感じるのには、ちゃんと理由があります。
- 切り口が太い:自然に伸びた毛は、先に向かってだんだん細くなっています。剃ると、根元近くのいちばん太い部分で切られるので、断面が太く見えます
- 先が尖っていない:切り口が平らなので、触るとチクチク硬く感じます
- まだ日焼けしていない:伸びっぱなしの毛は、日光などで少し色が抜けていることがあります。生えたての毛は色が濃く見えます

04もうひとつの“犯人”は「成長期」
もうひとつ、見落とされがちな理由があります。それは、剃り始める年齢です。
多くの人がムダ毛を剃り始めるのは、思春期のころ。この時期は、ホルモン(=体の成長や変化を指示する化学物質)の働きで、体毛が自然と太く濃くなっていく時期でもあります。
つまり、「剃り始めた」のと「毛が濃くなっていく時期」がちょうど重なっているのです。これでは、剃ったせいで濃くなったと感じても無理はありません。原因と結果を取り違えてしまう、典型的なパターンです。
05剃るときに気をつけたいこと
剃っても毛は濃くなりませんが、肌への負担には気をつけたいところです。
06まとめ
- 剃っても毛の太さ・濃さ・伸びる速さは変わらないことが、1928年から実験で示されている
- 濃く見えるのは、太い断面、尖っていない毛先、日焼けしていない新しい毛のせい
- 剃り始める時期と、体毛が濃くなる思春期が重なっていることも誤解のもと
ムダ毛の処理は、するもしないも自由。どちらを選ぶにしても、「剃ると濃くなる」という心配だけは、もう手放して大丈夫です。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIt is widely believed that shaving makes hair grow back thicker and darker.
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Many people say, "If you shave your hair, it will grow back thicker." But this is not true. A scientist tested it in 1928, and shaving did not change the hair.
Hair is made deep under the skin, and a razor only cuts the top part. New hair looks darker because it is cut at its thickest point. Also, many people start shaving when their body hair is naturally getting darker.
71 words ・ CEFR A2
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多くの人が「毛を剃ると、もっと太くなって生えてくる」と言います。しかし、これは本当ではありません。ある科学者が1928年にこれを試したところ、剃っても毛は変わりませんでした。
毛は皮膚の奥深くで作られ、カミソリは表面の部分を切るだけです。新しい毛が濃く見えるのは、いちばん太い部分で切られているからです。また、多くの人は、体毛が自然に濃くなっていく時期に剃り始めます。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
剃っても毛は濃くならない理由を説明しているので D。
Q2. When was the first test mentioned in the passage done?
A scientist tested it in 1928 とあるので B。
Q3. In this passage, "razor" is ...
a razor only cuts the top part から、毛を切る道具(カミソリ)だとわかるので C。
It is widely believed that shaving makes hair grow back thicker and darker. However, this idea was tested long ago. In 1928, the American anatomist Mildred Trotter studied people who shaved their legs for several months. Shaving did not make the hair thicker, darker, or faster-growing.
A 1970 study, in which young men shaved only one leg, found the same result. The reason is simple. Hair is produced in the hair follicle under the skin, and a razor only cuts the part above the surface.
So why does it seem thicker? Natural hair becomes thinner toward the tip, but shaving cuts it at its widest part, leaving a blunt end that feels rough. In addition, people often begin shaving during puberty, when hormones naturally make body hair darker.
128 words ・ CEFR B1
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剃ると毛が太く濃くなって生えてくると広く信じられています。しかし、この考えはずっと前に検証されていました。1928年、アメリカの解剖学者ミルドレッド・トロッターは、数か月間脚の毛を剃り続けた人々を調べました。剃っても毛は太くも濃くもならず、速く伸びることもありませんでした。
若い男性が片脚だけを剃った1970年の研究も、同じ結果でした。理由は単純です。毛は皮膚の下の毛包で作られ、カミソリは表面より上の部分を切るだけだからです。
では、なぜ太く見えるのでしょうか。自然な毛は先に向かって細くなっていますが、剃るといちばん太い部分で切られ、ざらざらした感触の平らな切り口が残ります。さらに、人はしばしば思春期に剃り始めますが、この時期はホルモンが体毛を自然に濃くするのです。
4択リーディングクイズ
Q1. How was the 1970 study carried out?
young men shaved only one leg とあるので A。
Q2. Why does shaved hair feel rough?
leaving a blunt end that feels rough とあるので D。
Q3. What can we infer from the last sentence?
剃り始める時期と思春期で毛が濃くなる時期が重なるため、剃ったせいと誤解しうる、と推論できるので D。
Teenagers picking up a razor for the first time are often warned that shaved hair grows back thicker, and the stubble that follows seems to prove it. The claim was tested almost a century ago. In 1928, the American anatomist Mildred Trotter reported that months of regular shaving did not increase the thickness, color or growth rate of hair. A 1970 study used a neat design.
Researchers shaved only one leg of each young male participant and left the other as a comparison, and again no difference appeared. Both studies were small, but their results fit what is known about hair biology. A hair's diameter, pigment and growth rate are set by the follicle beneath the skin, which a razor never touches.
So where does the illusion come from? An uncut hair tapers to a fine point. A razor slices it near its widest part, leaving a blunt tip that looks darker and feels coarse.
New hair has also not yet been lightened by sunlight. Perhaps most important of all, people usually start shaving during puberty, exactly when hormones are making body hair denser and darker. Two things that happen together are easily mistaken for cause and effect.
198 words ・ CEFR B2
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初めてカミソリを手にする十代は、剃った毛は太くなって生えてくるとよく注意されます。そしてその後に生えてくる短い毛は、それを証明しているように見えます。この主張は1世紀近く前に検証されていました。1928年、アメリカの解剖学者ミルドレッド・トロッターは、数か月にわたる定期的な剃毛によって毛の太さ、色、伸びる速さが増すことはなかったと報告しました。1970年の研究は巧みな設計をとりました。
若い男性の参加者それぞれの片脚だけを剃り、もう片方を比較対象として残したのです。ここでも違いは現れませんでした。どちらの研究も小規模でしたが、その結果は毛の生物学についてわかっていることと合致しています。毛の太さ、色素、伸びる速さは皮膚の下の毛包によって決まり、カミソリは決してそこに触れません。
では、この錯覚はどこから来るのでしょうか。切っていない毛は先に向かって細くとがっています。カミソリはいちばん太い部分の近くで毛を切るので、断面が平らな毛先が残り、濃く見えて硬く感じられます。
また、生えたての毛はまだ日光で色が薄くなっていません。おそらく何より重要なのは、人は普通、思春期に剃り始めるということです。それはまさに、ホルモンが体毛を密に濃くしている時期です。同時に起きた2つのことは、簡単に因果関係と取り違えられてしまうのです。
4択リーディングクイズ
Q1. What made the 1970 study's design "neat"?
Researchers shaved only one leg ... and left the other as a comparison とあり、同じ人の中で比較できる点が巧みなので A。
Q2. According to the passage, what determines a hair's thickness and color?
set by the follicle beneath the skin とあるので C。
Q3. What does the author consider "perhaps most important of all" in explaining the myth?
Perhaps most important of all 以下で、思春期と剃り始めの時期の重なりを挙げているので B。
重要単語
- shaveB1動詞剃るShaving does not make hair grow back thicker.
a close shave は「危機一髪」という口語表現にもなる。 - hair follicleC1名詞(句)毛包(毛をつくる部分)The hair follicle decides how thick a hair will be.
follicle はラテン語の「小さな袋」。医学・生物系の長文で出る。 - coarseC1形容詞(毛などが)硬い、粗いStubble feels coarse because of its blunt tip.
同音の course(コース)と混同注意。反対は fine(細かい)。 - pubertyC1名詞思春期Body hair naturally gets darker during puberty.
adolescence(青年期)より体の変化に焦点がある語。reach puberty「思春期を迎える」。 - hormoneB2名詞ホルモンHormones control changes in body hair.
英語の発音は「ホーモウン」。ギリシャ語「刺激する」から。 - bluntB2形容詞(先が)とがっていない、鈍い/率直なA razor leaves a blunt end on each hair.
人について使うと「ぶっきらぼうな・率直な」。to be blunt「率直に言うと」。 - coincidenceB2名詞偶然の一致It was a coincidence in timing, not cause and effect.
coincide(同時に起こる)の名詞形。What a coincidence!「なんて偶然!」。
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「ムダ毛は剃ると濃くなる」って、1928年の時点で実験で否定されてたらしい。剃った毛がチクチク濃く見えるのは、毛のいちばん太い部分で切った“断面”を見てるから。
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※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











