ウソ?ホント?検証ウソ

こっくりさんはなぜ動く? 犯人は「自分の指」。しかも本人が知らない答えまで指が示していた?

こっくりさんはなぜ動く? 犯人は「自分の指」。しかも本人が知らない答えまで指が示していた?

読む前に予想してみよう!

こっくりさんの10円玉は、参加者が誰も力を入れていないのに動いている

研究カード(どんな研究?)
対象
大学生・ウィジャボード愛好家など
規模
少人数の複数研究
研究の種類
実験研究
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

こっくりさんの10円玉が動くのは霊ではなく、参加者の指の「観念運動」。本人に自覚はない。実験では、覚えていないはずの答えを無意識に指で表せる可能性まで示された。

ひとことで言うと10円玉を動かしているのは、自分の指。でも本人は気づいていない!

もくじ
  1. 1853年、ファラデーが「犯人」をつきとめた
  2. 指は「知らないはずの答え」を知っていた
  3. 「誰も動かしていない」と感じるのはなぜ?
  4. まとめ

こっくりさんの10円玉が動く原理は、参加者の指の「観念運動(かんねんうんどう)」です。「はい」に行くかな、と頭で考えるだけで、指の筋肉が本人も気づかないほど小さくその方向へ力を入れてしまう。その小さな力が何人分も重なって、10円玉が「勝手に」動いているように見えるのです。

霊ではない――ここまでは昔から知られていた話です。でも2012年の実験は、さらに一歩進んだ「マジか!?」な発見をしています。無意識の指は、本人が「知らない」と思っている答えを、偶然より高い確率で当てていたのです。

011853年、ファラデーが「犯人」をつきとめた

こっくりさんのルーツは、19世紀に欧米で大流行した「テーブル・ターニング」です。何人かでテーブルに手を置くと、テーブルが勝手に回り出す、という降霊術の遊びでした。

同じころ、イギリスの生理学者カーペンターさんは、こうした「考えたことが無意識に体の動きになる」現象を観念運動と名づけました。日本でも明治時代に、哲学者の井上円了がこっくりさんを心のはたらきで説明しようとしたことが知られています。

02指は「知らないはずの答え」を知っていた

ボードを動かしているのは自分。でもその「自分」には無意識もふくまれる
ボードを動かしているのは自分。でもその「自分」には無意識もふくまれる

03「誰も動かしていない」と感じるのはなぜ?

デンマークの研究チームは、ウィジャボードの愛好家たちに視線を測る装置をつけて実験しました。わざと言葉をつづるときは、次に行く文字を目で先回りして見ていたのに、「霊と交信」しているときは、先回りが起きにくくなっていました。

また、ボードを信じている人は、疑っている人より、「自分が動かしている」という感覚が弱い傾向でした。何人かで動かすと、お互いの小さな動きに合わせて、意味のある言葉が少しずつ「つくられていく」のです。

04まとめ

こっくりさんの正体は、霊ではなく私たち自身の指と脳でした。そして、その無意識の指は、本人も気づいていない知識を表に出すことさえあるようです。

こわい遊びとしてではなく、「心と体のふしぎなつながり」の実験として見ると、こっくりさんはがぜん面白くなります。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn the Japanese game kokkuri-san, or on a Western Ouija board, players lightly touch a coin or pointer, and… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

In the Japanese game kokkuri-san, or on a Western Ouija board, players lightly touch a coin or pointer, and it seems to move on its own. The real cause is ideomotor action. When we think about a movement, our muscles make tiny movements without our awareness. In 1853, the scientist Michael Faraday placed a device between people's hands and a table and showed that their hands moved first.

When people could see the device, the table hardly moved. In 2012, researchers in Canada tested blindfolded players who believed a partner was helping, though they were actually moving the board alone. For questions they felt they were only guessing, they answered correctly about 50% of the time by speaking but about 65% by using the board.

125 words ・ CEFR B1

和訳を見る

日本のこっくりさんや西洋のウィジャボードでは、参加者が硬貨や指示器に軽く触れると、それがひとりでに動くように見えます。本当の原因は観念運動です。ある動きについて考えると、筋肉が私たちの気づかないうちに小さな動きをするのです。1853年、科学者のマイケル・ファラデーは、人々の手とテーブルの間に装置をはさみ、手のほうが先に動いていたことを示しました。

人々がその装置を見られるようにすると、テーブルはほとんど動きませんでした。2012年、カナダの研究者たちは、相手が一緒に動かしていると信じている目かくしをした参加者を調べましたが、実際には参加者がひとりでボードを動かしていました。当てずっぽうだと感じた質問について、口で答えると正答率は約50%でしたが、ボードを使うと約65%でした。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the passage mainly about?

Q2. What happened when people could see Faraday's device?

Q3. What does the 2012 result suggest?

重要単語

  • ideomotorC1
    形容詞観念運動のIdeomotor movements happen without our awareness. ideo-(観念・考え)+motor(運動)。idea と同じ語源で「考えが運動になる」。
  • unconsciousB2
    形容詞無意識のHer fingers made unconscious movements. un-(否定)+conscious(意識している)。「意識不明の」の意味もある。名詞 the unconscious「無意識」。
  • planchetteC1
    名詞ウィジャボードの指示器The planchette moved slowly to "YES." フランス語で「小さな板」。plank(厚板)と関係のある語。
  • sense of agencyC1
    名詞(句)自分が動かしているという感覚Players lose their sense of agency during the game. agency は「行為の主体であること」。agent(行為者)と同語源。「代理店」の意味の agency と区別。
  • spiritB1
    名詞霊・精神Many believed a spirit was moving the coin. 「精神・気力」の意味でも使う。team spirit「団結心」、in high spirits「上機嫌で」。
  • anticipateB2
    動詞予期する・先回りして考えるYour muscles may move when you anticipate an answer. ante-(前に)+cip(取る)=「前もってつかむ」。expect より「先を見越して備える」ニュアンス。

4コマでわかる

こっくりさんはなぜ動く? 犯人は「自分の指」。しかも本人が知らない答えまで指が示していた?の4コマ漫画
こっくりさんの10円玉が動くのは、霊じゃなく自分の指の無意識の動き。1853年にファラデーが実験で確かめていた。2012年の実験では、自信のない質問の正答率が、口で答えると50%、ボードだと65%に上がったらしい。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Faraday (1853) Experimental investigation of table-moving, Journal of the Franklin Institutedoi.org
  2. Gauchou, Rensink & Fels (2012) Expression of nonconscious knowledge via ideomotor actions, Consciousness and Cognitiondoi.org
  3. Andersen et al. (2018) Predictive minds in Ouija board sessions, Phenomenology and the Cognitive Sciencesdoi.org
  4. Wegner, Fuller & Sparrow (2003) Clever hands: Uncontrolled intelligence in facilitated communication, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org