英語は「自信があるから伸びる」?「伸びたから自信がつく」? 答えは“両方がぐるぐる”

読む前に予想してみよう!
「自分はできる」と思い込みさえすれば、勉強しなくても成績は大きく上がる
自信が後の成績に与える効果は小さめで、成績と自信は互いに影響し合う関係だと考えられている。
- 対象
- 米国の大学生303人、多数の縦断研究のメタ分析など
- 規模
- 数百人〜数万人規模
- 研究の種類
- 相関研究・縦断研究のメタ分析
- 確かさ
- ★★★★☆
自信と成績は互いに影響し合う関係だった。ただし自信が後の成績に与える効果は小さめで、「勉強をうまく管理できる」という自信が外国語の成績と最も強く結びついていた。
ひとことで言うと自信と成績はおたがいを育て合う。カギは「やり方をコントロールできる」自信!
「英語に自信がある人ほど成績がいい」。これは多くの調査で見られる傾向です。
でも、ここで一つ疑問がわきます。自信があるから伸びたのでしょうか? それとも、成績がいいから自信がついただけなのでしょうか? この「ニワトリが先か、卵が先か」問題に、教育心理学は長年取り組んできました。
01答えは「両方向」だった
自信と成績は、片方がもう片方を押し上げる、ぐるぐる回る関係だったのです。
02自信の効果は「小さいけれど確か」
では、自信が成績に与える効果はどのくらい大きいのでしょうか。
つまり、「自分はできる!」と思い込むだけで成績が大きく上がるわけではない。でも、英語についての前向きな自己評価は、小さいながら確かに後の成績を後押しするということです。

03一番効いた自信は「やり方を管理できる」自信
外国語学習では、どんな自信が大事なのでしょうか。
ミルズらの2007年の研究では、アメリカの大学でフランス語を学ぶ303人を調べました。いくつかの「自信」の中で、フランス語の成績と最も強く結びついていたのは「自己調整についての自己効力感」でした。これは、「自分は勉強時間をうまく管理し、効果的な学習方法を使いこなせる」という自信です。
「フランス語でいい成績が取れる」という自信や、不安の少なさよりも、「やり方をコントロールできる」という自信のほうが、成績とのつながりが強かったのです。
ただし、これは相関を調べた研究なので、「この自信を持てば成績が上がる」と因果を言い切ることはできません。
04まとめ
英語の自信と成績は、どちらか一方が原因なのではなく、互いを育て合う関係でした。ただし、自信だけで成績が大きく上がるわけではありません。
おすすめは、小さな成功を積み重ね、「自分は勉強のやり方を工夫できる」という自信を育てること。今日の勉強の「できたこと」を、一つだけメモしてみましょう。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerStudents who are confident in English tend to get better grades, but does confidence cause success, or does…
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原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Students who feel confident in English often get good grades. But which comes first, confidence or good grades? Research says both. Good grades build confidence, and confidence helps later grades a little.
In a 2007 study of 303 American university students learning French, one kind of confidence was most closely linked to grades. It was the belief "I can manage my own study." So write down small successes every day.
70 words ・ CEFR A2
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英語に自信がある学生は、よい成績をとることが多いものです。でも、自信とよい成績、どちらが先なのでしょうか。研究によると、答えは「両方」です。よい成績は自信を育て、自信は後の成績を少し助けます。
フランス語を学ぶアメリカの大学生303人を対象にした2007年の研究では、ある種類の自信が成績と最も強く結びついていました。それは「自分は自分の勉強を管理できる」という信念でした。だから、毎日小さな成功を書きとめましょう。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
自信と成績のどちらが先か、互いにどう影響するかがテーマなので D。
Q2. Which kind of confidence was most closely linked to grades?
It was the belief "I can manage my own study." とあるので A。
Q3. In this passage, "confident" means ...
confident は「自信がある」。自分の力を信じている状態なので C。
Students who are confident in English tend to get better grades, but does confidence cause success, or does success cause confidence? According to a 2011 review by Marsh and Martin, the answer is both. Past grades raise students' views of their own ability, and those views also raise later grades.
However, only beliefs about a specific subject mattered, while general self-esteem had little effect. A 2004 analysis of long-term studies found that the effect of self-beliefs on later achievement was small but positive. Which kind of confidence matters most in language learning? A 2007 study of 303 American students learning French found that grades were most strongly linked to confidence in managing one's own study, such as using time and learning methods well.
123 words ・ CEFR B1
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英語に自信のある学生は成績がよい傾向がありますが、自信が成功を生むのでしょうか、それとも成功が自信を生むのでしょうか。マーシュとマーティンによる2011年の総説によれば、答えは両方です。過去の成績は学生の自分の能力についての見方を高め、その見方もまた後の成績を高めます。
ただし、意味があったのは特定の教科についての信念だけで、一般的な自尊心はほとんど影響しませんでした。長期的な研究を分析した2004年の研究では、自分についての信念が後の成績に与える効果は小さいものの、プラスであることがわかりました。では、語学学習ではどんな種類の自信が最も重要なのでしょうか。フランス語を学ぶアメリカの学生303人を対象にした2007年の研究では、成績と最も強く結びついていたのは、時間や学習方法をうまく使うといった、自分の勉強を管理することについての自信でした。
4択リーディングクイズ
Q1. According to Marsh and Martin, what kind of belief affected later grades?
only beliefs about a specific subject mattered, while general self-esteem had little effect とあるので B。
Q2. How large was the effect of self-beliefs on later achievement in the 2004 analysis?
the effect ... was small but positive とあるので D。
Q3. What can we infer from the passage?
自信の効果は小さいが確かにあり、学習を管理する自信が成績と最も結びついていたので、学び方への自信が語学学習を支えると推測できる。正解は C。
Confident learners tend to achieve more. But which comes first? Does confidence drive achievement, or does achievement build confidence? Educational psychology increasingly says both. In a 2011 review, Marsh and Martin supported a reciprocal effects model, in which earlier achievement raises academic self-concept and self-concept then predicts later achievement. These effects held for self-concept tied to a specific subject. General self-esteem had a negligible influence.
So how much do self-beliefs actually add? A 2004 meta-analysis of longitudinal studies by Valentine and colleagues controlled for earlier achievement and found the effect small but favorable. It was stronger when beliefs and outcomes were measured in the same domain.
In language learning, Mills, Pajares and Herron surveyed 303 American university students of French. The belief most closely tied to grades was self-efficacy for self-regulation, the sense that one can manage study time and use effective strategies. It mattered more than confidence in getting good results or low anxiety.
Their data came from a single point in time, however, so cause and effect cannot be separated. The confidence linked to grades in that survey was confidence in running one's own learning, and keeping a record of little successes is one way to build it.
200 words ・ CEFR B2
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自信のある学習者ほど、多くを達成する傾向があります。では、どちらが先なのでしょうか。自信が成績を押し上げるのか、それとも成績が自信を築くのか。教育心理学は、どちらもだと答えるようになってきています。2011年の総説で、マーシュとマーティンは相互効果モデルを支持しました。そこでは、以前の成績が学業的自己概念を高め、その自己概念が今度は後の成績を予測します。こうした効果が成り立ったのは、特定の教科に結びついた自己概念でした。
一般的な自尊心の影響は無視できるほど小さなものでした。では、自分についての信念は実際にどのくらい上乗せされるのでしょうか。ヴァレンタインらによる2004年の縦断研究のメタ分析は、以前の成績を統制したうえで、その効果が小さいながらも好ましいものであることを見いだしました。効果は、信念と成果が同じ領域で測定された場合により強くなりました。
語学学習では、ミルズ、パハレス、ヘロンが、フランス語を学ぶ303人のアメリカの大学生を調査しました。成績と最も強く結びついていた信念は、自己調整についての自己効力感、つまり学習時間を管理し効果的な方略を使えるという感覚でした。それは、よい結果を出せるという自信や不安の少なさよりも重要でした。
しかし、彼らのデータは相関を示しただけなので、原因と結果を切り分けることはできません。その調査で成績と結びついていた自信は、自分の学習を自分で回していくことへの自信であり、小さな成功を記録に残していくことが、それを育てる1つの方法になります。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the main idea of the passage?
自信と成績は相互に影響し合うが(reciprocal effects model)、自信の効果は small but favorable だった、という内容が中心なので A。
Q2. What is "self-efficacy for self-regulation" in the passage?
the sense that one can manage study time and use effective strategies と説明されているので C。
Q3. Why can the Mills study not establish causation?
Their data showed only correlations, however, so cause and effect cannot be separated. とあるので D。相関データだけでは因果を言えない。
重要単語
- self-efficacyC1名詞自己効力感(自分はできるという見込み)Self-efficacy predicts how hard you try.
心理学者バンデューラが提唱した概念。efficacy は「効力」。単なる自信ではなく「この課題をやり遂げられる」という具体的な見込み。 - self-conceptC1名詞自己概念(自分についての見方)Her English self-concept improved after the trip.
academic self-concept「学業的自己概念(自分は勉強が得意かどうかの見方)」の形で研究に出る。 - reciprocalC1形容詞相互のConfidence and grades have a reciprocal relationship.
mutual とほぼ同じ意味だが、より学術的。reciprocal effects「相互効果」。 - self-regulationC1名詞自己調整(自分で学習を管理すること)Self-regulation is key to independent learning.
regulate「調整する・規制する」。self-regulated learning「自己調整学習」は教育心理学の重要語。 - achievementB1名詞成績・達成Achievement also builds confidence.
動詞 achieve。研究英語では academic achievement「学業成績」の形が多い。 - self-esteemB2名詞自尊心General self-esteem had little effect on grades.
esteem「尊重」。high / low self-esteem「自尊心が高い/低い」。教科ごとの self-concept とは別物。 - causationC1名詞因果関係Correlation does not prove causation.
cause の名詞形の1つ。correlation(相関)と対で覚える。establish causation「因果関係を立証する」。
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英語は「自信があるから伸びる」のか「伸びたから自信がつく」のか。研究では両方向に影響し合っていたらしい。しかもフランス語学習者の研究で成績と一番結びついていたのは「勉強のやり方を管理できる」という自信だった。
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出典・参考文献(3件)タップで表示
- Mills, Pajares & Herron (2007) Self-efficacy of college intermediate French students: Relation to achievement and motivation. Language Learningdoi.org
- Valentine, DuBois & Cooper (2004) The relation between self-beliefs and academic achievement: A meta-analytic review. Educational Psychologistdoi.org
- Marsh & Martin (2011) Academic self-concept and academic achievement: Relations and causal ordering. British Journal of Educational Psychologydoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。










