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夜に暗記して、寝て、朝に復習。睡眠をはさむと覚え直しが速く、1週間後も忘れにくかった

夜に暗記して、寝て、朝に復習。睡眠をはさむと覚え直しが速く、1週間後も忘れにくかった

読む前に予想してみよう!

覚えてから復習するまでの間に睡眠をはさむと、記憶が長持ちしやすい

研究カード(どんな研究?)
対象
フランスの成人
規模
40人
研究の種類
実験研究(睡眠群と覚醒群の比較)
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

夜に覚えて寝て朝に復習したグループは、同じ間隔でも起きたまま過ごしたグループより覚え直しが速く、記憶も長持ちした。

ひとことで言うと夜おぼえて、ねて、朝にもう一回。これが暗記の黄金ルート!

もくじ
  1. 同じ12時間でも、寝たかどうかで差がついた
  2. 寝ている間に、脳は何をしている?
  3. 一夜漬けが損な理由
  4. 寝る前の暗記は「1テーマ」に絞る
  5. まとめ

テスト前夜、眠い目をこすって詰め込む一夜漬け。でも科学的には、「覚える→寝る→朝に復習」の方がずっと効率がいいかもしれません。

ポイントは、覚えてから復習するまでのあいだに睡眠をはさむこと。寝ている時間は、ただの休憩ではなく、記憶にとっての「整理タイム」だと考えられているんです。

フランスの研究チームが、そのことを分かりやすく示す実験を行っています。

01同じ12時間でも、寝たかどうかで差がついた

どちらも1回目と2回目の間は約12時間。大きな違いは、その間に眠ったかどうかです(ただし、覚えた時間帯も夜と朝で違います)。

それなのに、寝たグループは少ない練習で覚え直せて、しかも長持ちした。「勉強の量」ではなく「タイミング」で差がついたわけですね。

02寝ている間に、脳は何をしている?

睡眠と記憶の研究は数多く、ドイツの研究者ディーケルマンとボルンは2010年のレビューで、眠っている間に、その日の記憶が整理され安定するという考えをまとめています。

たとえるなら、昼間に机の上へ山積みにした書類を、夜のうちに引き出しへ分類してしまってくれる「夜勤の事務員さん」のようなもの。

眠っている間に、記憶の「棚の整理」が進むイメージ
眠っている間に、記憶の「棚の整理」が進むイメージ

さらに、覚えてすぐに眠ると、そのあと新しい情報(昼間ならスマホや会話などで次々に入ってきます)が入らないので、記憶が上書きされにくい、という利点も考えられています。

03一夜漬けが損な理由

逆に言えば、徹夜の一夜漬けはこの整理タイムを丸ごと捨てていることになります。

テスト当日までは何とかもっても、1週間後には抜け落ちやすいと考えられます。期末テストや受験で「前の範囲」が出てきたとき、困るのは自分です。

04寝る前の暗記は「1テーマ」に絞る

もう一つのコツは、寝る前に覚える内容を欲張らないことです。

心理学では、似た内容を立て続けに覚えると、記憶どうしが混ざって思い出しにくくなる現象が知られています。これを干渉と呼びます。英単語を覚えた直後に、別の英単語リストや古文単語を詰め込むと、どれがどれだか分からなくなりやすいんです。

寝る前の暗記タイムは、「今夜は英単語だけ」「今夜は歴史の年号だけ」と1テーマに絞るのがおすすめ。量より、翌朝きちんと思い出せることを目標にしましょう。

また、スマホや動画をだらだら見て夜ふかしすると、睡眠時間そのものが削られてしまいます。暗記の効果を生かすためにも、寝る時間を先に決めて、そこから逆算して暗記タイムを置くのがおすすめです。「11時に寝るなら、10時半から暗記」のように決めておくと、迷わず動けます。

05まとめ

暗記の最強スケジュールは、気合いではなく「夜に覚えて、寝て、朝に思い出す」というリズムでした。

今夜は、寝る前の30分を暗記タイムにしてみてください。明日の朝、自分の脳がちゃんと夜勤をしてくれたか、テストで確かめてみましょう。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany students cram all night before an exam, but a better schedule may be to learn, sleep and then review. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many students cram all night before an exam, but a better schedule may be to learn, sleep and then review. In a study published in 2016, a team in Lyon, France, asked 40 adults to learn pairs of unfamiliar foreign words and their meanings until they could answer all of them correctly. One group studied in the evening, slept, and relearned the words the next morning.

The other group studied in the morning and relearned them the same evening, without sleeping. Both groups had a gap of about 12 hours. The sleep group needed about half as many attempts to relearn the words, and they remembered them better one week and even six months later. Sleep seems to help organize and strengthen new memories.

124 words ・ CEFR B1

和訳を見る

多くの学生は試験前に徹夜で詰め込みますが、より良いスケジュールは、覚えて、眠って、それから復習することかもしれません。2016年に発表された研究で、フランス・リヨンのチームは40人の大人に、なじみのない外国語の単語とその意味のペアを、全問正解できるまで覚えてもらいました。一方のグループは夜に勉強して眠り、翌朝単語を覚え直しました。

もう一方のグループは朝に勉強し、眠らずにその日の夜に覚え直しました。どちらのグループも間隔は約12時間でした。眠ったグループは、単語を覚え直すのに必要な回数がおよそ半分で済み、1週間後、さらには6か月後にもよりよく覚えていました。睡眠は新しい記憶を整理し強化するのに役立つようです。

4択リーディングクイズ

Q1. How long was the gap between the two study sessions for both groups?

Q2. What was the main difference the study focused on?

Q3. What can we infer from the passage?

重要単語

  • consolidationC1
    名詞(記憶の)固定化、定着Sleep helps memory consolidation. consolidate(強固にする)の名詞形。solid(固い)が中に入っている。ビジネスでは「統合・合併」の意味。
  • relearnB2
    動詞覚え直すIt is easier to relearn words after a good night's sleep. re-(再び)+learn。a good night's sleep「ぐっすり眠ること」もセットで覚えたい表現。
  • interferenceC1
    名詞干渉Studying similar lists back to back can cause interference. interfere with ~(~を妨げる)の名詞形。back to back「立て続けに」も便利な表現。
  • all-nighterC1
    名詞徹夜(の勉強)Pulling an all-nighter is bad for long-term memory. pull an all-nighter「徹夜する」がセット。口語的な表現。
  • retainB2
    動詞保持する、覚えておくSleep helps you retain what you learned. 名詞 retention。retain one's position(地位を保つ)など「保つ」全般に使える。
  • cramC1
    動詞詰め込み勉強をするMany students cram the night before an exam. cram for an exam「試験のために詰め込む」。本来は物をぎゅうぎゅうに詰め込むこと。
  • acquireB2
    動詞獲得する・習得するSleep stabilizes newly acquired memories. 名詞 acquisition。newly acquired「新たに得た」は論文調の表現。

動画でもっと知る

夜に単語を覚えて、ぐっすり寝て、朝に復習。同じ12時間の間隔でも、寝た人は覚え直しにかかる回数が約半分で、1週間後も半年後もよく覚えていたらしい。一夜漬けの真逆。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Mazza et al. (2016) Relearn faster and retain longer: Along with practice, sleep makes perfect, Psychological Sciencepubmed.ncbi.nlm.nih.gov
  2. Diekelmann & Born (2010) The memory function of sleep, Nature Reviews Neurosciencedoi.org
  3. Rasch & Born (2013) About sleep's role in memory, Physiological Reviewsdoi.org
  4. Cepeda, Pashler, Vul, Wixted & Rohrer (2006) Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis, Psychological Bulletindoi.org