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宿題は多いほど成績が上がる? 7,700人の中学生調査で「1日1時間」が目安に

宿題は多いほど成績が上がる? 7,700人の中学生調査で「1日1時間」が目安に

読む前に予想してみよう!

宿題をやる時間が長い生徒ほど、必ず成績が良い

研究カード(どんな研究?)
対象
中学生(スペイン)
規模
約7,700人
研究の種類
横断調査(マルチレベル分析)+先行研究の統合レビュー
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

宿題と成績には、中高生ではプラスの関係がある。でも量を増やすほど伸びるわけではなく、スペインの調査では1日1時間ほどが目安。大事なのは「自分でやる」ことだった。

ひとことで言うと宿題は「たくさん」より「自分の力で、ちょうどいい量」が大事!

もくじ
  1. 宿題と成績、中高生ではつながっていた
  2. スペインの中学生7,700人が教えてくれたこと
  3. 長時間やる子ほど成績がいい…とは限らない理由
  4. どんでん返し:宿題が多すぎる学校で起きていたこと
  5. まとめ

「宿題多すぎ!」「いや、やればやるほど力がつくんだ」。宿題の量は、生徒と先生(と保護者)のあいだで永遠のテーマです。

では研究は何と言っているのか。結論から言うと、中高生では宿題と成績にはプラスの関係がある。でも「多ければ多いほど良い」わけではない。そして意外なことに、時間の長さより大事なものがあったのです。

01宿題と成績、中高生ではつながっていた

アメリカ・デューク大学のCooperさんらは2006年、1987年以降のアメリカの宿題研究をまとめて分析しました。

結論は、研究デザインにはどれも弱点があるものの、全体としては宿題は成績にプラスの影響がありそうというもの。しかも、宿題と成績の単純な相関は小学生より中学・高校生(7〜12年生)の方がはっきりしていました。

Cooperさんは、学年×10分程度を宿題の目安とする考え方(いわゆる「10分ルール」)を広めた研究者としても知られています。

02スペインの中学生7,700人が教えてくれたこと

ちなみに、成績を最も強く予測していたのは「もともとの成績」で、その影響は宿題関連の要因を全部合わせたより大きかったそうです。宿題だけで逆転するのは、なかなか大変ということですね。

量より「自分の力でやる」が重かった
量より「自分の力でやる」が重かった

03長時間やる子ほど成績がいい…とは限らない理由

ドイツのTrautweinさんも2007年、宿題の「時間」「頻度」「努力」を分けて考えるべきだと指摘しています。

生徒一人ひとりで見ると、宿題に長く時間がかかる子は、むしろ苦戦している子であることも多いのです。わからなくて時間がかかっている場合、「時間が長い=成績が良い」にはなりません。一方、こまめに宿題が出て、きちんと取り組むことは、成績のプラスと結びつきやすいとされます。

04どんでん返し:宿題が多すぎる学校で起きていたこと

アメリカの進学校10校、約4,300人の高校生を調べたGallowayさんらの2013年の研究では、生徒は平均で毎晩3時間以上の宿題をしていました。宿題が多い生徒ほど学校への取り組みは熱心でしたが、同時にストレス、体調不良、生活のバランスの崩れも多く報告されていました。

もちろんこれは調査研究で、宿題が体調を悪くしたと断定はできません。でも「宿題は多いほど良い」と言い切れないことは確かです。

05まとめ

宿題は中高生の成績と結びついている。でも、時間を増やすほど伸びるわけではなく、目安は1日1時間ほど。そして何より大事なのは、自分の力で考えることでした。

「何時間やったか」ではなく「何問、自分で解けたか」。宿題を見る目を、ちょっと変えてみませんか。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerHow much homework is the right amount? 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

How much homework is the right amount? Students and teachers often disagree. A large review of American studies found that homework is linked to better grades, especially in junior high and high school. A study from Spain looked more closely.

Researchers checked the math and science results of about 7,700 students with an average age of 13.8. After taking family background and past grades into account, they found that two things mattered most.

One was doing homework on their own, and the other was getting homework regularly from teachers. Both were more important than the time spent. Around one hour a day was linked to the best results. The strongest predictor of grades, though, was how well students had done before, so homework by itself does not change everything.

129 words ・ CEFR B1

和訳を見る

宿題はどのくらいがちょうどいいのでしょうか。生徒と先生の意見はよく分かれます。アメリカの研究をまとめた大規模なレビューでは、特に中学・高校で、宿題は成績の良さと結びついていることがわかりました。スペインの研究は、もっと詳しく調べました。

研究者たちは、平均年齢13.8歳の約7,700人の生徒の数学と理科の結果を調べました。家庭環境や以前の成績を考慮した結果、最も重要なことが2つ見つかりました。

1つは宿題を自分の力でやること、もう1つは先生から定期的に宿題が出されることです。どちらも、かけた時間より重要でした。1日1時間ほどが最も良い結果と結びついていました。ただし、成績を最も強く予測したのは生徒のそれまでの成績だったので、宿題だけですべてが変わるわけではありません。

4択リーディングクイズ

Q1. What did the Spanish study mainly show?

Q2. How many students were in the Spanish study?

Q3. What can we infer from the last sentence?

重要単語

  • homeworkA1
    名詞宿題How much homework do you get every day? 数えられない名詞なので a homework / homeworks は誤り。do one's homework で「宿題をする」。
  • achievementB1
    名詞成績・達成Homework is linked to achievement in high school. academic achievement「学業成績」は教育研究の定番表現。動詞は achieve(達成する)。
  • autonomyC1
    名詞自律・自分でやることAutonomy in homework mattered more than time. auto-(自分)+nomos(法)=「自分で決まりを作る」。形容詞は autonomous(自律的な)。
  • frequencyB2
    名詞頻度The frequency of homework was important. 形容詞 frequent(頻繁な)、副詞 frequently。電波の「周波数」の意味もある。
  • optimalC1
    形容詞最適なThe optimal amount was about one hour. optimum とも言う。optimistic(楽観的な)と同じ「最善」の語源。
  • correlationC1
    名詞相関A correlation does not prove cause and effect. Correlation does not imply causation.(相関は因果を意味しない)は入試長文の超定番フレーズ。
宿題は多ければ多いほど成績が上がる…わけではなかった。スペインの中学生約7,700人の調査では、宿題は1日1時間ほどが目安で、時間より「自分の力でやるか」が成績と強く結びついていたらしい。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Cooper, Robinson & Patall (2006) Does Homework Improve Academic Achievement? A Synthesis of Research, 1987–2003, Review of Educational Researchdoi.org
  2. Fernández-Alonso, Suárez-Álvarez & Muñiz (2015) Adolescents' homework performance in mathematics and science: Personal factors and teaching practices, Journal of Educational Psychologydoi.org
  3. Trautwein (2007) The homework–achievement relation reconsidered: Differentiating homework time, homework frequency, and homework effort, Learning and Instructiondoi.org
  4. Galloway, Conner & Pope (2013) Nonacademic Effects of Homework in Privileged, High-Performing High Schools, The Journal of Experimental Educationdoi.org