宇宙・NASAビミョー

民間宇宙旅行はもう始まっている。でも「宇宙ホテルでのんびり」はまだ先の話

民間宇宙旅行はもう始まっている。でも「宇宙ホテルでのんびり」はまだ先の話

読む前に予想してみよう!

国際宇宙ステーション(ISS)には、民間の宇宙飛行士だけのチームが滞在したことがある

研究カード(どんな研究?)
対象
民間宇宙飛行
規模
民間ミッションのデータを含む大規模データベース
研究の種類
公式発表・飛行記録・健康データの研究
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

民間人だけのチームがISSに滞在する時代はもう来た。ただ費用は巨額で、観光客が予約できる宇宙ホテルは執筆時点でまだない。ISSは2030年ごろ引退予定。

ひとことで言うと宇宙旅行はできる時代。でも、まだお金持ちのための旅!

もくじ
  1. 宇宙旅行には2種類ある
  2. 民間人だけでISSへ
  3. 「宇宙ホテル」はいつできる?
  4. 体への影響も研究中
  5. 高度100kmから見える景色
  6. まとめ

「将来、宇宙旅行に行ってみたい!」

そう思ったことがある人は多いでしょう。じつは、民間人の宇宙旅行はもう始まっています。でも、ニュースでよく見る「宇宙ホテル」は、執筆時点(2026年10月)では、観光客が予約して泊まれるものはまだありません。夢と現実を整理してみましょう。

01宇宙旅行には2種類ある

一口に「宇宙旅行」といっても、大きく2つに分かれます。

  • サブオービタル(準軌道)飛行:高度およそ80〜100km以上まで上がって、数分間の無重量状態を体験し、そのまま地上に戻ってくる。飛行時間は10分〜1時間ほど。
  • 軌道飛行:地球を回る軌道に入り、何日も宇宙に滞在する。国際宇宙ステーション(ISS)への滞在もこちら。

サブオービタル飛行は、アメリカの民間企業によって何度も行われています。軌道飛行はずっと大がかりで、費用もけた違いです。

「ちょっと宇宙へ」と「地球を回る」は、まったく別の旅
「ちょっと宇宙へ」と「地球を回る」は、まったく別の旅

02民間人だけでISSへ

日本からも、2021年に実業家がロシアのソユーズ宇宙船でISSを訪れ、話題になりました。

03「宇宙ホテル」はいつできる?

NASAによると、ISSは2030年ごろに運用を終える予定です。その後NASAは、自分で宇宙ステーションを持つのではなく、民間企業が作る宇宙ステーションの「お客さん」になる方針を示しています。

複数の企業が民間の宇宙ステーションを開発中で、その中には観光客の滞在を見すえた計画もあります。ただし、開発の日程は変わりやすく、執筆時点では、観光客が予約して泊まれる軌道上の宇宙ホテルはまだありません。

04体への影響も研究中

民間人の宇宙飛行は、さまざまな年齢や体質の人の体のデータを集めるチャンスでもあります。2024年には、民間人だけのミッションの参加者などのデータをもとに、宇宙飛行が体に与える影響をまとめた大規模なデータベースの研究が『Nature』に発表されました。短い飛行でも体の中ではさまざまな変化が起き、その多くは帰還後に元に戻ったと報告されています。

05高度100kmから見える景色

高度100km付近まで上がると、昼でも空は真っ黒になり、地球の丸い地平線と、その上に薄く光る青い大気の層が見えると言われます。多くの宇宙飛行士が、この景色を見て「地球を守りたい」と感じた、と語っています。

06まとめ

民間宇宙旅行は、もう「夢」ではなく「現実」になりました。でも、費用はまだ巨額で、宇宙ホテルの開業もこれからです。

ISSが引退する2030年ごろ、宇宙の主役は民間へ移っていきます。そのころには、宇宙旅行がもう少し身近になっているかもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany people dream of going to space, and private spaceflight has already begun. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many people dream of going to space, and private spaceflight has already begun. There are two main types. Suborbital flights rise to around 80 to 100 kilometers, give passengers a few minutes of weightlessness, and return within an hour. Orbital flights circle the Earth and can last for days.

Since 2022, NASA has allowed private astronaut missions to visit the International Space Station. In 2025, the Ax-4 mission carried four people, including astronauts from India, Poland, and Hungary, who stayed for 18 days. However, these trips are extremely expensive, and as of October 2026, there is no space hotel that tourists can book. The ISS is expected to retire around 2030.

111 words ・ CEFR B1

和訳を見る

多くの人が宇宙へ行くことを夢見ていますが、民間の宇宙飛行はすでに始まっています。主に2つの種類があります。サブオービタル飛行は約80〜100kmまで上昇し、乗客に数分間の無重量状態を体験させて、1時間以内に戻ってきます。軌道飛行は地球のまわりを回り、何日も続くことがあります。

2022年以降、NASAは民間宇宙飛行士ミッションが国際宇宙ステーションを訪れることを認めています。2025年、Ax-4ミッションはインド、ポーランド、ハンガリーの宇宙飛行士を含む4人を運び、彼らは18日間滞在しました。しかし、これらの旅は非常に高額で、2026年10月時点で、観光客が予約できる宇宙ホテルはありません。ISSは2030年ごろに引退する予定です。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the difference between suborbital and orbital flights?

Q2. Who flew on the Ax-4 mission?

Q3. What can we infer from the passage?

重要単語

  • private astronautC1
    名詞(句)民間宇宙飛行士A private astronaut paid for the trip to the station. private は「民間の」。public(公的な)との対比。private sector(民間部門)も頻出。
  • suborbitalC1
    形容詞準軌道の(地球を一周しない)A suborbital flight lasts only about ten minutes. sub-(下の)+orbital(軌道の)。軌道速度に達しない飛行のこと。
  • commercialB1
    形容詞商業の、民間のCommercial space stations may replace the ISS. commerce(商業)の形容詞。名詞で「テレビCM」の意味もある。
  • retireB1
    動詞引退する、運用を終えるThe ISS is expected to retire around 2030. 人だけでなく機械や施設にも使う。名詞 retirement。
  • weightlessnessC1
    名詞無重量状態Passengers enjoy a few minutes of weightlessness. weight+-less(ない)+-ness(状態)。接尾辞の組み合わせで意味を推測できる典型例。
  • permitB2
    動詞許可するNASA permits private missions to visit the ISS. allow より硬い語。名詞 permission、名詞の permit は「許可証」(アクセントが前)。
  • demandingB2
    形容詞負担の大きい、厳しいOrbital flights are far more demanding. demand(要求する)から「多くを要求する」=きつい。a demanding job「きつい仕事」。

動画でもっと知る

民間人だけのチームが国際宇宙ステーションに滞在する時代は、もう来ている。でも観光客が予約して泊まれる「宇宙ホテル」は、執筆時点ではまだないらしい。ISSは2030年ごろ引退予定。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. NASA: Low Earth Orbit Economynasa.gov
  2. NASA: Private Astronaut Missionsnasa.gov
  3. Axiom Space: Axiom Mission 4axiomspace.com
  4. Overbey et al. (2024) The Space Omics and Medical Atlas (SOMA) and international astronaut biobank, Naturedoi.org