心理学ホント

モンティ・ホール問題とは? 数学者もまちがえた確率パズルで、ハトは人間に勝っていた

モンティ・ホール問題とは? 数学者もまちがえた確率パズルで、ハトは人間に勝っていた

読む前に予想してみよう!

モンティ・ホール問題では、残りのドアが2つになったら、どちらも当たる確率は1/2になる

研究カード(どんな研究?)
対象
大学生・ハト
規模
数十人・数羽規模の複数実験
研究の種類
実験研究
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

3つのドアから1つ選び、司会者がハズレを1つ開けたら「乗りかえる」のが正解で、当たる確率は2/3。人間はなかなか乗りかえないが、ハトは練習で最適な戦略に近づいた。

ひとことで言うとドアは「乗りかえる」が正解。当たる確率が2倍になる!

もくじ
  1. なぜ「乗りかえる」が正解なの?
  2. 人間は、なかなか乗りかえない
  3. ハトは「乗りかえ」をマスターした
  4. まとめ

モンティ・ホール問題とは、「3つのドアのうち1つに賞品。あなたが1つ選んだあと、答えを知っている司会者がハズレのドアを1つ開けて『乗りかえますか?』と聞く。乗りかえるべき?」という確率パズルです。答えは「乗りかえる」。乗りかえると当たる確率は2/3、最初のドアのままだと1/3です。

アメリカのクイズ番組の司会者モンティ・ホールさんにちなんだ名前で、1990年に雑誌のコラムで紹介されると、数学の専門家を名乗る人たちからも「まちがっている!」という手紙が殺到したと伝えられています。

01なぜ「乗りかえる」が正解なの?

いちばんわかりやすいのは、ドアを100個にして考える方法です。

  • あなたが1つ選ぶ。当たる確率は1/100。
  • 司会者が、当たりを知ったうえで、残り99個のうちハズレを98個開ける。
  • 残ったのは、あなたのドアと、司会者が「なぜか開けなかった」1つのドア。

さすがに、司会者が残したドアのほうがあやしいですよね。あなたのドアは最初の1/100のまま。残りの99/100が、司会者の残した1つのドアに集まるのです。3つのドアでも同じ理屈で、乗りかえると2/3になります。

ドアを100個にすると、乗りかえるべき理由が見えてくる
ドアを100個にすると、乗りかえるべき理由が見えてくる

もう一つの考え方は、表を書く方法です。当たりがAのドアにあるとして、あなたがA・B・Cを選んだ3つの場合を書き出してみましょう。Aを選んだときだけ「そのまま」が勝ち、BやCを選んだときは司会者が残りのハズレを開けるので「乗りかえ」が勝ちます。3回中2回、乗りかえが勝つのです。

02人間は、なかなか乗りかえない

03ハトは「乗りかえ」をマスターした

2010年、アメリカ・ホイットマン大学のハーブランソンさんとシュレーダーさんは、ハトに同じゲームをさせました。3つの光るボタンがドアの代わりで、賞品はエサです。

するとハトは、練習をくり返すうちに乗りかえる回数をどんどん増やし、最適な作戦に近づきました。ところが、同じ方法で人間の大学生に練習させても、たくさん練習したあとでさえ、最適な作戦にはたどり着きませんでした。

論文のタイトルは、ずばり「鳥は数学者より賢い?」。ハトは確率を「計算」しているわけではなく、経験から「どっちが得か」を素直に学んでいるだけ。人間は、なまじ考えるせいで「1/2のはず」「変えて外したら悔しい」と、経験より思いこみを優先してしまうのかもしれません。

04まとめ

モンティ・ホール問題の答えは「乗りかえる」。確率は2倍になります。

それでも人がなかなか乗りかえられないのは、計算が苦手だからではなく、「変えて失敗したくない」という心のクセのせい。ときには、ハトのように経験を素直に信じることも大切なのかもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn the Monty Hall problem, you pick one of three doors, and a prize is hidden behind one of them. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

In the Monty Hall problem, you pick one of three doors, and a prize is hidden behind one of them. The host, who knows where the prize is, then opens one of the other doors to show that it is empty. Should you switch? The answer is yes: switching gives you a two-thirds chance of winning, while staying gives you only one third.

Many people believe the chance is 50-50, but the host's knowledge changes the situation. In a 1995 experiment, only 12% of people switched on their first try. In a 2010 study, however, pigeons playing a similar game with food as the prize gradually learned to switch more and more often.

113 words ・ CEFR B1

和訳を見る

モンティ・ホール問題では、あなたは3つのドアから1つを選び、そのうち1つの後ろに賞品が隠されています。すると、賞品の場所を知っている司会者が、残りのドアの1つを開けて、そこが空であることを見せます。あなたは乗りかえるべきでしょうか。答えはイエスです。乗りかえると当たる確率は3分の2になり、そのままだと3分の1しかありません。

多くの人は確率は五分五分だと思いますが、司会者が答えを知っていることで状況が変わるのです。1995年の実験では、最初の1回で乗りかえた人はわずか12%でした。ところが2010年の研究では、エサを賞品にした似たゲームをしたハトが、だんだんと乗りかえる回数を増やしていくことを学びました。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the passage mainly about?

Q2. What percentage of people switched on their first try in the 1995 experiment?

Q3. Why is the chance not 50-50, according to the passage?

重要単語

  • probabilityB2
    名詞確率The probability of winning is two thirds. probable「ありそうな」の名詞形。in all probability「十中八九」。数学では P(A) の P。
  • switchB1
    動詞乗りかえる・切りかえるYou should switch to the other door. switch A to B「AをBに切りかえる」。switch off/on「スイッチを切る/入れる」。
  • counterintuitiveC1
    形容詞直感に反するThe answer is counterintuitive. counter-(反対)+intuitive(直感的な)。名詞 intuition「直感」も入試頻出。
  • dilemmaB2
    名詞ジレンマ・板ばさみThe game show created a famous dilemma. di-(2つ)+lemma(前提)=2つの選択肢の間で迷う状態。be in a dilemma「板ばさみになっている」。
  • regretB1
    名詞・動詞後悔(する)Fear of regret makes people stick to their first choice. regret doing「~したことを後悔する」と regret to do「残念ながら~する」の違いは語法問題の定番。
  • deliberatelyB2
    副詞わざと・意図的にThe host deliberately opens an empty door. on purpose のかたい言い方。形容詞 deliberate は「意図的な」のほか「慎重な」の意味もある。

4コマでわかる

モンティ・ホール問題とは? 数学者もまちがえた確率パズルで、ハトは人間に勝っていたの4コマ漫画
3つのドアの1つに賞品。1つ選んだら、司会者がハズレのドアを開けて「乗りかえる?」。正解は乗りかえる(確率2/3)。専門家まで反論したことで有名なこの問題、実験ではハトのほうが人間より正解の作戦を覚えたらしい。

押すと「マジかリスト」に保存されます

出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Granberg & Brown (1995) The Monty Hall Dilemma, Personality and Social Psychology Bulletindoi.org
  2. Herbranson & Schroeder (2010) Are birds smarter than mathematicians? Pigeons (Columba livia) perform optimally on a version of the Monty Hall Dilemma, Journal of Comparative Psychologydoi.org
  3. Krauss & Wang (2003) The psychology of the Monty Hall problem, Journal of Experimental Psychology: Generaldoi.org