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遠距離恋愛は続かない? 研究では「満足度は近距離と同じかそれ以上」。でも落とし穴は"再会後"

遠距離恋愛は続かない? 研究では「満足度は近距離と同じかそれ以上」。でも落とし穴は"再会後"

読む前に予想してみよう!

遠距離恋愛のカップルは、近くにいるカップルより関係の満足度が必ず低い

研究カード(どんな研究?)
対象
米国の成人・大学生
規模
約870人の全国調査+日記研究など
研究の種類
調査+縦断調査+日記法
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

遠距離カップルの満足度は、近くにいるカップルと同じか高めだった。ただし離れている間に相手を理想化しすぎると、近くに住み始めてから別れやすいという研究も。

ひとことで言うと遠距離はダメじゃない。でも会えない間の「理想の相手」には要注意!

もくじ
  1. 遠距離カップルのほうが満足度が高め?
  2. 会えないからこそ、深く話す
  3. 落とし穴は「再会したあと」
  4. まとめ

進学や就職、家族の転勤。好きな人と離れて暮らすことになったとき、周りから言われがちなのが「遠距離恋愛って続かないよね」という一言です。

会える回数が減れば、気持ちも離れていく——。たしかにそう思えます。でも、研究のデータを見てみると、話はそう単純ではありませんでした。むしろ、遠距離のほうが関係がうまくいっているように見える結果まであるのです。

01遠距離カップルのほうが満足度が高め?

遠距離恋愛は、進学や就職、転勤などをきっかけに、多くの人が経験しうるものです。それなのに「続かない」というイメージばかりが先行してきたのは、うまくいかなかった話のほうが印象に残りやすいからかもしれません。

遠距離だからといって、関係が悪くなるとは限らない。少なくとも、この調査ではそうでした。ただし、「遠距離のほうが長続きする」わけでもなく、別れやすさは同程度だった点も大事なポイントです。

02会えないからこそ、深く話す

では、なぜ遠距離のカップルは満足度が高めなのでしょうか。

アメリカの研究者たちは、遠距離と近距離のカップルに、毎日のやりとりを日記のように記録してもらいました。すると遠距離のカップルは、

  • メッセージや通話で、より深い自己開示(本音や気持ちを打ち明けること)をしていた
  • 相手のことをより理想的にとらえていた

という特徴がありました。この2つが、親密さを高めていたのです。会える時間が限られているからこそ、1回1回のやりとりを大切に、濃くしようとする。そんな工夫が働いているのかもしれません。

会えない分、1回のやりとりが濃くなることも
会えない分、1回のやりとりが濃くなることも

03落とし穴は「再会したあと」

ところが、遠距離恋愛には意外な落とし穴があります。

アメリカの別の研究では、遠距離のカップルは、離れて暮らしている間は近距離のカップルより関係が安定していました。ところが、近くに住むようになったとたん、別れるケースが目立ったのです。

カギは「理想化」でした。離れている間、相手の良いところばかりが目に入り、「理想の恋人像」ができあがっていきます。ところが一緒に過ごす時間が増えると、相手の生活習慣やちょっとした欠点も見えてくる。会えない期間が長く、理想化が極端なほど、再会後に関係が不安定になりやすかったのです。

04まとめ

「遠距離恋愛は続かない」は、研究で見るかぎり言い過ぎでした。遠距離のカップルは、近くにいるカップルと同じか、それ以上の満足度を感じていることが多いのです。

ただし、離れている間に作られた「理想の相手」と、目の前の本当の相手にはギャップがあるかもしれません。会えない時間も、ありのままの自分と相手を見せ合うこと。それが、遠距離を乗り越えるカギになりそうです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMoving away for school or work often leads to a long-distance relationship, and many people expect it to fail. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Moving away for school or work often leads to a long-distance relationship, and many people expect it to fail. However, a national survey of about 870 Americans in relationships found that long-distance partners rated their relationship quality higher in some ways and felt more committed than partners living close together. Their breakup rates were about the same.

Another study asked couples to record their daily communication. Long-distance couples shared their true feelings more deeply and saw their partners in a more idealized way, which increased intimacy. But idealization has a risk. A different study found that some long-distance couples broke up soon after they started living near each other, especially when they had been apart for a long time.

119 words ・ CEFR B1

和訳を見る

進学や就職で離れて暮らすことになると、遠距離恋愛になることがよくあり、多くの人はそれがうまくいかないと予想します。しかし、恋人がいるアメリカ人約870人を対象とした全国調査で、遠距離のパートナーは、近くに住むパートナーよりも、いくつかの面で関係の質を高く評価し、関係への献身的な気持ちも強いことが分かりました。別れる割合はほぼ同じでした。

別の研究では、カップルに毎日のやりとりを記録してもらいました。遠距離のカップルは、本当の気持ちをより深く打ち明け、相手をより理想化してとらえており、それが親密さを高めていました。しかし、理想化には危険もあります。また別の研究では、遠距離のカップルの中には、近くに住み始めて間もなく別れた人たちがいて、離れていた期間が長かった場合に特にそうでした。

4択リーディングクイズ

Q1. What did the national survey find about long-distance partners?

Q2. What did long-distance couples do in their daily communication?

Q3. Why can idealization be risky?

重要単語

  • long-distanceB1
    形容詞遠距離のThey have a long-distance friendship. a long-distance call「長距離電話」。ハイフンでつないで名詞の前に置く。
  • idealizeC1
    動詞理想化するFans often idealize their favorite stars. ideal(理想)+-ize(~化する)。名詞 idealization。
  • intimacyC1
    名詞親密さSharing secrets builds intimacy. 形容詞 intimate。intimacy は「心の近さ」を表す学術語として頻出。
  • reunionB2
    名詞再会The class reunion was full of laughter. re(再び)+union(結合)。class reunion「同窓会」。
  • stabilityB2
    名詞安定Trust gives a relationship stability. 形容詞 stable、反対は unstable / instability。
  • nuancedC1
    形容詞微妙な違いを含んだ、単純でないThe results give a more nuanced picture. フランス語由来の nuance(ニュアンス)から。a nuanced view「一面的でない見方」。
「遠距離恋愛は続かない」は本当? 米国の全国調査では、遠距離カップルのほうが満足度は高めで、別れる割合は近距離と同じだったらしい。ただし離れている間に相手を"理想化"しすぎると、近くに住み始めたとたん別れやすかった。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Kelmer et al. (2013) Relationship quality, commitment, and stability in long-distance relationships, Family Processdoi.org
  2. Jiang & Hancock (2013) Absence makes the communication grow fonder: Geographic separation, interpersonal media, and intimacy in dating relationships, Journal of Communicationdoi.org
  3. Stafford & Merolla (2007) Idealization, reunions, and stability in long-distance dating relationships, Journal of Social and Personal Relationshipsdoi.org