心理学ホント

「夜に大事なことを考えるな」は本当かも。心が一番弱るのは真夜中だった

「夜に大事なことを考えるな」は本当かも。心が一番弱るのは真夜中だった

読む前に予想してみよう!

調査では、気分や幸福感は1日の中で夕方がいちばん良かった

研究カード(どんな研究?)
対象
イギリスの成人(コロナ禍の継続調査)
規模
約4.9万人・100万回近い回答
研究の種類
観察研究(くり返し測定の縦断データ)
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

イギリスの約4.9万人・100万回近い回答を分析。気分や幸福感は朝に最も良く、真夜中ごろに最も悪くなる傾向があった。

ひとことで言うと人の気分は朝がいちばん元気で、真夜中がいちばんしょんぼり!

もくじ
  1. 約4.9万人が2年間、何度も答えたアンケート
  2. 朝がいちばん良く、真夜中がいちばん悪い
  3. 曜日と季節にもパターンがあった
  4. 夜の「反省会」は翌朝に回そう
  5. まとめ

夜中にふと昔の失敗を思い出して、布団の中で「うわあああ」となる。そんな夜、ありますよね。

逆に、朝になると「なんであんなに悩んでたんだろう?」とケロッとしていたり。

この「夜は気分が沈み、朝はマシになる」感覚、気のせいではなかったようです。2025年、イギリスの研究チームが100万回近いアンケートを使って確かめました。

01約4.9万人が2年間、何度も答えたアンケート

調べたのは、うつっぽさ、不安、生活の満足度、幸福感、生きがい、孤独感など。それぞれを、回答した時間帯・曜日・季節と照らし合わせました。

02朝がいちばん良く、真夜中がいちばん悪い

結果はシンプル。多くの指標で、人は朝起きたころに一番気分が良く、真夜中ごろに一番悪いというパターンが見られました。

研究チームは、理由のひとつとして体内時計(サーカディアンリズム)の影響を挙げています。たとえば、体を活動モードにするホルモンのコルチゾールは、起きてすぐに高くなり、寝る前に低くなります。

気分は1日の中でも波をうつ。底は真夜中ごろ
気分は1日の中でも波をうつ。底は真夜中ごろ

03曜日と季節にもパターンがあった

時間帯だけではありません。

  • 季節:夏がいちばん良い傾向がはっきり
  • 曜日:週末の方が、1日の中での気分の上下が大きい
  • 孤独感:時間帯による変化が比較的小さく、安定していた

また、日曜より月曜や金曜の方が生活満足度が高かったという点も、紹介記事で話題になりました。「サザエさん症候群」とはちょっとイメージが違いますね。

04夜の「反省会」は翌朝に回そう

この研究から言えるのは、真夜中は心が一番弱っている時間帯かもしれないということ。

実は、気分の「朝型パターン」は以前にも見つかっていました。2011年に『Science』に載った研究では、84か国・約240万人のSNS投稿の言葉づかいを分析し、前向きな言葉が朝に多く、日中にかけて下がっていく傾向が報告されています。今回の研究は、それを「心の健康」のアンケートでも確かめた形です。

05まとめ

「夜に書いたラブレターは朝読み返せ」という言い伝え、科学的にもけっこう正しかったのかもしれません。

ただし、もし朝になっても気分の落ちこみがずっと続くなら、それは時間帯のせいではないかもしれません。そのときは、ひとりで抱えず、身近な人や専門家に相談してください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany people feel more worried at night and calmer in the morning. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many people feel more worried at night and calmer in the morning. A study from University College London suggests that this feeling is real. The researchers analyzed almost one million survey answers from 49,218 adults in the UK, collected between 2020 and 2022, during the COVID-19 pandemic. Each person answered questions many times about depression, anxiety, life satisfaction, happiness, and loneliness.

In most of these measures, people felt best soon after waking up and worst around midnight. The researchers think our body clock may play a role. For example, cortisol, a hormone that prepares the body for action, is high in the morning. Mood was also better in summer, while loneliness changed relatively little across the day.

117 words ・ CEFR B1

和訳を見る

夜はより不安になり、朝は落ち着いていると感じる人は多いものです。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究は、この感覚が本物であることを示しています。研究者たちは、新型コロナの流行中の2020年から2022年にかけて集められた、イギリスの成人4万9218人の100万回近くのアンケート回答を分析しました。一人ひとりが、うつ、不安、生活の満足度、幸福感、孤独感についての質問に何度も答えました。

これらの指標のほとんどで、人は起きてすぐにいちばん気分が良く、真夜中ごろにいちばん悪くなっていました。研究者たちは、体内時計が関係しているかもしれないと考えています。たとえば、体を活動に備えさせるホルモンであるコルチゾールは、朝に高くなります。また、気分は夏に良く、孤独感は1日の中で比較的変化が小さいものでした。

4択リーディングクイズ

Q1. What does the study suggest?

Q2. When was the data collected?

Q3. According to the passage, what role might cortisol play?

重要単語

  • moodB1
    名詞気分Sunshine can improve your mood. be in a good/bad mood「機嫌が良い・悪い」。日本語の「ムード(雰囲気)」とは少しずれるので注意。
  • anxietyB2
    名詞不安She felt some anxiety before the test. 発音は /æŋˈzaɪəti/(アングザイエティ)。形容詞 anxious は be anxious about(心配して)/ be anxious to do(したがって)の2つの意味が頻出。
  • circadian rhythmC1
    名詞(句)概日リズム、体内時計Light at night can disturb your circadian rhythm. circa(約)+dies(日)=「約1日」の周期。body clock と言い換えられる。
  • life satisfactionB2
    名詞(句)生活満足度Life satisfaction was higher in summer. satisfy(満足させる)の名詞形。be satisfied with ~「~に満足している」の語法も確認。
  • fluctuateC1
    動詞変動する、上下するOur mood fluctuates during the day. fluct-(波)が語源。名詞 fluctuation。株価や気温のグラフ問題でも使われる。
  • hormoneB1
    名詞ホルモンCortisol is a hormone that prepares the body for action. 発音は /ˈhɔːrmoʊn/(ホーモウン)。ギリシャ語の「刺激する」が語源。
イギリスで約4.9万人から集めた100万回近いアンケートを分析したら、人は「朝起きたとき」が一番気分が良く、「真夜中」が一番落ちこむ傾向があったらしい。夜中の反省会は、やめた方がいいかも。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Bu, Bone & Fancourt (2025) Will things feel better in the morning? A time-of-day analysis of mental health and wellbeing from nearly 1 million observations, BMJ Mental Healthdoi.org
  2. Stone et al. (2006) A population approach to the study of emotion: Diurnal rhythms of a working day examined with the day reconstruction method, Emotiondoi.org
  3. Golder & Macy (2011) Diurnal and Seasonal Mood Vary with Work, Sleep, and Daylength Across Diverse Cultures, Sciencedoi.org