ウソ?ホント?検証ウソ

「曇りの日は日焼けしない」はウソ。空一面の曇りでも紫外線は3〜7割届いていた

「曇りの日は日焼けしない」はウソ。空一面の曇りでも紫外線は3〜7割届いていた

読む前に予想してみよう!

空一面が曇っている日は、紫外線はほとんど届かない

研究カード(どんな研究?)
対象
世界各地の紫外線観測
規模
多数の観測研究
研究の種類
総説(レビュー)
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

研究をまとめると、空一面の曇りでも紫外線は晴れの日の3〜7割ほど届く。雲は熱や光より紫外線を通しやすく、雲の切れ間では晴れより強まることもある。

ひとことで言うと曇りでも紫外線はけっこう来る。うっかり日焼けに注意!

もくじ
  1. 空一面の曇りでも、紫外線は3〜7割
  2. 雲は「暑さ」より紫外線を通しやすい
  3. 雲の切れ間では、晴れより強くなることも
  4. なぜ「曇りなら大丈夫」と思うのか
  5. まとめ

「今日は曇りだから、日焼け止めはいらないよね」

夏のレジャーや部活の日に、こう考えたことはありませんか。そして夕方、腕や首が赤くヒリヒリしていて驚いた――そんな経験がある人も少なくないはずです。

「曇りの日は日焼けしない」は、ウソです。しかも、曇りの日ならではの"落とし穴"まであります。

01空一面の曇りでも、紫外線は3〜7割

厚い雨雲なら大きく弱まりますが、薄い雲や高い所にある雲では、紫外線の多くが通り抜けてしまいます。

02雲は「暑さ」より紫外線を通しやすい

ここに、曇りの日のいちばんの落とし穴があります。

カルボらのまとめでは、雲が紫外線を弱める効果は、太陽の光全体(熱や明るさのもとになる光)を弱める効果より15〜45%小さいことがわかりました。

つまり曇りの日は、

  • 太陽の熱や明るさはぐっと弱まる → 涼しくて、日差しが弱いと感じる
  • でも紫外線はそれほど弱まらない → 気づかないうちに浴びている

という状態になりやすいのです。「暑くない=紫外線も少ない」と感じてしまうのは、私たちの体のセンサーが紫外線を直接感じられないからです。

曇りの日は「涼しくて暗い」のに、紫外線はそれほど減っていないことがある
曇りの日は「涼しくて暗い」のに、紫外線はそれほど減っていないことがある

03雲の切れ間では、晴れより強くなることも

さらに意外なことに、同じレビューでは、雲があることで地上の紫外線がかえって強まるという報告も少なくないと紹介されています。

太陽が雲の切れ間から直接顔を出しているときに、まわりの白い雲が光を反射・散乱して、晴れの日以上の紫外線が届くことがあるのです。

気象庁の解説によると、地上に届く紫外線の総量のうち、およそ6割は空で散乱された光です。太陽が直接見えていなくても、空全体から紫外線が降ってくるのです。日陰に入っても日焼けすることがあるのは、この散乱光のせいです。気象庁によれば、紫外線は標高が1000m高くなるごとに約10%強くなるので、曇りの日の山歩きも要注意です。

04なぜ「曇りなら大丈夫」と思うのか

  • 曇りの日は涼しく、日差しを"肌で"感じにくい
  • 日焼けで肌が赤くなるのは、浴びてから数時間後。その場では気づけない
  • 「日焼け=ギラギラの晴れの日」というイメージが強い

人間には紫外線を感じるセンサーがないので、暑さやまぶしさで判断してしまうのが、誤解のもとだったのです。

05まとめ

  • 空一面の曇りでも、紫外線は晴れの日の3〜7割ほど届くことがある
  • 雲は暑さやまぶしさより、紫外線を通しやすい
  • 雲の切れ間では、晴れの日より紫外線が強まることもある

判定は「ウソ」。曇りの日の紫外線は、"涼しさ"という変装をしてやってくる。空の明るさではなく、UVインデックスで判断しましょう。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany people skip sunscreen on cloudy days because the sun feels weak. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Many people skip sunscreen on cloudy days because the sun feels weak. However, a 2005 review of studies from around the world found that even when the sky is completely covered by clouds, about 30 to 70 percent of a clear day's UV radiation still reaches the ground. The amount depends on the type and thickness of the clouds.

Clouds reduce heat and brightness more than they reduce UV, so it is easy to feel cool while still getting UV. In fact, when the sun shines through a gap in the clouds, the white clouds around it can reflect and scatter light, making UV even stronger than on a clear day.

111 words ・ CEFR B1

和訳を見る

曇りの日は日差しが弱く感じられるので、日焼け止めを使わない人がたくさんいます。しかし、世界中の研究をまとめた2005年のレビューによると、空が雲で完全に覆われていても、晴れた日の約30〜70%の紫外線が地上に届いていました。その量は雲の種類や厚さによって変わります。

雲は紫外線よりも熱や明るさを大きく減らすので、涼しく感じながら紫外線を浴びている、ということが起こりやすいのです。実際、雲の切れ間から太陽が差しているときは、まわりの白い雲が光を反射・散乱させ、晴れた日よりも紫外線が強くなることさえあります。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the main point of the passage?

Q2. What does the amount of UV on a cloudy day depend on?

Q3. Why might people get sunburned on cloudy days without noticing?

重要単語

  • ultravioletB2
    形容詞紫外線のUltraviolet rays can damage your skin. ultra-(超えた)+violet(紫)。略して UV。infrared(赤外線の)と対で覚える。
  • overcastC1
    形容詞曇った、雲に覆われたIt was overcast all day. cloudy より「空一面が覆われた」感じが強い。天気予報でよく使う。
  • sunburnB1
    名詞日焼け(炎症)I got a sunburn on a cloudy day. 赤くヒリヒリする日焼け。小麦色の日焼けは suntan。
  • scatterB2
    動詞散乱させる、まき散らすAir molecules scatter ultraviolet light. 空が青いのも光の scattering(散乱)のため。scattered showers は「ところによりにわか雨」。
  • enhanceB2
    動詞強めるBroken clouds can enhance UV radiation. 名詞 enhancement。enhance one's reputation(評判を高める)など良い方向の強化に使う。
  • attenuateC1
    動詞弱める、減衰させるThick clouds attenuate sunlight. ten(薄い)が語根。科学英語で weaken の硬い言い方として使われる。

4コマでわかる

「曇りの日は日焼けしない」はウソ。空一面の曇りでも紫外線は3〜7割届いていたの4コマ漫画
「曇りの日は日焼けしない」はウソ。雲と紫外線の研究をまとめたレビューでは、空一面の曇りでも紫外線は晴れの日の3〜7割届いていた。しかも雲は"暑さ"より紫外線を通しやすく、雲の切れ間では晴れより強くなることもあるらしい。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Calbó, Pagès & González (2005) Empirical studies of cloud effects on UV radiation: A review, Reviews of Geophysicsdoi.org
  2. Radiation: The ultraviolet (UV) index(世界保健機関 WHO)who.int
  3. 紫外線の性質(気象庁)jma.go.jp