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「朝ごはんを抜くと太る」は本当? くじ引き実験をまとめたら逆の結果が出ていた

「朝ごはんを抜くと太る」は本当? くじ引き実験をまとめたら逆の結果が出ていた

読む前に予想してみよう!

大人を対象にした実験のまとめでは、朝食を食べた人のほうが1日の総カロリーが多い傾向だった

研究カード(どんな研究?)
対象
高所得国の成人
規模
13試験
研究の種類
ランダム化比較試験のメタ分析
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

大人を対象にしたくじ引き実験をまとめると、朝食を食べた人のほうが1日の摂取カロリーがやや多く、体重もわずかに重かった。

ひとことで言うと大人の場合、「朝ごはん抜き=太る」とは言えないみたい!

もくじ
  1. 観察研究では「朝食抜き=太りやすい」だった
  2. くじ引き実験をまとめてみたら…
  3. 「抜いた分を昼に食べる」はどれくらい?
  4. じゃあ朝食はいらないの?
  5. 「いつ食べるか」の研究も進行中
  6. まとめ

「朝ごはんを抜くと、昼にドカ食いして太るよ」。子どものころから、何度も言われてきた言葉ですよね。

たしかに、朝食を抜く人ほど太っているという調査結果はたくさんあります。

ところが、人をくじ引きで分けて実験した研究を集めてみると、話はまったく逆になっていました。

01観察研究では「朝食抜き=太りやすい」だった

これまでの多くの調査では、朝食を抜く習慣のある人ほど、肥満の割合が高い傾向がありました。

でもこれは観察研究。朝食を抜く人は、夜ふかしが多い、忙しくて食生活が乱れがち、間食が多いなど、ほかの生活習慣もちがうかもしれません。朝食そのものが原因かどうかは、この方法ではわかりません。

02くじ引き実験をまとめてみたら…

つまり、少なくとも大人では「朝食を食べればやせる」「抜くと太る」という考えを支える証拠は見つからなかった、ということです。

「昼にドカ食いする」分を考えても、朝食をとった分のカロリーを完全には取り返さない人が多いようです。

朝食をとっても、その分を昼や夜で完全に減らすわけではなかった
朝食をとっても、その分を昼や夜で完全に減らすわけではなかった

03「抜いた分を昼に食べる」はどれくらい?

朝食を抜くと、たしかにお昼にはおなかがすいて、いつもより多めに食べる人もいます。でも多くの実験では、朝食1回分のカロリーをまるごと取り返すほどではなかったとされています。

もちろん、これは平均の話。朝食を抜くとお菓子をつまんでしまう人、夜にドカ食いしてしまう人もいるはずです。自分がどちらのタイプかを知っておくことが大切です。

04じゃあ朝食はいらないの?

ここで早とちりは禁物です。

  • 実験の多くは期間が短く(数日〜数か月)、参加者も少なめ
  • 対象は大人。成長期の子どもや、勉強・運動への影響は別の問題
  • 糖尿病の薬を使っている人などは、食事を抜くと低血糖の危険がある

イギリスのバース大学で行われた実験(2014年)でも、朝食を食べるかどうかで体重に大きな差は出なかった一方、朝食を食べた人は午前中によく体を動かしていたという結果も出ています。朝食には、体重以外の役割もありそうです。

05「いつ食べるか」の研究も進行中

最近は、体内時計と食事のタイミングの関係を調べる「時間栄養学」という分野も注目されています。同じ食事でも、朝に食べるか夜遅くに食べるかで、血糖値の上がり方などが変わる可能性が報告されています。

つまり、「朝食を食べるか抜くか」だけでなく、1日の食事をどの時間帯に配置するかも、これからの研究で大事なテーマになりそうです。

06まとめ

「朝ごはんを抜くと太る」は、大人に関しては、くじ引き実験では支持されなかった。むしろ食べた人のほうがカロリーはやや多めでした。

大事なのは「朝食を食べるか」より、1日全体で何をどれだけ食べるか。自分の体調と生活リズムに合ったスタイルを選びましょう。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerBreakfast skippers are more likely to be overweight. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Breakfast skippers are more likely to be overweight. Observational studies show this again and again. So does skipping breakfast make people gain weight? Not necessarily. People who skip breakfast may also stay up late or eat more snacks.

To test the idea directly, researchers have run randomized controlled trials, where people are told to eat breakfast or to skip it. Most of these trials were short, and they only studied adults. Growing children may be different.

In 2019, an Australian team combined the trials. Adults who ate breakfast took in about 260 more calories a day. They also weighed slightly more, about 0.44 kilograms on average. So the skippers did not fully make up for the missed breakfast at later meals.

121 words ・ CEFR B1

和訳を見る

朝食を抜く人は、太りぎみである可能性が高いです。観察研究は、このことをくり返し示しています。では、朝食を抜くと体重が増えるのでしょうか。必ずしもそうとは言えません。朝食を抜く人は、夜ふかしをしたり間食が多かったりするのかもしれないからです。

この考えを直接確かめるため、研究者たちはランダム化比較試験を行ってきました。参加者に、朝食を食べるか抜くかを指示する試験です。こうした試験のほとんどは短期間で、対象は大人だけでした。成長期の子どもでは違うかもしれません。

2019年、オーストラリアのチームはこれらの試験をまとめました。朝食を食べた大人は、1日に約260kcal多くとっていました。体重もわずかに重く、平均で約0.44kgの差でした。つまり、朝食を抜いた人は、その分をその後の食事で完全には取り返さなかったのです。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the main point of the passage?

Q2. On average, how much more did the breakfast group weigh?

Q3. Why might observational studies show that breakfast skippers are heavier?

重要単語

  • skipA2
    動詞抜かす、とばすMany students skip breakfast on busy mornings. skip a meal / class / page のように「本来やるものを抜かす」。skip school「学校をサボる」。
  • calorie intakeB2
    名詞(句)カロリー摂取量Breakfast eaters had a higher calorie intake. intake は take in(取り入れる)の名詞化。water intake, salt intake など。
  • body weightA2
    名詞(句)体重The difference in body weight was small. gain / lose weight「体重が増える/減る」とセットで覚える。
  • metabolismC1
    名詞代謝Skipping breakfast did not slow metabolism. ギリシャ語で「変化」。形容詞 metabolic。日本語の「メタボ」は metabolic syndrome の略。
  • evidenceB1
    名詞証拠、根拠The evidence from trials was of low quality. 不可算名詞なので a piece of evidence と数える。evidence-based「根拠にもとづく」も頻出。
  • compensateC1
    動詞埋め合わせる、補うSkippers did not fully compensate at lunch. compensate for ~「~を補う」の形で頻出。名詞 compensation は「補償(金)」。
「朝ごはんを抜くと太る」と言われるけど、大人を対象にしたくじ引き実験をまとめた分析では、朝食を食べた群のほうが1日の摂取カロリーがやや多かったらしい。ただし子どもや持病のある人は別の話。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Sievert et al. (2019) Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials, BMJdoi.org
  2. Betts et al. (2014) The causal role of breakfast in energy balance and health: a randomized controlled trial in lean adults, American Journal of Clinical Nutritiondoi.org
  3. Ma et al. (2020) Skipping breakfast is associated with overweight and obesity: A systematic review and meta-analysis, Obesity Research & Clinical Practicedoi.org