「20分ごとに20秒、6m先を見る」20-20-20ルールは効く? 実験で結論が割れていた

読む前に予想してみよう!
20-20-20ルールは、多くの研究で効果がはっきり確かめられている
支持する実験もあるが、効果が見られなかった実験もあり、研究はまだ少ない。
- 対象
- パソコン作業の多い成人・若い成人
- 規模
- 29人+30人
- 研究の種類
- 介入前後比較研究+クロスオーバー実験
- 確かさ
- ★★☆☆☆
20-20-20ルールの通知を2週間使うと目の疲れの症状が減ったが、やめると1週間で元に戻った。20秒休憩の頻度を変えても差が出ない実験もある。
ひとことで言うと20秒の遠く見ブレイクは「効くかも」。でも長めの休憩とまばたきも大事!
「目が疲れたら、20分ごとに20秒、20フィート(約6m)先を見よう」。
この20-20-20ルールは、眼科やネットの健康記事で定番のアドバイスです。数字がそろっていて覚えやすく、いかにも科学的な感じがします。
でも、実際に効果を確かめた研究はどれくらいあるのでしょうか。調べてみると、意外なほど少なく、しかも結果が割れていました。
01そもそも画面を見ると目はどうなる?
スマホやパソコンの画面を長時間見ていると、目の乾き、かすみ、しょぼしょぼ感、頭痛などが起きやすくなります。これらはまとめて「デジタル眼精疲労」と呼ばれます。
2018年のレビューでは、画面を見ているときはまばたきの回数が減ったり、まばたきが不完全になったりしやすいことが、目の乾きにつながると整理されています。また、近くにピントを合わせ続けることも、目の筋肉に負担をかけます。
20-20-20ルールは、遠くを見てピント合わせの筋肉をゆるめ、まばたきを取り戻すための休憩、という考え方です。
02実験1:通知つきで2週間 → 症状は減った
その結果、通知を使った2週間で、休憩の回数が増え、デジタル眼精疲労とドライアイの「症状」は軽くなりました。
ただし、涙の量や目の表面の傷など、ドライアイの客観的な検査値には変化がありませんでした。そして、通知をやめて1週間後には、症状の改善は消えていました。
03実験2:休憩の頻度を変えても差が出なかった
一方、2023年に米国の研究チームが発表した実験では、違う結果が出ています。
若い大人30人に、タブレットで40分間、集中力のいる文字読みの作業をしてもらいました。その間の20秒の休憩を「5分ごと」「10分ごと」「20分ごと」「休憩なし」の4パターンで比べたのです。
すると、どのパターンでも作業後に目の症状は増えましたが、休憩の頻度による差はほとんどありませんでした。読む速さや正確さにも差は出ていません。
研究チームは、この結果は20秒程度の短い休憩を治療法として勧める根拠にはならないと結論づけています。

04日本のガイドラインは「1時間に10〜15分」
日本では、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」で、連続作業は1時間を超えないようにし、次の作業までに10〜15分の休止を入れること、さらに作業中にも小休止をとることが示されています。
20秒よりはだいぶ長い休憩です。2022年のレビューでも、こまめな休憩をとる人ほど症状が少ない傾向はあるものの、20-20-20ルールそのものを評価した研究はなかったと指摘されていました。
05まとめ
20-20-20ルールは、「完全に効く」とも「まったく無意味」とも言えないのが今の科学の答えでした。
数字のおぼえやすさに頼りつつ、それだけで安心せず、長めの休憩とまばたきを。いちばん大事なのは、目が「疲れた」と言っているサインに耳を傾けることです。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerThe 20-20-20 rule is popular advice for tired eyes.
音声
4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Many people use screens for a long time, and their eyes get tired. The "20-20-20 rule" says to look at something about six meters away for 20 seconds every 20 minutes. Does it really work?
In one study, a computer reminded people to take these breaks for two weeks. Their eyes felt better. But one week after they stopped, the good effect was gone. In another study, short breaks did not help much.
73 words ・ CEFR A2
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多くの人が長い時間画面を使い、目が疲れます。「20-20-20ルール」とは、20分ごとに、約6m先のものを20秒間見る、というものです。これは本当に効くのでしょうか。
ある研究では、2週間、パソコンが人々にこの休憩をとるよう知らせました。彼らの目の調子は良くなりました。しかし、やめてから1週間後には、良い効果はなくなっていました。別の研究では、短い休憩はあまり役に立ちませんでした。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
第3文 Does it really work? のとおり、20-20-20ルールが目の疲れに効くかを調べた話なので C。
Q2. What happened one week after people stopped using the reminders?
one week after they stopped, the good effect was gone とあるので A。
Q3. In this passage, "reminded" means the computer ...
remind は「思い出させる」。休憩を忘れないように知らせた、という意味なので D。
The 20-20-20 rule is popular advice for tired eyes. Every 20 minutes, look at something about six meters away for 20 seconds. Looking far away relaxes the eye muscles used for focusing, and the break may help people blink again. In a 2023 study in Spain, 29 computer users installed software that reminded them to follow the rule.
After two weeks, their eye strain symptoms were reduced, although tests of the eye surface showed no change. One week after they stopped using the software, the improvement had disappeared. In a separate US experiment, 30 young adults did a reading task on a tablet with 20-second breaks every 5, 10 or 20 minutes, or with no breaks. How often they rested made almost no difference.
124 words ・ CEFR B1
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20-20-20ルールは目の疲れに対する定番のアドバイスです。20分ごとに約6m先のものを20秒間見る、というものです。遠くを見るとピント合わせに使う目の筋肉がゆるみ、休憩によってまばたきを取り戻す助けになるかもしれません。スペインの2023年の研究では、パソコン利用者29人が、このルールに従うよう知らせるソフトを入れました。
2週間後、目の疲れの症状は軽くなりましたが、目の表面の検査には変化がありませんでした。ソフトの使用をやめて1週間後には、その改善は消えていました。米国の別の実験では、若い成人30人がタブレットで文字を読む作業をし、20秒の休憩を5分ごと、10分ごと、20分ごとにとるか、まったくとりませんでした。休憩の頻度は、ほとんど差を生みませんでした。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
スペインの研究では症状が減り、米国の実験では差がなかったという、結果が割れた2つの研究を紹介しているので B。
Q2. Which is true about the Spanish study?
eye strain symptoms were reduced, although tests of the eye surface showed no change とあるので D。A は米国の実験の内容。
Q3. What can we infer from the US experiment?
休憩の頻度を変えても How often they rested made almost no difference とあるので、20秒程度の休憩では差が出にくいと推測できる。正解は A。
The 20-20-20 rule, which tells screen users to look about six meters away for 20 seconds every 20 minutes, is repeated so often that it sounds scientifically established. Its logic is reasonable: staring at screens reduces blinking and keeps the focusing muscles working, so a distant glance could relax the eyes.
But few studies have actually tested it. In a 2023 study from Spain, 29 computer users received software reminders based on the rule for two weeks. They took more breaks and reported milder symptoms of digital eye strain and dry eye, but objective measures, such as tear volume and damage to the eye surface, did not change, and the benefit vanished one week after the reminders stopped. Because there was no control group, expectation effects cannot be ruled out.
Meanwhile, a US experiment with 30 young adults compared 20-second breaks every 5, 10 or 20 minutes with no breaks during a 40-minute reading task, and found almost no difference in symptoms or reading performance. That study, however, tested each condition only once. Japanese workplace guidelines recommend much longer pauses of 10 to 15 minutes each hour, which may be a more realistic target.
194 words ・ CEFR B2
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20-20-20ルールは、画面を使う人に20分ごとに20秒間、約6m先を見るよう勧めるもので、あまりにも頻繁に繰り返されるため、科学的に確立されたもののように聞こえます。その理屈はもっともです。
画面を見つめるとまばたきが減り、ピント合わせの筋肉が働き続けるので、遠くをちらりと見れば目が休まるかもしれません。ところが、これを実際に検証した研究はごくわずかです。スペインの2023年の研究では、パソコン利用者29人が、このルールに基づくソフトの通知を2週間受け取りました。彼らは休憩を多くとるようになり、デジタル眼精疲労やドライアイの症状が軽くなったと報告しましたが、涙の量や目の表面の傷といった客観的な指標は変わらず、通知をやめて1週間後には効果が消えていました。対照群がなかったため、期待による効果を否定できません。
一方、若い成人30人を対象とした米国の実験では、40分間の読む作業の間に20秒の休憩を5分ごと、10分ごと、20分ごとにとる場合と、休憩なしの場合を比べ、症状にも読む成績にもほとんど差がないことがわかりました。ただし、この研究は各条件を1回ずつしか調べていません。日本の職場のガイドラインは、1時間ごとに10〜15分という、ずっと長い休止を勧めており、こちらのほうが現実的な目標かもしれません。
4択リーディングクイズ
Q1. According to the passage, why might the 20-20-20 rule seem scientific?
第1文に is repeated so often that it sounds scientifically established とあるので C。実際には But few studies have actually tested it とあり、A は誤り。
Q2. Which is a limitation of the Spanish study mentioned in the passage?
Because there was no control group, expectation effects cannot be ruled out とあるので B。A は米国の実験の話で、スペインの研究の限界ではない。
Q3. What does the author suggest at the end?
最終文で 10 to 15 minutes each hour の長い休止が more realistic target かもしれないと述べているので D。
重要単語
- eye strainB2名詞(句)目の疲れ、眼精疲労Long hours on a screen can cause eye strain.
strain は「(無理な)負担・緊張」。back strain(腰の痛み)、mental strain(精神的負担)も。 - blinkB1動詞・名詞まばたき(する)We blink less when we stare at screens.
in the blink of an eye「一瞬で」は会話・長文どちらでも出る慣用句。 - dry eyeB2名詞(句)ドライアイDry eye makes your eyes feel gritty.
涙が不足・不安定になる状態。tear(涙)は /tɪər/、「裂く」の tear /teər/ と発音が違う。 - reminderB1名詞思い出させるもの、通知Set a reminder to take a break.
remind A of B「AにBを思い出させる」、remind A to do「Aに~するよう念を押す」は入試の定番語法。 - focusB1動詞・名詞ピントを合わせる、焦点Focus on something far away for twenty seconds.
focus on ~「~に集中する・焦点を合わせる」。複数形は focuses / foci。 - objectiveB2形容詞客観的なObjective tests showed no change in the eyes.
反意語は subjective(主観的な)。名詞では「目標」の意味もあるので文脈で区別。
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「20分ごとに20秒、6m先を見る」20-20-20ルール。リマインダーで2週間続けた人は目の疲れの症状が減ったけど、やめたら1週間で元通り。別の実験では20秒休憩の効果がほぼ出なかったらしい。
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出典・参考文献(4件)タップで表示
- Talens-Estarelles C et al. (2023) The effects of breaks on digital eye strain, dry eye and binocular vision: Testing the 20-20-20 rule, Contact Lens and Anterior Eyedoi.org
- Johnson S, Rosenfield M (2023) 20-20-20 Rule: Are These Numbers Justified?, Optometry and Vision Sciencedoi.org
- Sheppard AL, Wolffsohn JS (2018) Digital eye strain: prevalence, measurement and amelioration, BMJ Open Ophthalmologydoi.org
- Kamøy B et al. (2022) Video display terminal use and dry eye: preventive measures and future perspectives, Acta Ophthalmologicadoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











