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数学の問題は「単元ごと」より「ごちゃ混ぜ」で解け。1週間後の正答率が約3倍になった実験

数学の問題は「単元ごと」より「ごちゃ混ぜ」で解け。1週間後の正答率が約3倍になった実験

読む前に予想してみよう!

練習中の正答率が低くても、問題の種類を混ぜて解いた方が後のテストで点が高くなることがある

研究カード(どんな研究?)
対象
大学生・中高生
規模
数十人の実験〜787人の教室RCT+メタ分析
研究の種類
実験研究+ランダム化比較試験+メタ分析
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

同じ種類の問題をまとめて解くより、種類を混ぜて解いた方が1週間後のテストで大差がついた。練習中は混ぜる方が「できない」と感じるのがミソ。

ひとことで言うといろんな種類の問題を、まぜこぜにして練習しよう!

もくじ
  1. 練習では負けたのに、本番で圧勝
  2. 絵の作者当てでも同じことが起きた
  3. どうやって混ぜればいい?
  4. 混ぜると「自然に日があく」というおまけ
  5. まとめ

問題集って、だいたい「1次関数→1次関数→1次関数…」と同じタイプが並んでいますよね。実はあの並び順、本番に強くなる練習としてはベストじゃないかもしれません。

違う種類の問題を混ぜて解くやり方を、心理学では交互練習(インターリービング)と呼びます。トランプをシャッフルするように、問題の順番をばらばらにするイメージです。

そしてこのシャッフル、実験でかなりの差をつけました。

01練習では負けたのに、本番で圧勝

練習中は「まとめ派」の方が気持ちよく正解できます。直前に同じ解き方を使ったばかりなので、考えなくても手が動くからです。

でも本番のテストは、問題に「これは何の問題です」と書いてありません。「どの解き方を使うか」を自分で選ぶ力が必要なんです。混ぜて練習すると、毎回それを選ぶ練習ができるわけですね。

02絵の作者当てでも同じことが起きた

交互練習が効くのは数学だけではありません。

2008年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のコーネルとビョークの実験では、12人の画家の風景画を見て「誰の作品か」を学ぶとき、画家ごとにまとめるより、混ぜて見た方が新しい絵の作者を当てられるようになりました。

面白いのは、参加者の多くが「まとめて見た方が覚えられた」と感じていたこと。ここでも、手応えと実力がずれていたんです。

似たものを混ぜて見ると、「違い」に気づく力が育つ
似たものを混ぜて見ると、「違い」に気づく力が育つ

2020年には、米国の中学1年生(7年生)787人が参加したランダム化比較試験で、数学の宿題を数か月にわたって混ぜて出したクラスの方が、1か月後のテストで大きく上回ったと報告されています。2022年には、高校の理科の授業(9〜12年生155人)でも、週1回の小テストの問題を概念ごとにまとめるより、混ぜて出した方が1か月後の成績が良かった(正答率63%対54%)と報告されています。

03どうやって混ぜればいい?

ただし、習ったばかりで解き方がまだ分からない段階では、まとめて練習した方がいい場面もあります。まず「型」を覚え、そのあとシャッフルする、という順番がおすすめです。

04混ぜると「自然に日があく」というおまけ

交互練習には、もう一つうれしいおまけがあります。種類を混ぜて解くと、同じタイプの問題に再び出会うまでに自然と間があくんです。

つまり、交互練習をするだけで、日をあけて復習する分散学習の効果も一緒についてくる。ローラーらも、この「間があく効果」が交互練習の強さの一部だと考えています。

それでも多くの人がまとめ練習を選んでしまうのは、スラスラ解けるときの手応えが「上達した証拠」に見えるから。勉強中のスムーズさと、本当に身についたかどうかは別物だということは、多くの研究で指摘されています。

テスト前に「最後の総仕上げ」として、各単元から数問ずつ選んだミックス問題セットを自作してみるのもおすすめ。本番と同じく「何の問題か分からない」状態で解く練習になります。

05まとめ

勉強の「手応え」は、ときどき私たちをだまします。スラスラ解ける練習は気持ちいいけれど、本番の力になるのはちょっと迷いながら解く練習です。

次に問題集を開くときは、ページの順番どおりではなく、ばらばらに解いてみてください。最初は点が下がっても、それは伸びている途中のサインです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerInterleaving means mixing different types of problems during practice instead of doing one type at a time. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Interleaving means mixing different types of problems during practice instead of doing one type at a time. In 2007, Rohrer and Taylor asked university students to learn how to find the volumes of different solids. Students who practiced one type at a time did better during practice, but a week later, students who had mixed the problems scored about 63 percent, compared with about 20 percent.

Why? On a real test, problems do not tell you which method to use, and mixed practice trains you to choose. A 2020 study with 787 seventh-graders also found that mixed math homework led to much higher test scores a month later. But learners often feel that blocked practice works better, even when it does not.

122 words ・ CEFR B1

和訳を見る

交互練習とは、1種類ずつ解くのではなく、練習中に違う種類の問題を混ぜることです。2007年、ローラーとテイラーは大学生に、さまざまな立体の体積の求め方を学ばせました。1種類ずつ練習した学生は練習中は成績が良かったのですが、1週間後には、問題を混ぜた学生が約63パーセントだったのに対し、もう一方は約20パーセントでした。

なぜでしょうか。本番のテストでは、問題がどの方法を使うべきかを教えてくれません。混ぜた練習は、それを選ぶ訓練になるのです。787人の7年生を対象とした2020年の研究でも、混ぜた数学の宿題によって1か月後のテストの点数がずっと高くなりました。ところが、学習者はしばしば、実際にはそうでないときでも、まとめ練習の方が効果的だと感じます。

4択リーディングクイズ

Q1. What happened during practice in the 2007 study?

Q2. According to the passage, why does mixed practice help on real tests?

Q3. What does the last sentence suggest?

重要単語

  • interleaveC1
    動詞交互に混ぜるInterleave different types of math problems. inter-(間に)+leaf(紙のページ)=ページの間に別の紙をはさむ、が原義。名詞 interleaving(交互練習)。
  • blocked practiceC1
    名詞(句)まとめ練習(同じ種類を続ける練習)Blocked practice feels easy but fades quickly. block(ひとかたまり)ごとに練習すること。interleaved practice との対比で覚える。
  • discriminateC1
    動詞見分ける、区別するMixed practice helps you discriminate between problem types. discriminate between A and B「A と B を見分ける」。discriminate against ~ は「~を差別する」で意味が変わるので注意。
  • strategyB1
    名詞解き方、戦略Choosing the right strategy is part of the skill. 形容詞 strategic。tactic(個々の戦術)より大きな計画を指す。
  • shuffleB2
    動詞混ぜる、シャッフルするShuffle your flashcards before each review. トランプを混ぜる動作が原義。音楽プレーヤーの「シャッフル再生」でもおなじみ。
  • volumeB1
    名詞体積・量・音量Calculate the volume of the cone. 「体積」「音量」「(本の)巻」の多義語。turn up the volume「音量を上げる」。
  • deliberateB2
    形容詞意図的な・慎重なInterleaving is the deliberate mixing of problem types. 副詞 deliberately(わざと)は on purpose と同義で入試頻出。deliberate practice は「意図的な練習」。

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4コマでわかる

数学の問題は「単元ごと」より「ごちゃ混ぜ」で解け。1週間後の正答率が約3倍になった実験の4コマ漫画
数学の練習問題、同じ単元をまとめて解くより、ごちゃ混ぜで解いた方が1週間後の正答率が約3倍だったという実験がある。練習中は混ぜた方が点が低いのに…

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Rohrer & Taylor (2007) The shuffling of mathematics problems improves learning, Instructional Sciencedoi.org
  2. Kornell & Bjork (2008) Learning concepts and categories: Is spacing the "enemy of induction"?, Psychological Sciencedoi.org
  3. Rohrer, Dedrick, Hartwig & Cheung (2020) A randomized controlled trial of interleaved mathematics practice, Journal of Educational Psychologydoi.org
  4. Sana & Yan (2022) Interleaving retrieval practice promotes science learning, Psychological Sciencedoi.org
  5. Brunmair & Richter (2019) Similarity matters: A meta-analysis of interleaved learning and its moderators, Psychological Bulletindoi.org