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宇宙人がいるなら、なぜまだ会えないのか?「フェルミのパラドックス」の答え候補

宇宙人がいるなら、なぜまだ会えないのか?「フェルミのパラドックス」の答え候補

読む前に予想してみよう!

宇宙人からの電波は、これまでに確実に受信されたことがある

研究カード(どんな研究?)
対象
銀河系の文明
規模
観測による証拠なし
研究の種類
理論・思考実験
確かさ
★☆☆☆☆
3秒でわかる

銀河には数千億の恒星と、それ以上の惑星がある。なのに宇宙人の証拠はゼロ。物理学者フェルミの「みんなどこにいるんだ?」という疑問は、今も解けていない。

ひとことで言うと宇宙は広いのに、なぜだれも来ないの?という大なぞ!

もくじ
  1. なぜ「パラドックス(矛盾)」なのか
  2. 答えの候補①:そもそも生命はとても珍しい
  3. 答えの候補②:文明はすぐに消えてしまう
  4. 答えの候補③:いるけど、私たちが気づいていない
  5. 答えの候補④:わざと静かにしている
  6. ドレイクの方程式
  7. まとめ

1950年ごろ、アメリカの研究所で昼ごはんを食べていた物理学者エンリコ・フェルミは、同僚たちとUFOの話題で盛り上がっていました。そのとき、ふとこう言ったと伝えられています。

「で、みんなどこにいるんだ?」

この素朴な疑問は、のちにフェルミのパラドックスと呼ばれ、70年以上たった今も解けていません。

01なぜ「パラドックス(矛盾)」なのか

計算すると、こうなります。

  • 私たちの天の川銀河には、数千億個の恒星がある
  • 系外惑星の観測から、多くの恒星が惑星を持つことが分かってきた(確認済みだけで6,000個以上)
  • 銀河は約130億年の歴史があり、地球より何十億年も早く生まれた惑星もある

もしどこかで文明が生まれ、宇宙船で少しずつ広がっていけば、数百万〜数千万年で銀河じゅうに広がれる、という計算もあります。宇宙の歴史から見れば、ほんの一瞬です。

それなのに、宇宙人がいる証拠は1つもない。ここに大きな矛盾があるのです。

文明が広がるなら、銀河はもっとにぎやかなはず…?
文明が広がるなら、銀河はもっとにぎやかなはず…?

02答えの候補①:そもそも生命はとても珍しい

地球のような条件がそろうのは、ものすごく珍しいという考え方です。生命の誕生、複雑な生き物への進化、知性の獲得。どれか1つでも極めてまれなら、銀河に文明は私たちだけかもしれません。

03答えの候補②:文明はすぐに消えてしまう

文明が生まれても、長く続かない可能性もあります。戦争、環境の破壊、天体衝突など。宇宙の歴史の中で、文明が同時に存在する時間が短ければ、出会うチャンスはほとんどありません。

04答えの候補③:いるけど、私たちが気づいていない

宇宙は広すぎて、まだほとんど探せていないという考え方です。

SETI研究所などによれば、これまでに調べられたのは、探すべき範囲(星の数・周波数・時間)のごく一部にすぎないとも言われます。大海原からコップ1杯の水をくんで「魚がいない」と言っているようなものかもしれません。

05答えの候補④:わざと静かにしている

「進んだ文明はあえて姿を見せない」「地球を動物園のように観察している」などの説もあります。ただ、これらは確かめる方法がないので、科学的な仮説としては扱いにくいものです。

06ドレイクの方程式

1961年、アメリカの天文学者フランク・ドレイクさんは、銀河の中に電波で交信できる文明がいくつあるかを見積もる式を考えました。これがドレイクの方程式です。

星が生まれるペース、惑星を持つ星の割合、生命が生まれる確率、知性が生まれる確率、文明が続く年数などをかけ算していきます。ところが、生命や文明に関わる部分は誰にも分からないため、答えは「私たちだけ」から「何百万個」まで、研究者によって大きく変わってしまいます。

07まとめ

「みんなどこにいるんだ?」――この問いには、「私たちだけ」と「まだ見つけていないだけ」の両方の可能性が残っています。

どちらだったとしても、ものすごいことです。答えを見つけるのは、もしかすると今これを読んでいるあなたの世代かもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerAround 1950, while having lunch with colleagues, physicist Enrico Fermi is said to have asked, "So where is… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Around 1950, while having lunch with colleagues, physicist Enrico Fermi is said to have asked, "So where is everybody?" His question became known as the Fermi paradox. Our galaxy has hundreds of billions of stars, and observations show that many of them have planets. Some planets formed billions of years before Earth. If even one civilization had started to spread through space, it could have reached the whole galaxy in a few million to tens of millions of years.

But we have found no evidence of aliens. Possible answers include the idea that life is extremely rare, that civilizations do not last long, or that we have searched only a tiny part of space.

114 words ・ CEFR B1

和訳を見る

1950年ごろ、物理学者エンリコ・フェルミは同僚と昼食をとりながら、「で、みんなどこにいるんだ?」とたずねたと言われています。彼の問いは、フェルミのパラドックスとして知られるようになりました。私たちの銀河には数千億の恒星があり、観測からその多くが惑星をもつことがわかっています。地球より何十億年も前にできた惑星もあります。

もし一つでも文明が宇宙に広がり始めていたら、数百万年から数千万年で銀河全体に到達できたはずです。それなのに、私たちは宇宙人の証拠を何も見つけていません。考えられる答えには、生命がきわめてまれだという考え、文明は長く続かないという考え、そして私たちは宇宙のごく一部しか探していないという考えなどがあります。

4択リーディングクイズ

Q1. Why is it called a "paradox"?

Q2. How long might it take one civilization to spread through the galaxy?

Q3. Which is NOT given as a possible answer to the paradox?

重要単語

  • paradoxB2
    名詞逆説、矛盾して見えることThe Fermi paradox is a famous puzzle in science. para-(反して)+dox(意見)。形容詞 paradoxical、副詞 paradoxically(逆説的に)も長文で頻出。
  • civilizationB1
    名詞文明Is there another civilization in our galaxy? civil(市民の)から。英国式つづりは civilisation。
  • signalB1
    名詞信号Scientists listen for radio signals from space. sign(しるし)と同語源。動詞で「合図する、示す」。
  • extraterrestrialC1
    形容詞・名詞地球外の/宇宙人We have no evidence of extraterrestrial life yet. extra-(外の)+terra(地球・大地)。映画『E.T.』はこの略。terrestrial は「地球の・陸上の」。
  • hypothesisB2
    名詞仮説Each hypothesis tries to explain the silence. 複数形は hypotheses(-ses)。test a hypothesis「仮説を検証する」がセット。
  • colonizeC1
    動詞移り住む、植民地化するA civilization could colonize the whole galaxy. colony(植民地・集団)の動詞形。細菌が「コロニーを作る」の意味でも使う。
  • deliberatelyB2
    副詞わざと、故意にSome say aliens are deliberately hiding from us. 形容詞 deliberate(故意の、慎重な)。on purpose と同義。入試の同意語問題で頻出。

動画でもっと知る

銀河系には数千億の星があって、惑星もそれ以上ある。なのに宇宙人のサインは1つも見つかっていない。物理学者フェルミが昼ごはん中に言った「みんなどこにいるんだ?」という疑問、70年以上たっても答えが出ていないらしい。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Cocconi & Morrison (1959) Searching for Interstellar Communications, Naturedoi.org
  2. NASA Science: Are We Alone?science.nasa.gov
  3. SETI Institute: The Fermi Paradoxseti.org
  4. NASA Exoplanet Archiveexoplanetarchive.ipac.caltech.edu