夢をよく覚えている人と覚えていない人、脳はどう違う? 「夜中のちょい起き」がカギかも

読む前に予想してみよう!
夢を覚えていない人は、そもそも夢を見ていない
多くの人は夢を見ていても、目覚める前に記憶として残らないだけだと考えられている。
- 対象
- 健康な成人
- 規模
- 数十人(脳画像・脳波)+217人(夢日記)
- 研究の種類
- 比較研究+前向き観察研究
- 確かさ
- ★★☆☆☆
夢をよく覚えている人は、眠っている間に短く目覚める時間が長く、音への脳の反応も大きかった。夢への関心や心がさまよいやすい性格、季節も覚えやすさに関係していた。
ひとことで言うと夢を覚えている人は、夜中にちょっとだけ「起きて」メモしているのかも!
「昨日、空を飛ぶ夢を見てさ!」と毎朝のように夢の話をする友だち。一方で「夢なんてほとんど見ない」という人もいます。
この差は、いったいどこから来るのでしょうか。
フランスやイタリアの研究チームが脳波や脳画像を使って調べたところ、夢をよく覚えている人の脳には、あるちょっとした特徴がありました。
01「夢を見ない人」も、たぶん見ている
まず前提として、夢をほとんど覚えていない人も、夢を見ていないわけではないと考えられています。
睡眠中、特にレム睡眠の時間には、多くの人が夢を見ています。ただ、眠っている間の脳は、新しい記憶をつくる働きが弱まっています。そのため、夢の内容は目が覚める前に消えてしまいやすいのです。
では、夢を覚えている人は何が違うのでしょうか。
02夢をよく覚える人は「夜中のちょい起き」が多い
ここから考えられているのが、「目覚め=記憶の録画ボタン」という仮説です。
夢を見ている途中や直後に、ほんの短い時間でも脳が目覚めると、そのタイミングで夢の内容を記憶に書き込める。夢をよく覚えている人は、この「録画ボタン」が押される回数が多いのかもしれません。
同じチームが別の研究で脳の血流を調べると、夢をよく覚えている人(週平均約5.2回)は、覚えていない人(週平均約0.5回)に比べて、側頭葉と頭頂葉の境目(側頭頭頂接合部)や前頭葉の内側の血流が、睡眠中にも起きているときにも高い傾向がありました。これらは、外からの刺激に注意を向けたり、心の中のイメージを扱ったりする領域です。

03性格、関心、そして季節も関係していた
2025年には、イタリア・IMTルッカ高等研究院のエルチェ(Elce)さんらが、18〜70歳の217人に毎朝の夢を記録してもらい、さらに性格テスト、腕時計型センサー、脳波などで詳しく調べました。
夢を思い出しやすかったのは、
- 夢に関心を持っている人
- ぼんやり考えごとをしがちな、心がさまよいやすい人
- 睡眠のパターン(浅い眠りの割合など)が関係
という結果でした。さらに、同じ人でも夜ごとの睡眠の変化で思い出しやすさが変わり、季節によるゆらぎまで見られたそうです。
古くから「夢に関心のある人ほど夢を覚えている」という研究はありましたが、それを217人の毎朝の記録で裏づけた形です。
ちなみに、夢日記をつけ始めると、覚えている夢の数が増えることが知られています。夢に注意を向ける習慣そのものが、「録画ボタン」を押しやすくしているのかもしれません。逆に、目覚ましで飛び起きてすぐスマホを見ると、夢の記憶はあっという間に消えてしまいます。
04まとめ
夢を覚えている人と覚えていない人の違いは、「夢を見るかどうか」ではなく、「夢を記憶に保存できるかどうか」にありそうです。
今夜、枕元にメモ帳を置いてみませんか。あなたの脳が毎晩つくっている物語に、出会えるかもしれません。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerWhy do some people remember their dreams almost every day while others hardly ever do?
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Some people remember their dreams almost every morning. Others say they never dream. But scientists think almost everyone dreams. The difference is in remembering.
Researchers in France studied people's brains during sleep. People who often remember dreams wake up for very short times during the night. These short wake-ups may help them save their dreams as memories. If you want to remember your dreams, keep a notebook by your bed.
70 words ・ CEFR A2
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ほとんど毎朝、夢を覚えている人がいます。一方で、夢を一度も見ないと言う人もいます。しかし科学者たちは、ほとんどすべての人が夢を見ていると考えています。違いは覚えているかどうかにあります。
フランスの研究者たちは、睡眠中の人々の脳を調べました。夢をよく覚えている人は、夜の間にとても短い時間だけ目を覚まします。この短い目覚めが、夢を記憶として保存する助けになっているのかもしれません。夢を覚えておきたいなら、ベッドのそばにノートを置きましょう。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
夢を覚えている人と覚えていない人の違いについての文章なので D。
Q2. According to the passage, what do people who often remember dreams do?
People who often remember dreams wake up for very short times during the night. とあるので C。
Q3. In this passage, "save" means ...
save their dreams as memories は「夢を記憶として保存する」という意味なので B。
Why do some people remember their dreams almost every day while others hardly ever do? Scientists believe that most people dream, especially during REM sleep, but the sleeping brain is not good at forming new memories, so dreams often disappear before we wake up.
Researchers in France used brain waves to compare people who often recall dreams with people who rarely do. Those with high recall spent more time briefly awake during the night, and their brains reacted more strongly to sounds such as their own names. One idea is that short awakenings work like a record button, allowing the dream to be stored. A 2025 study of 217 people found that interest in dreams and a wandering mind were also linked to better recall.
125 words ・ CEFR B1
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なぜほとんど毎日夢を覚えている人がいる一方で、めったに覚えていない人もいるのでしょうか?科学者たちは、ほとんどの人が特にレム睡眠中に夢を見ていると考えていますが、眠っている脳は新しい記憶をつくるのが得意ではないため、夢は目覚める前に消えてしまうことが多いのです。
フランスの研究者たちは脳波を使い、夢をよく思い出す人とめったに思い出さない人を比べました。よく思い出す人は、夜の間に短く目覚めている時間が長く、自分の名前などの音に対して脳がより強く反応しました。一つの考え方は、短い目覚めが録画ボタンのように働き、夢を保存できるようにするというものです。217人を対象とした2025年の研究では、夢への関心や心がさまよいやすい傾向も、よく思い出せることと関係していました。
4択リーディングクイズ
Q1. Why do dreams often disappear before we wake up?
the sleeping brain is not good at forming new memories, so dreams often disappear とあるので B。
Q2. How many people took part in the 2025 study?
A 2025 study of 217 people とあるので D。
Q3. What does the writer mean by "a record button"?
short awakenings work like a record button, allowing the dream to be stored とあり、短い目覚めを録画ボタンにたとえているので B。
Some people wake up with a vivid dream almost every morning, while others insist they never dream at all. Researchers think most of us dream regularly, especially during REM sleep. The difference seems to lie in whether the dream gets encoded into memory, something the sleeping brain does poorly. In studies in Lyon, France, researchers compared people who recalled dreams several times a week with people who seldom did.
High recallers spent more time in brief awakenings during the night, and their brains responded more strongly to sounds such as their own names. A related study found greater blood flow in regions involved in attention and mental imagery among high recallers, who reported dreams about 5.2 times a week against about 0.5 for low recallers.
These groups were small and were sorted by what people said about their own recall, so it is hard to say which came first, the brain differences or the dreaming habit. A 2025 Italian study of 217 people who kept dream records widened the list of factors. Interest in dreams, a tendency to let the mind wander, sleep patterns and even the season were all related to recall.
193 words ・ CEFR B2
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ほぼ毎朝、鮮やかな夢を覚えて目覚める人もいれば、夢なんてまったく見ないと言い張る人もいます。研究者たちは、私たちのほとんどが特にレム睡眠中に定期的に夢を見ていると考えています。違いは、夢が記憶に書き込まれるかどうかにあるようです。眠っている脳はこれが苦手なのです。フランス・リヨンでの研究で、研究者たちは週に何度も夢を思い出す人と、めったに思い出さない人を比べました。
よく思い出す人は、夜の間に短く目覚めている時間が長く、自分の名前などの音に対して脳がより強く反応しました。関連する研究では、よく思い出す人(週に約5.2回夢を報告。
思い出さない人は約0.5回)は、注意や心のイメージにかかわる領域の血流が多いことがわかりました。これらのグループは少人数で、本人が自分の夢の想起について語った内容で分けられていたため、脳の違いと夢を思い出す習慣のどちらが先なのかは言いにくいのです。夢の記録をつけた217人を対象とした2025年のイタリアの研究は、関係する要因の範囲を広げました。夢への関心、心がさまよいやすい傾向、睡眠パターン、さらには季節までもが、夢の思い出しやすさに関係していたのです。
4択リーディングクイズ
Q1. According to the passage, what is the main difference between high and low dream recallers?
The difference seems to lie in whether the dream gets encoded into memory とあるので C。
Q2. How often did high recallers report dreams in the related study?
high recallers, who reported dreams about 5.2 times a week とあるので A。0.5は低想起群。
Q3. What limitation does the author point out?
These groups were small and were sorted by what people said about their own recall とあるので D。
重要単語
- dream recallC1名詞(句)夢の想起(夢を思い出すこと)Dream recall varies a lot between people.
recall は「思い出す」。remember よりかたく、論文・説明文で多い。product recall は「製品回収」。 - awakeningC1名詞目覚めBrief awakenings help store dream memories.
awaken(目覚める・目覚めさせる)の名詞形。比喩的に「自覚・気づき」の意味も。 - mind wanderingC1名詞(句)心がさまようこと(ぼんやり考え事)Mind wandering is linked to dream recall.
wander は「さまよう」。wonder(不思議に思う)とのつづり・発音の違いに注意。 - journalB1名詞日記、(学術)雑誌Keep a dream journal by your bed.
keep a journal「日記をつける」。研究の文脈では「学術誌」の意味でよく出る。 - attitudeB1名詞態度、関心の持ち方A positive attitude toward dreams may help recall.
attitude toward(s) ~「~に対する態度」の前置詞がポイント。 - encodeC1動詞(情報を)記憶に書き込む、符号化するThe sleeping brain has trouble encoding new memories.
en-(中に入れる)+code。反対語は decode「解読する」。
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夢をよく覚えている人の脳を調べたら、寝ている間に短く目覚める時間が長く、名前を呼ばれたときの脳の反応も大きかったらしい。「夢を見ない人」も、実は見ているのに覚えていないだけかも。
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出典・参考文献(4件)タップで表示
- Eichenlaub JB et al. (2014) Brain Reactivity Differentiates Subjects with High and Low Dream Recall Frequencies during Both Sleep and Wakefulness, Cerebral Cortexdoi.org
- Eichenlaub JB et al. (2014) Resting Brain Activity Varies with Dream Recall Frequency Between Subjects, Neuropsychopharmacologydoi.org
- Elce V et al. (2025) The individual determinants of morning dream recall, Communications Psychologydoi.org
- Schredl M et al. (2003) Dream recall frequency, attitude towards dreams and openness to experience, Dreamingdoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。












