「内向型=人見知り」は誤解だった。内向型と外向型のホントの違い

読む前に予想してみよう!
内向型の人は、人と話すのが苦手でスピーチも下手だ
内向・外向は「スキル」ではなく、刺激や人付き合いをどれくらい求めるかの傾向。人前で上手に話す内向型の人もたくさんいる。
- 対象
- 大学生・社会人
- 規模
- 48人〜数百人
- 研究の種類
- 質問紙調査・経験サンプリング・職場データ
- 確かさ
- ★★★☆☆
内向型は「人が苦手」な人ではなく、外向性という目盛りが低めな人。人見知りとは別もので、多くの人は内向と外向の中間にいる。
ひとことで言うと内向型は「人ぎらい」じゃない。静かな時間も好きなだけ!
「わたし内向型だから、人と話すの苦手なんだよね」
こんなセリフ、聞いたことがありませんか? 実はこれ、心理学的にはちょっとズレた使い方なんです。
内向型と外向型のちがいは、「人付き合いがうまいかどうか」ではありません。研究からわかってきたホントの違いを見ていきましょう。
01内向・外向は「充電のしかた」のちがい?
「内向」「外向」という言葉を広めたのは、20世紀はじめの心理学者ユングです。いまの性格心理学では、ビッグファイブの「外向性」として、どのくらい高いか低いかで測られます。
外向性が高い人は、人付き合いや刺激を求め、明るい気分を感じやすい傾向があります。外向性が低い(内向的な)人は、にぎやかさより静かな環境や少人数を好みやすい傾向があります。
よく言われるのが、スマホの充電方法のちがいというたとえ。外向型は「人の輪」というコンセントで、内向型は「ひとりの時間」というコンセントで充電しやすい、というものです。わかりやすいイメージですが、後で見るように、研究で確かめるとそう単純ではありません。どちらが優れているわけでもないのは確かです。
02人見知りとは別もの
1981年、チークさんとバスさんは大学生を対象に「人と一緒にいたい気持ち(社交性)」と「人前での緊張(シャイネス)」を別々に測りました。すると、この2つは重なりが小さく、別ものとして扱えることがわかりました。
つまり、
- 人が好きだけど緊張しやすい外向型
- 人前でも平気だけど、ひとりの時間が好きな内向型
も、ふつうに存在するということです。

03内向型でも「外向的にふるまう」日はある
アメリカの心理学者フリーソンさんは、人々に1日に何度も「今どんなふうにふるまっているか」を記録してもらいました。
すると、内向的な人も外向的にふるまう時間がけっこうあることがわかりました。性格は「いつも同じ行動をする」というより、よく出る行動のかたよりなのです。
ここで意外なのは、フィンランドの研究で「あとで疲れる」傾向が、内向型か外向型かに関係なく見られたことです。疲れの一因は「会った人数の多さ」でした。つまり、にぎやかな時間のあとに疲れるのは内向型だけの特徴ではない。「内向型は人と会うと消耗する」という充電のたとえは、少なくともこの研究では支持されなかったのです(ただし48人の小規模研究です)。
04「真ん中」の人がいちばん多い
外向性の点数を大勢で集めると、ほとんどの人は真ん中あたりに集まります。どちらの性質も持っている人が多数派なのです。
2013年、組織心理学者のグラントさんは、ある会社のコールセンターの営業スタッフ340人の売上を調べ、外向性が高すぎも低すぎもしない中間の人(アンビバート)が、いちばん売上が多かったと報告しました。よく話し、よく聞ける「バランス型」の強みかもしれません。ただしこれは1社のデータで、同じ結果がくり返し確かめられたわけではありません。
性格を16タイプに分ける診断の話は、MBTIの記事もどうぞ。
05まとめ
内向型は「人が苦手な人」ではなく、静かな時間や少人数を好みやすい人。人見知りとは別もので、ほとんどの人は内向と外向の両方を持っています。
自分のタイプを言い訳にするより、自分に合った充電のしかたを見つけるほうが、ずっとラクに生きられそうです。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMany people think introverts are bad at dealing with people, but psychologists see it differently.
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原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Some people say, "I'm an introvert, so I'm bad at talking to people." But this is a mistake. Introverts often like quiet places and small groups. Shyness is different.
Shy people feel nervous because they worry about what others think. You can be an introvert who is not shy. Also, most people are not strong introverts or strong extraverts. They are somewhere in the middle.
65 words ・ CEFR A2
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「私は内向型だから、人と話すのが苦手なんだ」と言う人がいます。しかし、これは間違いです。内向型の人は、静かな場所や少人数を好むことが多いのです。人見知り(シャイネス)は別のものです。
人見知りの人は、他人がどう思うかを心配して緊張します。人見知りではない内向型の人もいます。また、ほとんどの人は極端な内向型でも極端な外向型でもありません。その中間のどこかにいるのです。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the main idea of the passage?
「内向型=話すのが苦手」は間違いで、Shyness is different. と人見知りとの違いを説明しているので D。
Q2. Where are most people, according to the passage?
most people ... are somewhere in the middle とあるので C。
Q3. In this passage, "nervous" means ...
他人の評価を心配して緊張する、という文脈。nervous は「緊張して・不安で」なので A。
Many people think introverts are bad at dealing with people, but psychologists see it differently. Introversion simply means scoring lower on extraversion, a personality trait linked to seeking social contact and excitement. It is not the same as shyness, which is anxiety about how others will judge you. A 1981 study measured sociability and shyness separately and found that they overlapped only a little.
So there are friendly but nervous extraverts, and calm introverts who simply enjoy time alone. Another study asked people to report their behavior several times a day. Even introverts often acted in an outgoing way, and when they did, they tended to feel happier. Most people, in fact, fall somewhere between the two extremes.
118 words ・ CEFR B1
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多くの人は、内向型の人は人付き合いが苦手だと考えていますが、心理学者の見方は違います。内向性とは単に外向性の得点が低めだということで、外向性とは人との接触や刺激を求めることに関係する性格特性です。それは人見知りとは同じではありません。人見知りとは、他人にどう評価されるかについての不安のことです。1981年の研究では、社交性と人見知りを別々に測定し、この2つは少ししか重ならないことがわかりました。
つまり、人なつっこいけれど緊張しやすい外向型の人もいれば、ただひとりの時間を楽しむ落ち着いた内向型の人もいるのです。別の研究では、人々に1日に何度か自分の行動を報告してもらいました。内向的な人でさえ社交的にふるまうことがよくあり、そうしているときは気分が明るくなる傾向がありました。実際、ほとんどの人は2つの極端の間のどこかにいるのです。
4択リーディングクイズ
Q1. How does the passage define shyness?
shyness, which is anxiety about how others will judge you と定義されているので D。
Q2. What did the 1981 study find?
found that they overlapped only a little とあるので A。
Q3. What can we infer from the study in which people reported their behavior several times a day?
内向的な人も社交的にふるまう時間があったので、行動は場面ごとに変わると推論できる。C。気分は明るくなったので D は誤り。
A 2013 study of 340 call-center employees found that the best salespeople were neither strong extraverts nor strong introverts. The "ambiverts" in the middle of the scale made the most sales, though the data came from a single company and the result has not been widely repeated. The finding fits how personality psychologists see extraversion, as a continuous dimension and not a pair of boxes.
People who score high tend to seek social stimulation and feel positive emotions easily. Those who score lower prefer quieter settings and smaller groups. In everyday speech, "introvert" is often used loosely to mean someone who struggles with people, but introversion is not the same as shyness. A 1981 study that measured sociability and shyness separately found only a modest overlap. Studies that track behavior several times a day add detail.
In a 2002 study, people felt happier when they acted in an extraverted way, whether or not they were naturally introverted. A 2017 Finnish study of just 48 people found that such behavior was followed about three hours later by fatigue. That happened to introverts and extraverts alike, which goes against the popular idea that only introverts are worn out by socializing.
198 words ・ CEFR B2
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コールセンター従業員340人を対象にした2013年の研究では、最も優秀な営業担当者は、強い外向型でも強い内向型でもありませんでした。最も多くの売上を上げたのは尺度の中間にいる「アンビバート」でしたが、データは1社だけのもので、この結果は広く再現されてはいません。この発見は、性格心理学者が外向性をとらえる見方と合っています。
外向性は2つの箱ではなく、連続的な次元なのです。得点が高い人は社会的な刺激を求め、ポジティブな感情を感じやすい傾向があります。得点が低めの人は、より静かな環境や少人数を好みます。日常会話では、「内向型」は人付き合いに苦労する人という意味でよく大ざっぱに使われますが、内向性は人見知りと同じではありません。社交性と人見知りを別々に測定した1981年の研究では、両者の重なりはわずかでした。1日に何度も行動を追跡する研究は、さらに詳しいことを教えてくれます。
2002年の研究では、人はもともと内向的かどうかに関係なく、外向的にふるまったときのほうが幸せを感じていました。わずか48人を対象にしたフィンランドの2017年の研究では、そうしたふるまいの約3時間後に疲れが生じることが分かりました。それは内向型にも外向型にも同じように起きており、人付き合いで消耗するのは内向型だけだという一般的な考えに反しています。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
「内向型」=人付き合いが苦手という日常的な理解や、「内向型だけが人付き合いで消耗する」という通説と、研究が示す実態を説明しているので D。
Q2. What did the Finnish study find about fatigue after extraverted behavior?
That happened to introverts and extraverts alike とあるので C。
Q3. Why does the author mention that the 2013 data "came from a single company"?
the data came from a single company and the result has not been widely repeated は、結果を一般化しにくいという限界の指摘なので A。
重要単語
- introvertB2名詞内向的な人As an introvert, he enjoys quiet weekends.
intro-(内へ)+vert(向く)。形容詞 introverted。convert, invert など -vert は「向ける」。 - extravertB2名詞外向的な人(extrovert とも書く)She is an extravert who loves big parties.
extra-(外へ)+vert(向く)。心理学では extravert、日常では extrovert のつづりが多い。 - shynessB1名詞内気、人見知りHis shyness made it hard to speak in class.
shy+-ness。be shy of / about ~ も。introversion とは別概念なのがこの記事のポイント。 - sociableB2形容詞社交的なMy sociable cousin makes friends easily.
social(社会の)と区別。sociable は「人付き合いが好きな」という性格を表す。 - fatigueB2名詞疲労Long meetings can cause mental fatigue.
発音 /fəˈtiːɡ/。mental fatigue / physical fatigue。tiredness より硬い語。 - dimensionB2名詞次元、側面Extraversion is one dimension of personality.
three-dimensional(3次元の=3D)でおなじみ。評論文では「(問題の)側面」の意味も。 - drainB2動詞・名詞消耗させる、(水を)抜く/排水口Long parties drain my energy.
be drained で「へとへとだ」。brain drain=頭脳流出は時事英語の頻出語。
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「内向型=人見知り・コミュ障」は誤解らしい。人見知りは人からの評価が怖い気持ちで、内向・外向とは別もの。しかも、ほとんどの人は両方の性質をあわせ持つ「真ん中」にいるんだとか。
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出典・参考文献(4件)タップで表示
- Cheek & Buss (1981) Shyness and sociability, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
- Fleeson, Malanos & Achille (2002) An intraindividual process approach to the relationship between extraversion and positive affect: Is acting extraverted as "good" as being extraverted?, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
- Grant (2013) Rethinking the extraverted sales ideal: The ambivert advantage, Psychological Sciencepubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- Leikas & Ilmarinen (2017) Happy now, tired later? Extraverted and conscientious behavior are related to immediate mood gains, but to later fatigue, Journal of Personalitypubmed.ncbi.nlm.nih.gov
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











