突然の音信不通「ゴースティング」。された側の心に起きる4つの段階と、"する側"の考え方

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「人間関係は運命で決まる」と強く信じる人ほど、ゴースティングを受け入れやすい
調査では、運命を重視する考え方が強い人ほど、ゴースティングを許容しやすく、実際に使った経験も多かった。
- 対象
- 欧米の若い成人など
- 規模
- 約100〜750人の調査を複数
- 研究の種類
- 質的分析+横断調査
- 確かさ
- ★★☆☆☆
理由も告げずに連絡を絶つ「ゴースティング」。された人の体験を分析すると、驚きと混乱→怒りや悲しみ→関係修復の試み→受け入れ、という段階が見えてきた。
ひとことで言うと急に連絡がなくなることは、研究者によると「無視」(仲間はずれ)の一種とみなせる。
昨日まで普通にやりとりしていたのに、急に返信が来なくなった。メッセージを送っても既読がつかない。SNSでブロックされたわけでもなさそう……。
理由も告げずに、突然すべての連絡を絶って関係を終わらせること。これを英語圏では「ゴースティング(ghosting)」と呼びます。まるでおばけ(ghost)のように、すっと消えてしまうからです。
もともとは恋愛の場面で使われ始めた言葉ですが、友達関係でも起こります。最近になって、心理学でも研究が始まりました。
01した人も、された人も「経験あり」
アメリカの研究チームが、若い大人99人にゴースティングの経験を聞いたところ、多くの人が「した側」と「された側」の両方を経験していました。
ゴースティングを選ぶ理由としては、「直接言うのが気まずい」「相手と対立したくない」などが挙げられています。面と向かって別れを告げるより、ラクに見えるのです。
02された側の心に起きる4つの段階
特につらいのは、最初の「なぜ?」が解けないこと。理由が分からないため、「自分が何か悪いことをしたのでは」と自分を責めてしまいやすいのです。

03「運命」を信じる人ほど、ゴースティングしやすい?
どんな人がゴースティングをしやすいのでしょうか。アメリカの研究では、人間関係についての考え方に注目しました。
- 運命派:「相性のいい相手とは、最初から自然にうまくいくはず」
- 成長派:「関係は、努力やすり合わせで育っていくもの」
約550人と約750人を対象にした2つの調査で、運命派の考えが強い人ほど、ゴースティングを「アリ」と考え、実際にしたことがある人も多かったのです。「合わないなら、それは運命じゃなかっただけ」と、説明や話し合いを省いてしまうのかもしれません。成長派の考えが強い人は、ゴースティングを「アリ」と考えにくく、するつもりも低い傾向でした。この傾向は、恋愛だけでなく友達関係でも見られました。
04意外な結果:もっとつらいのは「思わせぶり」?
スペインの研究では、成人626人に、ゴースティングや「ブレッドクラミング」(パンくずをまくように、気を持たせるメッセージだけ時々送ってくること)の経験と、心の状態を調べました。すると、生活満足度の低さや孤独感と結びついていたのは、ブレッドクラミングの経験のほうで、ゴースティング単独の経験とははっきりした関連が見られませんでした。
ただし、これは一時点の調査なので、「どちらがよりつらいか」を決めつけることはできません。
05まとめ
突然の音信不通「ゴースティング」は、された側に「なぜ?」という答えのない問いを残します。研究者は、それを仲間はずれの一種とみています。
もしあなたが今、その「なぜ?」の中にいるなら、答えが見つからないのはあなたのせいではありません。そして、いつか自分が関係を終える側になったときは、短くても誠実なひと言を。それが、相手の心を守る小さな思いやりになります。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerGhosting means ending a relationship by suddenly cutting off all contact without giving a reason.
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原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Sometimes a friend suddenly stops answering your messages and never explains why. This is called "ghosting," because the person disappears like a ghost. A research team in Italy studied people who were ghosted. Many people first felt surprised and confused.
Then they felt angry or sad. Next, they tried to fix the relationship. Finally, they accepted it. If you are ghosted, it is not your fault.
66 words ・ CEFR A2
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ときどき、友達が突然メッセージに返事をしなくなり、その理由を決して説明しないことがあります。これは「ゴースティング」と呼ばれます。その人がおばけ(ゴースト)のように消えてしまうからです。イタリアの研究チームが、ゴースティングされた人たちを調べました。多くの人は、最初に驚き、混乱しました。
次に、怒りや悲しみを感じました。その次に、関係を元に戻そうとしました。最後に、それを受け入れました。もしあなたがゴースティングされても、それはあなたのせいではありません。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
ゴースティングとは何か、された人がどう感じるかを説明しているので C。
Q2. What did many people feel first after being ghosted?
Many people first felt surprised and confused. とあるので B。
Q3. In this passage, "fault" means ...
it is not your fault は「あなたのせいではない」。fault は「落ち度・責任」なので D。
Ghosting means ending a relationship by suddenly cutting off all contact without giving a reason. It began as a dating term, but it also happens between friends. In an American study of 99 young adults, many had experienced both ghosting someone and being ghosted. People often choose ghosting because it feels easier than an awkward conversation.
An Italian team asked 208 young adults to write about being ghosted or clearly rejected. Their stories showed several stages, starting with surprise and confusion, then anger, sadness, and self-blame, then attempts to repair the relationship, and finally acceptance. The researchers argued that ghosting is a kind of ostracism. Another study found that people who believe relationships depend on destiny were more accepting of ghosting.
121 words ・ CEFR B1
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ゴースティングとは、理由を告げずに突然すべての連絡を絶って関係を終わらせることです。それは恋愛の用語として始まりましたが、友達同士でも起こります。若い大人99人を対象にしたアメリカの研究では、多くの人がゴースティングをした経験とされた経験の両方を持っていました。人がゴースティングを選ぶのは、気まずい会話よりも楽に感じられるからであることが多いのです。イタリアのチームは、若い大人208人に、ゴースティングされた体験やはっきり断られた体験について書いてもらいました。
その話からは、いくつかの段階が見えてきました。驚きと混乱、次に怒り・悲しみ・自分を責める気持ち、次に関係を修復しようとする試み、そして最後に受け入れです。研究者たちは、ゴースティングは仲間はずれの一種だと論じました。別の研究では、人間関係は運命で決まると信じている人ほど、ゴースティングを受け入れやすいことが分かりました。
4択リーディングクイズ
Q1. Why do people often choose ghosting?
it feels easier than an awkward conversation とあるので A。
Q2. Which stage comes just before acceptance?
then attempts to repair the relationship, and finally acceptance の順なので D。
Q3. What can we infer about people who believe in destiny?
運命を信じる人ほどゴースティングを受け入れやすいとあり、合わないなら説明不要と考えがちだと推論できるので B。
When 99 young American adults were asked about ghosting, many said they had been on both ends of it. Ghosting means ending a relationship by suddenly cutting off all contact without explanation, and those who did it often said they wanted to avoid an awkward confrontation. Messaging apps make it easy, and psychologists have only recently started studying it.
An Italian team asked 208 young adults to describe being ghosted, "orbited" (cut off but still watched on social media), or rejected directly. The accounts of ghosting followed a rough sequence. Surprise and confusion came first, then anger, sadness and self-blame, then attempts to save the relationship, and finally acceptance. The authors treated ghosting as a form of ostracism. Two surveys, of roughly 550 and 750 people, looked at beliefs about relationships.
People with strong "destiny" beliefs, who assume that compatible partners simply click, were more accepting of ghosting and more likely to have done it. These studies relied on personal accounts and one-time surveys, so they describe ghosting but cannot show what it causes. A Spanish survey of 626 adults found that lower life satisfaction went with "breadcrumbing," sending occasional teasing messages, more than with ghosting alone.
197 words ・ CEFR B2
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アメリカの若い大人99人にゴースティングについてたずねたところ、多くの人が、した側とされた側の両方を経験したことがあると答えました。ゴースティングとは、説明なしに突然すべての連絡を絶って関係を終わらせることで、した側はしばしば、気まずい対立を避けたかったと話しました。メッセージアプリはゴースティングを簡単にしますが、心理学者がそれを研究し始めたのはごく最近です。
イタリアのチームは若い大人208人に、ゴースティングされた体験、「オービティング」された体験(連絡は絶たれたのにSNSでは見られている)、あるいは直接断られた体験を記述してもらいました。ゴースティングの記述は、おおまかな流れに沿っていました。まず驚きと混乱、次に怒り・悲しみ・自責、それから関係を取り戻そうとする試み、そして最後に受け入れです。著者らはゴースティングを仲間はずれの一形態とみなしました。およそ550人と750人を対象とした2つの調査は、人間関係についての信念を調べました。
相性の良い相手とは自然にうまくいくと考える「運命」の信念が強い人ほど、ゴースティングを受け入れやすく、実際にしたことがある可能性も高かったのです。これらの研究は個人の体験談と1回きりの調査に頼っているため、ゴースティングの様子は描けても、それが何をもたらすかは示せません。成人626人を対象としたスペインの調査では、生活満足度の低さと結びついていたのは、ゴースティング単独よりも、ときどき気を持たせるメッセージを送る「ブレッドクラミング」のほうでした。
4択リーディングクイズ
Q1. What does "orbiting" mean in the passage?
cut off but still watched on social media と説明されているので C。
Q2. What did the Spanish survey find?
lower life satisfaction went with "breadcrumbing," ... more than with ghosting alone とあるので A。
Q3. What limitation does the author mention?
These studies relied on personal accounts and one-time surveys, so they describe ghosting but cannot show what it causes とあるので D。
重要単語
- ghostingB2名詞突然の音信不通で関係を終わらせることGhosting can leave people confused.
ghost(おばけ)を動詞化した新語。ghost someone「~との連絡を突然絶つ」。 - explanationB1名詞説明He left without any explanation.
動詞 explain とつづりが違う(explaination としない)点に注意。 - acceptanceB2名詞受け入れAcceptance takes time after a loss.
accept(受け入れる)の名詞形。acceptance letter「合格通知」。 - destinyB2名詞運命Some people believe in destiny.
fate とほぼ同義。fate は悪い運命のニュアンスを持つこともある。 - growthB1名詞成長Hard times can lead to growth.
grow の名詞形。growth mindset「成長思考(能力は伸ばせるという考え)」は教育分野で頻出。 - confrontationC1名詞対立、直面She avoided confrontation with her friend.
動詞 confront「立ち向かう・直面させる」。be confronted with ~「~に直面する」。
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理由も言わずに突然連絡を絶つ「ゴースティング」。された人の体験を分析すると、①驚きと混乱 ②怒り・悲しみ・自責 ③関係を戻そうとする ④受け入れる、という段階があったらしい。研究者はこれを"仲間はずれ"の一種とみている。
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- LeFebvre et al. (2019) Ghosting in emerging adults' romantic relationships: The digital dissolution disappearance strategy, Imagination, Cognition and Personalitydoi.org
- Freedman et al. (2019) Ghosting and destiny: Implicit theories of relationships predict beliefs about ghosting, Journal of Social and Personal Relationshipsdoi.org
- Pancani et al. (2021) Ghosting and orbiting: An analysis of victims' experiences, Journal of Social and Personal Relationshipsdoi.org
- Navarro et al. (2020) Psychological correlates of ghosting and breadcrumbing experiences: A preliminary study among adults, International Journal of Environmental Research and Public Healthdoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











