心理学ホント

楽しみで本を読むアメリカ人、20年で4割減。ある1日に読む人は6人に1人に

楽しみで本を読むアメリカ人、20年で4割減。ある1日に読む人は6人に1人に

読む前に予想してみよう!

アメリカの調査では、子どもに本を読み聞かせる習慣はこの20年で大きく増えていた

研究カード(どんな研究?)
対象
アメリカの15歳以上(全国代表サンプル)
規模
23万6270人
研究の種類
くり返し横断調査(生活時間調査)の分析
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

23万人超の生活時間調査で、その日に楽しみで本を読んだ人は2004年の28%をピークに2023年は約16%へ。年3%ずつ減っていた。

ひとことで言うとアメリカでは、ある1日に楽しみで本を読む人の割合が、この20年で4割も減った!

もくじ
  1. 23万人の「1日の過ごし方」を分析
  2. 28%から16%へ。毎年3%ずつ減少
  3. 減り方には「差」があった
  4. 本を読む人は長生き?
  5. まとめ

最近、楽しみのために本を1冊読み切ったのはいつですか?

「最近みんな本を読まなくなった」とはよく言われます。でも本当に減っているのか、どれくらい減ったのかは、調べ方によって結果がバラバラでした。

2025年、イギリスとアメリカの研究チームが、国の公式な生活時間調査を20年分使って答えを出しました。

0123万人の「1日の過ごし方」を分析

アンケートで「本をよく読みますか?」と聞くと、つい見栄を張ってしまうもの。この調査は昨日1日の行動を時系列で思い出してもらう方式なので、ふだんの姿がより正確に見えやすいのが強みです。

0228%から16%へ。毎年3%ずつ減少

結果、その日に楽しみのために本を読んだ人の割合は、

  • 2004年:約28%(20年間のピーク)
  • 2023年:約16%(20年間で最低)

と、20年で約4割も減っていました。統計的には、毎年およそ3%ずつ減っている計算です。

一方で、「その日に読んだ人」の読書時間はむしろ少し長くなっていました。読む人と読まない人の二極化が進んでいるのかもしれません。

20年で「ある1日に読んだ人」は約6人に1人まで減った
20年で「ある1日に読んだ人」は約6人に1人まで減った

03減り方には「差」があった

注目すべきは、減り方がみんな同じではなかったことです。

  • 黒人の人たちは白人より減り方が大きかった
  • 学歴や収入が低い人ほど減り方が大きかった
  • 都市部以外に住む人でも落ちこみが目立った

研究チームは、読書は健康や幸福にもつながる行動なので、広がる差を縮めるための取り組みが急務だと訴えています。実際、本を読む習慣がある人は長生きの傾向があった、という観察研究もあります。

また、子どもへの読み聞かせは、楽しみのための読書よりずっと少なく、この20年でほとんど変化していませんでした。

04本を読む人は長生き?

読書と健康の関係を調べた研究もあります。2016年、アメリカ・イェール大学のチームは、50歳以上の3635人を12年間追跡し、本を読む人は読まない人より、年齢や学歴、健康状態などをそろえても死亡リスクが約20%低く、調整前の生存曲線では約23か月(約2年)の差があったと報告しました。

もちろんこれは観察研究なので、「本を読むと長生きする」と断定はできません。でも、読書が心と体に良い習慣である可能性を示すデータのひとつです。

研究チームは、読書は読み書きの力や仕事、健康、異なる文化への理解など、人生のさまざまな面にプラスになる行動だと強調しています。だからこそ、読書の習慣がどう変わっていくかを見守ることが大切だというわけです。

05まとめ

本を読む人が減っているのは、気のせいではありませんでした。

でも、読書は1日10分からでも始められる、いちばん安上がりな「心のサプリ」かもしれません。スマホを置いて、まずは1章だけ。あなたの本棚の積ん読、今夜崩してみませんか?

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerPeople often say that we read fewer books than before, but how big is the change? 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

People often say that we read fewer books than before, but how big is the change? Researchers from University College London and the University of Florida analyzed the American Time Use Survey from 2003 to 2023, which included 236,270 people. Participants described what they did the day before, hour by hour, so the data are more accurate than simply asking, "Do you read often?"

The share of people who read for pleasure on a given day fell from about 28 percent in 2004 to about 16 percent in 2023, a decline of about 3 percent per year. The decline was larger among Black Americans, people with lower income or education, and people living outside cities.

115 words ・ CEFR B1

和訳を見る

以前より本を読まなくなったとよく言われますが、その変化はどれくらい大きいのでしょうか。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンとフロリダ大学の研究者たちは、23万6270人が含まれる2003年から2023年の「アメリカ時間使用調査」を分析しました。参加者は前日に何をしたかを時間ごとに説明したので、このデータは単に「よく本を読みますか」と聞くよりも正確です。

ある1日に楽しみのために本を読んだ人の割合は、2004年の約28%から2023年の約16%へと下がり、これは毎年約3%の減少にあたります。減り方は、黒人のアメリカ人、収入や学歴が低い人、都市部以外に住む人でより大きくなっていました。

4択リーディングクイズ

Q1. Why are the survey data considered more accurate than a simple question?

Q2. By about how much did reading for pleasure fall each year?

Q3. What can be inferred from the last sentence?

重要単語

  • read for pleasureB1
    動詞句楽しみのために読書するI read for pleasure before going to bed. for pleasure「楽しみのために」⇔ for work / for study。with pleasure は「喜んで」で別の意味。
  • declineB2
    名詞・動詞減少(する)There has been a steady decline in reading. a decline in ~「~の減少」。in を使う点がポイント(an increase in ~ と同じ)。
  • disparityC1
    名詞格差、不均衡The study found growing disparities by income. dis-(否定)+par(等しい)。gap や inequality の硬い言い方。health disparities「健康格差」。
  • nationally representativeC1
    形容詞句全国を代表する(標本)The survey used a nationally representative sample. representative は「代表的な」。偏りの少ないサンプルであることを示す、調査の信頼性を表す定番表現。
  • literacyB2
    名詞読み書きの能力Reading with children supports early literacy. 形容詞 literate(読み書きができる)。literal(文字通りの)、literature(文学)と同じ letter 系の語。
  • polarizationC1
    名詞二極化、分極化The data show polarization between readers and non-readers. pole(極)から。political polarization「政治的分断」は社会系の長文で頻出。

動画でもっと知る

アメリカで23万人以上の生活記録を20年分調べたら、楽しみのために本を読む人は28%から16%に減っていたらしい。約4割減。しかも、学歴や収入による差が広がっていた。

押すと「マジかリスト」に保存されます

出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Bone et al. (2025) The decline in reading for pleasure over 20 years of the American Time Use Survey, iSciencedoi.org
  2. Twenge, Martin & Spitzberg (2019) Trends in U.S. Adolescents' media use, 1976–2016, Psychology of Popular Media Culturedoi.org
  3. Bavishi, Slade & Levy (2016) A chapter a day: Association of book reading with longevity, Social Science & Medicinedoi.org