【検証】血液型で性格はわかる? 日米1万人超のデータが出した答え

読む前に予想してみよう!
大規模な調査では、A型の人ははっきり几帳面な傾向があった
日米1万人以上のデータで、血液型による性格の差はほぼゼロだった。
- 対象
- 日本と米国の一般成人
- 規模
- 1万人以上
- 研究の種類
- 大規模社会調査データの分析
- 確かさ
- ★★★★☆
日本とアメリカの1万人以上の調査データを分析した結果、血液型と性格のあいだに意味のある関係はほぼ見つからなかった。
ひとことで言うと血液型は血の「型」。性格を決める力は、ほとんどないよ!
「A型だから几帳面だよね」「B型ってマイペースっぽい」「O型はおおらか」「AB型は天才肌」。
日本では、自己紹介や合コン、ときには就職の場面にまで登場する血液型性格診断。当たっている気がする人も多いはずです。
でも、心理学の世界ではこの話、かなり前から「関係はほぼない」と言われ続けています。それを大量のデータで確かめた、日本の研究を紹介します。
011万人以上のデータで調べてみた
差が出た項目もわずかにありましたが、その大きさは「血液型でその人の答えを予想できる」とはとても言えない、ごく小さなもの。論文のタイトルそのものが「血液型と性格の無関連性」でした。
ほかにも、日本の健康な大人を対象に、心理学の標準的な性格検査(=たくさんの質問から性格の傾向を点数にするテスト)を使って調べた2015年の研究(約1,400人)でも、見つかったのは「粘り強さ」に関するごく小さな差だけでした。研究者自身も、この関係は弱く、まだ慎重に受け止めるべき予備的な結果だとしています。
02そもそも、どこから始まった話?
日本での始まりは、1927年に教育学者の古川竹二が発表した「血液型と気質」の説だとされています。当時はかなり注目されましたが、その後の検証で支持されず、いったん下火になりました。
それが1970年代、本やテレビで再び大ブームに。以来、雑誌の占いやバラエティ番組で繰り返し取り上げられ、「なんとなく常識」として定着していったのです。
03「当たってる気がする」のはなぜ?
ここが一番おもしろいところです。

1949年に論文で報告された実験で、アメリカの心理学者フォアは、授業で学生たちに「あなた専用の性格診断です」と言って全員にまったく同じ文章を渡しました。それでも多くの学生が「よく当たっている」と評価したのです。
このように、誰にでも当てはまるあいまいな言葉を「自分のことだ」と感じてしまう現象をバーナム効果と呼びます。「普段はしっかり者だけど、気を抜くとだらしない面もある」――ほら、あなたにも当てはまりませんか?
さらに、確証バイアス(=自分の考えに合う出来事ばかり覚えていて、合わないことは忘れる心のクセ)も働きます。A型の友達が几帳面にしていた場面は覚えているけれど、散らかしていた場面は「たまたま」で片づけてしまうのです。
04実は「日本ならでは」の話題
血液型と性格を結びつける話は、日本のほか、韓国や台湾などで比較的よく知られています。一方、欧米では血液型を気にする人は少なく、自分の血液型を知らない人も珍しくありません。
もし血液型が本当に性格を決めているなら、国によって信じる人の多さがここまで違うのは、ちょっと不思議ですよね。文化として広まった話だと考えると、すっきり説明がつきます。
05笑い話で終わらない「ブラハラ」
血液型の話は、場を盛り上げる雑談としてなら楽しいもの。でも「B型だから自分勝手」「〇型の人は採用しない」となると話は別です。
自分では変えられない特徴で人を決めつけることは、ブラッドタイプ・ハラスメント(ブラハラ)とも呼ばれ、問題視されています。
06まとめ
- 日米1万人以上のデータで、血液型と性格の関係はほぼ見つからなかった
- 「当たる」と感じるのは、バーナム効果や確証バイアスのしわざ
- 雑談のネタならOK。でも人を決めつける道具にはしない
あなたの性格を決めているのは血液型ではなく、これまでの経験と、これからの選択です。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerBlood-type personality readings are very popular in Japan, but psychologists have long doubted them.
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
In Japan, many people believe that blood type shows your personality. For example, type A people are said to be careful.
But in 2014, a Japanese psychologist studied survey data from more than 10,000 people in Japan and the United States. He found almost no difference in personality between blood types. So why do the readings feel true? Their words are often vague and fit almost anyone.
67 words ・ CEFR A2
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日本では、血液型で性格がわかると信じている人がたくさんいます。たとえば、A型の人は几帳面だと言われます。
しかし2014年、日本の心理学者が、日本とアメリカの1万人以上の調査データを調べました。彼は、血液型の間で性格の差がほとんどないことを発見しました。では、なぜ血液型診断は当たっているように感じるのでしょうか。その言葉はあいまいなことが多く、ほとんど誰にでも当てはまるのです。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
血液型で性格がわかるかどうかを検証した話なので C。
Q2. How many people's data were studied?
survey data from more than 10,000 people とあるので D。
Q3. In this passage, "vague" means ...
vague は「あいまいな」。誰にでも当てはまるような、はっきりしない言葉なので A。
Blood-type personality readings are very popular in Japan, but psychologists have long doubted them. In 2014, social psychologist Kengo Nawata analyzed large social surveys from Japan and the United States, covering more than 10,000 people in total. When he compared answers to many questions about life and attitudes by blood type, he found almost no meaningful differences. A 2015 study using a standard personality test found only a very weak link.
So why do the readings seem accurate? One reason is the Barnum effect: we accept vague descriptions that could fit anyone as true for ourselves. Another is confirmation bias, which makes us remember examples that match our beliefs and forget those that do not.
115 words ・ CEFR B1
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血液型性格診断は日本でとても人気がありますが、心理学者たちは長い間それを疑ってきました。2014年、社会心理学者の縄田健悟は、日本とアメリカの大規模な社会調査を分析しました。対象は合計1万人以上です。生活や考え方に関するたくさんの質問への答えを血液型ごとに比べたところ、意味のある差はほとんど見つかりませんでした。標準的な性格検査を使った2015年の研究でも、見つかったのはごく弱い関係だけでした。
では、なぜ診断が当たっているように思えるのでしょうか。一つの理由はバーナム効果です。私たちは、誰にでも当てはまりそうなあいまいな説明を、自分にとって正しいものとして受け入れてしまうのです。もう一つは確証バイアスで、これによって私たちは自分の信じていることに合う例を覚え、合わない例を忘れてしまいます。
4択リーディングクイズ
Q1. What did Nawata find?
he found almost no meaningful differences とあるので B。
Q2. What is the Barnum effect?
we accept vague descriptions that could fit anyone as true for ourselves と説明されているので A。
Q3. How might confirmation bias affect someone who believes type A people are neat?
確証バイアスは信念に合う例を覚え、合わない例を忘れさせるので、几帳面なA型の例だけを覚えていると推論できる。C が正解。
In 1949, the psychologist Bertram Forer handed each of his students what looked like a personal description, and most rated it as highly accurate. Every student had received exactly the same text. This trick of the mind, now called the Barnum effect, helps explain why blood-type personality readings feel so convincing in Japan. Add confirmation bias, the habit of noticing examples that fit our beliefs, and a vague stereotype can start to look like a law of nature.
Psychologists have long doubted the readings, and in 2014 Kengo Nawata put them to a large test. He analyzed social surveys from Japan and the United States with more than 10,000 respondents, comparing answers to dozens of questions about lifestyle and attitudes across blood types. In almost every case the differences were negligible. Where small gaps did appear, they were too tiny to predict how any individual would answer. A 2015 study using a standardized personality inventory found only a weak, uncertain association.
Researchers also note that people who know the stereotypes may describe themselves slightly differently because of them. The belief is common in Japan and some neighboring regions but rare in Western countries, which points to culture as its source.
200 words ・ CEFR B2
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1949年、心理学者のバートラム・フォアは、学生一人ひとりに、本人向けに見える性格の説明を配りました。ほとんどの学生は、それがとてもよく当たっていると評価しました。ところが、全員がまったく同じ文章を受け取っていたのです。今ではバーナム効果と呼ばれるこの心のくせは、日本で血液型性格診断がこれほど当たっているように感じられる理由の説明に役立ちます。
そこに、すでに信じていることに合う例ばかりに目が向く確証バイアスが加わると、あいまいな固定観念が自然の法則のように見えてくるのです。心理学者たちは長い間この診断を疑ってきましたが、2014年、縄田健悟がこれを大規模に検証しました。彼は1万人以上の回答者を含む日本とアメリカの社会調査を分析し、生活様式や考え方についての数十の質問への答えを血液型ごとに比較しました。ほぼすべての場合で、差は無視できるほど小さいものでした。小さな差が見られたところでも、個人がどう答えるかを予測するにはあまりにわずかでした。標準化された性格検査を用いた2015年の研究でも、見つかったのは弱く不確かな関連だけでした。
研究者たちはまた、固定観念を知っている人はその影響で自分のことを少し違うふうに表現するかもしれない、と指摘しています。この信念は日本と近隣のいくつかの地域ではよく見られますが、欧米ではまれで、その出どころが文化であることを示しています。
4択リーディングクイズ
Q1. What did Forer's 1949 demonstration show?
most rated it as highly accurate のあとに Every student had received exactly the same text. とあるので B。
Q2. What does the difference between Japan and Western countries suggest?
rare in Western countries, which points to culture as its source とあるので C。
Q3. Which statement best summarizes the author's view?
縄田の大規模調査ではほぼ関連が見られず、2015年の研究でも弱く不確かな関連しか見つからず、当たっているように感じるのはバーナム効果や確証バイアスのためだと説明しているので D。
重要単語
- personalityB1名詞性格Blood type does not seem to shape your personality.
personality trait「性格特性」。character より心理学的な文脈で使われる。 - stereotypeB2名詞固定観念、決めつけBlood-type stereotypes can hurt people's feelings.
原義は印刷の「鉛版」=同じ型を何度も刷ることから。形容詞 stereotypical。 - confirmation biasC1名詞(句)確証バイアスConfirmation bias makes us remember only the hits.
confirm(確かめる)の名詞形 confirmation。認知バイアスの代表例として入試で頻出。 - vagueB2形容詞あいまいなVague descriptions seem to fit almost anyone.
発音は /veɪɡ/(ヴェイグ)。ue は読まない。a vague idea「ぼんやりした考え」。 - surveyB1名詞調査The survey asked thousands of people about their lives.
名詞は SUR-vey、動詞は sur-VEY とアクセントが変わる名前動後の代表例。 - skepticalC1形容詞懐疑的なPsychologists are skeptical about blood-type readings.
be skeptical about/of ~「~を疑っている」。イギリス綴りは sceptical。 - negligibleC1形容詞無視できるほど小さいThe differences between blood types were negligible.
neglect(無視する)+-ible(できる)。研究結果の「差がほぼない」を表す定番語。
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血液型で性格がわかる説、日本とアメリカの1万人以上のデータを分析したら、血液型で性格の答え方がほとんど変わらなかったらしい。「A型っぽい」は、そう見ようとしてるだけかも。
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- 縄田健悟 (2014) 血液型と性格の無関連性――日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠, 心理学研究doi.org
- Tsuchimine et al. (2015) ABO Blood Type and Personality Traits in Healthy Japanese Subjects, PLOS ONEdoi.org
- Forer (1949) The fallacy of personal validation: a classroom demonstration of gullibility, The Journal of Abnormal and Social Psychologydoi.org
- 古川竹二 (1927) 血液型による気質の研究, 心理学研究doi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











