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同じスピーチを何回くり返せば上手くなる? 日本人学習者の実験では「5回目」まで速くなった

同じスピーチを何回くり返せば上手くなる? 日本人学習者の実験では「5回目」まで速くなった

読む前に予想してみよう!

同じ話を1回の授業で何度も連続でくり返すほど、どんな面でも上達する

研究カード(どんな研究?)
対象
日本人の英語学習者ほか
規模
32人(同じ課題を6回くり返し)など複数の実験
研究の種類
実験研究・スコーピングレビュー
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

同じ話をくり返すと、その場の流暢さははっきり上がる。日本人の実験では5回目まで話す速さが伸びた。ただ新しい話題に持ち越せるかは、くり返し方しだい。

ひとことで言うと同じ話を何回も話すと、どんどんスラスラ話せるようになる!

もくじ
  1. 6回くり返したら、どこまで伸びた?
  2. 間をあけるか、続けてやるか
  3. どんでん返し:詰め込み反復は「両刃の剣」
  4. 「その場の上達」と「本当の実力」は別
  5. まとめ

英語のスピーチやプレゼンの前、同じ原稿を何度も声に出して練習しますよね。1回目はつっかえても、3回目にはだいぶスラスラ。

この「同じ課題をもう一度やる」ことは、第二言語の研究では「タスク反復(task repetition)」と呼ばれ、30年近く研究されてきました。

では、何回くり返せば効果が頭打ちになるのか。そして、練習した話以外でも話せるようになるのか。日本人の英語学習者を対象にした研究も含めて見ていくと、意外な「落とし穴」も見えてきました。

016回くり返したら、どこまで伸びた?

おもしろいのは、改善の「順番」です。研究者たちは、話す内容を考える段階、文を組み立てる段階、言い間違いをチェックする段階と、話すプロセスの別々の部分が、違うタイミングで楽になっていくのではないかと考えています。

02間をあけるか、続けてやるか

では、くり返しは続けてやるべきか、日をあけるべきか。成人の英語学習者71人に同じ絵の説明を、すぐ・1日後・3日後・1週間後・2週間後のどれかでもう一度してもらった研究があります。

結果、どの間隔でもくり返しの効果はプラス。ただし中身が少し違い、話す速さはすぐ〜短い間隔で伸びやすく、文の複雑さや言い直しの少なさは1週間あけたときに良い結果が出ました。

くり返しの「間隔」によって、伸びる力が変わる
くり返しの「間隔」によって、伸びる力が変わる

03どんでん返し:詰め込み反復は「両刃の剣」

スズキ(Suzuki)とハンザワ(Hanzawa)は、同じ6コマ漫画の話を6回くり返すとき、

  • 1回の授業で6回連続
  • 授業の始めに3回・終わりに3回
  • 1週間あけた2回の授業で3回ずつ

の3通りで比べました。

授業直後に新しい漫画で話してもらうと、6回連続組は止まる回数がいちばん減った一方で、話す速さが落ち、同じ言葉をそのままくり返す言い直しが増えていたのです。1週間後には、スケジュールによる差は小さくなっていました。

さらにスズキの別の実験では、3つの課題を「AAA・BBB・CCC」とまとめてくり返す組と、「ABC・ABC・ABC」と混ぜてくり返す組を比べ、新しい漫画での流暢さが伸びたのはまとめてくり返した組でした。ただ、練習中に見えた一部の伸び(途切れずに話せる長さなど)は、テストでは新しい話に持ち越されませんでした。

04「その場の上達」と「本当の実力」は別

74研究を整理した2026年のスコーピングレビューは、タスク反復が昔は「その場で上手に話すための準備」として扱われていたのに対し、最近は新しい課題でも使える長期的な力を育てる「練習」として研究されるようになったと指摘しています。

つまり、同じ話が上手くなることと、どんな話でも話せるようになることは、イコールではないのです。

05まとめ

同じ話をくり返すと、たしかに英語はスラスラになります。日本人学習者の実験では、話す速さは5回目まで伸び続けました。

ただし、それが「どんな話題でも話せる力」になるかは、くり返し方しだい。間をあけてくり返し、最後に新しい話題で試す。これが、くり返しを本当の実力に変えるコツです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerTask repetition means doing the same speaking task more than once. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Task repetition means doing the same speaking task more than once. In a study by Lambert and his colleagues, 32 Japanese learners of English repeated three kinds of tasks six times each. Their fluency improved as they repeated the tasks, and their speech rate kept rising until the fifth performance, although the biggest gains came in the first three.

Another study compared different schedules. When learners told the same cartoon story six times in one class, they paused less afterwards, but they also spoke more slowly and repeated words more often when telling a new story. A week later, the differences between schedules had become small. These findings show that becoming fluent on one story is not the same as becoming a fluent speaker in general.

126 words ・ CEFR B1

和訳を見る

タスク反復とは、同じスピーキング課題を2回以上行うことです。ランバートらの研究では、32人の日本人の英語学習者が3種類の課題をそれぞれ6回くり返しました。彼らの流暢さはくり返すにつれて向上し、最大の伸びは最初の3回で見られたものの、話す速さは5回目まで上がり続けました。

別の研究は、異なるスケジュールを比べました。学習者が同じ漫画の話を1回の授業で6回したとき、その後は止まることが減りましたが、新しい話をするときに、より遅く話し、言葉をくり返すことも増えました。1週間後には、スケジュールの間の差は小さくなっていました。これらの結果は、1つの話で流暢になることが、話し手として全般的に流暢になることと同じではないことを示しています。

4択リーディングクイズ

Q1. What is task repetition?

Q2. When did the biggest gains in speech rate come in Lambert's study?

Q3. What is the main lesson of the passage?

重要単語

  • repetitionB1
    名詞くり返し・反復Repetition helped the students speak more smoothly. repeat の名詞形。task repetition「タスク反復」は TBLT(タスク中心の指導)の重要語。
  • fluencyB2
    名詞流暢さFluency improved with each repetition. fluent「流暢な」の名詞形。研究では speed(速さ)・breakdown(途切れ)・repair(言い直し)に分けて測る。
  • self-repairC1
    名詞自己修正・言い直しSelf-repairs decreased after several repetitions. repair「修理する」を言葉に使った用語。言い直しが多いと流暢さが低いと判断される。
  • verbatimC1
    形容詞・副詞一語一語そのままの(に)He repeated the sentence verbatim. ラテン語 verbum「言葉」から。verb「動詞」と同じ語源。
  • massedC1
    形容詞集中した・まとめて行うMassed practice can feel effective but may not last. mass「かたまり」から。反対は spaced practice「分散練習」。学習心理学の重要対語。
  • transferB2
    名詞・動詞転移(する)・持ち越しTeachers hope for transfer to new topics. trans-「越えて」+ fer「運ぶ」。学習研究では「練習の効果が別の場面に及ぶこと」。
  • double-edged swordC1
    名詞(句)両刃の剣(良い面と悪い面をあわせ持つもの)Social media is a double-edged sword. 日本語の「諸刃の剣」とほぼ同じ発想。論説文で頻出の比喩表現。
英語のスピーチ、同じ話を何回くり返せばいい? 日本人の英語学習者32人の実験では、話す速さは5回目まで伸び続け、言い直しが減ったのは4回目のあとだった。ただし1回の授業で6連続は「両刃の剣」という研究も。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Lambert, Kormos & Minn (2017) Task repetition and second language speech processing, Studies in Second Language Acquisitiondoi.org
  2. Bui, Ahmadian & Hunter (2019) Spacing effects on repeated L2 task performance, Systemdoi.org
  3. Suzuki & Hanzawa (2022) Massed task repetition is a double-edged sword for fluency development, Studies in Second Language Acquisitiondoi.org
  4. Suzuki (2021) Optimizing Fluency Training for Speaking Skills Transfer: Comparing the Effects of Blocked and Interleaved Task Repetition, Language Learningdoi.org
  5. Hanzawa et al. (2026) A scoping review of oral task repetition: Evolving concepts for speaking skills development, Research Methods in Applied Linguisticsdoi.org