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留学は何か月で効果が出る? 3〜4週間でも伸びた力と、伸びにくかった力

留学は何か月で効果が出る? 3〜4週間でも伸びた力と、伸びにくかった力

読む前に予想してみよう!

留学すれば、文法も国内で勉強するより必ず大きく伸びる

研究カード(どんな研究?)
対象
スペインの英語学習者(10代〜20代)
規模
小規模
研究の種類
事前・事後比較
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

3〜4週間の短期留学でも、リスニングや話す流暢さが伸びたという研究がある。一方、個々の文法項目の伸びは、むしろ国内で学ぶ人のほうが大きかったという研究も。

ひとことで言うと短い留学でも「話す慣れ」は伸びる。でも文法は自分で勉強しないと伸びにくい!

もくじ
  1. 3〜4週間でも「耳」と「口の慣れ」は伸びた
  2. 流暢さは伸びやすい、ただし指標で差がある
  3. 文法項目の伸びは「国内組」が上だった
  4. まとめ

「留学すれば英語がペラペラになる」。一方で、「短期留学なんて観光と同じ」という声もあります。

留学には、決して安くない費用と時間がかかります。だからこそ知りたいのは、何か月行けば、どんな力が伸びるのかということですよね。

研究を見ていくと、留学には伸びやすい力と伸びにくい力がはっきりあることがわかってきました。

013〜4週間でも「耳」と「口の慣れ」は伸びた

たった1か月弱でも、毎日英語を聞き、英語で何とか用を足す経験は、「英語を英語のまま処理するスピード」を上げてくれるようです。

買い物、道案内、授業での発言。短期留学では、教科書では出会わない「その場で何か言わなければならない」場面が毎日やってきます。こうした小さな本番の積み重ねが、頭の中の英語を素早く取り出す練習になっているのかもしれません。

02流暢さは伸びやすい、ただし指標で差がある

留学と流暢さに関する研究を幅広く整理した2017年のレビューでも、話す流暢さのうち、とくに話す速さは、留学で伸びたという報告が比較的そろっています。ただし、流暢さの測り方によっては結果の向きが割れています。

ただしこのレビューは、流暢さの測り方が対象の31研究で最大75通りにも分かれていて、全体の効果を一つの数字にまとめられなかったことも指摘しています。「何か月で、どれだけ伸びる」という正確な数字を出すのは、まだ難しいのが実情です。

留学で鍛えられるのは、まず「漕ぐリズム」
留学で鍛えられるのは、まず「漕ぐリズム」

03文法項目の伸びは「国内組」が上だった

一方、意外な結果もあります。

アメリカでスペイン語を学ぶ大学生を、1学期間スペイン語圏に留学したグループと、国内で授業を受けたグループに分けて比べた研究では、個々の文法項目や語彙項目については、国内で学んだグループのほうが伸びていたのです。留学したグループは、その代わりに、話の内容を豊かに語る力などで伸びを見せました。

留学先では、多少文法がまちがっていても、言いたいことが伝われば会話は進みます。そのため、「通じる」が優先され、細かな文法は放っておかれがちなのかもしれません。

だからこそ、留学前に文法の土台を作っておき、留学中は「通じたけれど自信のなかった表現」を夜に見直して、正しい形を確認する。この組み合わせが、流暢さと正確さの両方を伸ばす近道になりそうです。

04まとめ

留学は、何か月行くかも大事ですが、何を伸ばしたいかによって期待すべき効果が変わります。

短い留学でも、耳と口の慣れは伸びやすいようです。そこに、国内でコツコツ積み上げた文法と単語が合わさったとき、留学の効果はいちばん大きくなるはずです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerStudying abroad costs a lot of time and money, so many people want to know how long it takes to make a… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

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この研究を英語で読もう

Studying abroad costs a lot of time and money, so many people want to know how long it takes to make a difference. In 2009, researchers in Spain compared Spanish teenagers and young adults before and after a three- to four-week stay in an English-speaking country. Their listening and speaking fluency improved, and those with lower starting levels made the biggest gains. A 2017 review also found that speech rate was the only fluency measure to show consistent gains.

However, grammar is a different story. In an American study, university students who studied Spanish abroad for one semester improved less on specific grammar points than students who stayed at home, although they became better at telling stories. Abroad, communication often matters more than correct grammar.

125 words ・ CEFR B1

和訳を見る

留学には多くの時間とお金がかかるので、どれくらいの期間で効果が出るのかを知りたい人は多いでしょう。2009年、スペインの研究者たちは、英語圏の国に3〜4週間滞在する前後で、スペインの10代と若い大人を比べました。彼らのリスニングと話す流暢さは伸び、開始時のレベルが低かった人ほど伸びが大きくなりました。2017年のレビューも、流暢さの指標のうち、一貫して伸びていたのは話す速さだけであることを見出しました。

しかし、文法は別の話です。アメリカのある研究では、1学期間海外でスペイン語を学んだ大学生は、国内にとどまった学生より特定の文法項目の伸びが小さかったのですが、話を語る力は伸びていました。海外では、正しい文法よりもコミュニケーションが優先されることが多いのです。

4択リーディングクイズ

Q1. According to the 2017 review, which of these showed the most consistent gains abroad?

Q2. What did the American study find about grammar?

Q3. Why might grammar improve less abroad, according to the passage?

重要単語

  • study abroadB1
    名詞(句)・動詞(句)留学(する)Study abroad can boost your confidence. abroad は副詞なので go abroad(× go to abroad)。入試の誤文訂正の定番。
  • fluencyB2
    名詞流暢さ(すらすら話せること)Her fluency improved after one month in Canada. 研究では発話速度・ポーズの長さや回数で測る。SLAの accuracy(正確さ)と対で使われる。
  • accuracyB2
    名詞正確さAccuracy did not improve as much as fluency. fluency と accuracy は対で測られることが多い。留学研究では流暢さの伸びのほうが報告されやすいが、正確さの伸びは研究によって結果が割れる。
  • at-home learnersC1
    名詞(句)国内で学ぶ学習者(留学しない比較グループ)At-home learners made more progress in grammar. 留学研究では SA(study abroad)群と AH(at home)群を比べるのが定番。
  • homestayB1
    名詞ホームステイA homestay gives you more chances to speak. host family「ホストファミリー」とセットで。滞在形態によって英語に触れる量は大きく変わる。
  • scoping reviewC2
    名詞(句)スコーピング・レビュー(研究の全体像を広く整理する文献調査)The scoping review summarized fluency research. scope「範囲」。「何がどこまで調べられているか」を地図化する手法。この論文のように、一部でメタ分析的な集計を併用することもある。
  • narrativeB2
    名詞語り・物語Students abroad told richer narratives. narrate「語る」、narrator「語り手」。スピーキングテストの「話を語る課題」も narrative task と呼ぶ。

動画でもっと知る

「短期留学なんて意味ない」は本当? スペインの研究では、3〜4週間でもリスニングと話す流暢さが伸びたらしい。ただし別の研究では、個々の文法項目は国内で勉強したグループのほうが伸びていた。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Llanes & Muñoz (2009) A short stay abroad: Does it make a difference?, Systemdoi.org
  2. Tullock & Ortega (2017) Fluency and multilingualism in study abroad: Lessons from a scoping review, Systemdoi.org
  3. Collentine (2004) The effects of learning contexts on morphosyntactic and lexical development, Studies in Second Language Acquisitiondoi.org