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赤ちゃんは大人より「子ども同士のおしゃべり」に聞き入っていた。アマゾンとスイスで同じ結果

赤ちゃんは大人より「子ども同士のおしゃべり」に聞き入っていた。アマゾンとスイスで同じ結果

読む前に予想してみよう!

赤ちゃんは、大人同士の会話より子ども同士の会話のほうを長く聞く傾向がある

研究カード(どんな研究?)
対象
生後8〜20か月の赤ちゃん(ペルー・スイス)
規模
計188人(研究1:127人、研究2:61人)
研究の種類
注視時間を測る実験
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

生後8〜20か月の赤ちゃんは、大人同士の会話より、幼い子ども同士の会話を長く聞いていた。ペルーのアマゾンの村でもスイスの都市でも同じ傾向だった。

ひとことで言うと赤ちゃんは、大人の話よりお兄ちゃんお姉ちゃんの話をよく聞いているみたい!

もくじ
  1. アマゾンの村とスイスの都会で実験
  2. 「赤ちゃん向けの大人の話し方」と互角
  3. なぜ子どもの声に引かれるの?
  4. まとめ

赤ちゃんに話しかけるとき、大人は自然と声が高くなり、ゆっくり、抑揚たっぷりになります。「マンマ、おいしいねぇ〜」というあの話し方です。

この「赤ちゃん向けの話し方」を赤ちゃんが好んで聞くことは、昔からよく知られていました。そのため、ことばの発達の研究は、長いあいだ「大人が赤ちゃんに話しかける言葉」を中心に進んできました。

でも、ちょっと考えてみてください。世界には、赤ちゃんがほかの子どもたちの声をたくさん耳にする暮らしもあります。スイス・チューリッヒ大学のチームは、そこに目をつけました。赤ちゃんは、ほかの子どものおしゃべりをどれくらい聞いているのでしょう?

01アマゾンの村とスイスの都会で実験

シピボ・コニボは、ペルーのアマゾン地域、ウカヤリ川の流域で約3万人が話す言語です。村の多くは船でしか行けず、年上の子どもが小さい子の面倒を見るのが当たり前。調べた赤ちゃんのきょうだいは平均4人近くいました。

一方、チューリッヒの赤ちゃんのきょうだいは平均0.5人ほど。暮らしぶりがまったく違う2つのグループで、同じ結果が出たのです。

02「赤ちゃん向けの大人の話し方」と互角

研究2では、スイスの赤ちゃん61人を対象に、さらに踏みこんだ比較をしました。

比べたのは、4〜5歳の子どもが1歳の子に話しかける声と、大人が赤ちゃん向けの話し方で話しかける声。赤ちゃんが大好きなはずの「大人の赤ちゃん言葉」に、子どもの声はどこまで迫れるのか?

結果は、ほぼ互角(平均約11.3秒対11.2秒)。子どもの声は、大人が工夫した話し方と同じくらい赤ちゃんの注意を引きつけていたのです。

子どもの声は、赤ちゃんにとって特別に「聞きたい音」なのかも
子どもの声は、赤ちゃんにとって特別に「聞きたい音」なのかも

03なぜ子どもの声に引かれるの?

ひとつの手がかりは声の高さです。子どもの声は大人より高く、赤ちゃん向けの話し方とよく似た特徴を持っています。

ただ研究チームは、声の高さだけでは説明しきれないと考えています。赤ちゃんは、年上の子をまねしたり、観察したりするのが大好き。そうした「子ども同士の社会的なつながり」も関係しているのではないか、というのです。

04まとめ

赤ちゃんは、大人の会話より子ども同士のおしゃべりに耳を傾けていました。しかも、その傾向はアマゾンの村でもヨーロッパの都会でも同じでした。

ことばを教えてくれるのは、パパやママだけではないのかもしれません。お兄ちゃんやお姉ちゃん、近所の子どもたち。にぎやかな子どもの声こそが、赤ちゃんにとって最高の「ことばの教室」なのかも。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMost research on how babies learn language has focused on adults speaking to them. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

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この研究を英語で読もう

Most research on how babies learn language has focused on adults speaking to them. But in many cultures, babies spend a lot of time around other children. Researchers from the University of Zurich tested 127 babies aged 8 to 20 months. Of these, 67 were from Shipibo-Konibo villages in the Peruvian Amazon and 60 were from Zurich, Switzerland.

The babies heard natural recordings of young children talking among themselves and of adults talking among themselves. In both cultures, the babies paid attention longer to the children's conversations. Attention is not proof of learning, but the researchers call it a first step. In a second study, Swiss babies listened just as long to children speaking to a baby as to adults using baby talk.

123 words ・ CEFR B1

和訳を見る

赤ちゃんがどのように言語を学ぶかについての研究の多くは、大人が赤ちゃんに話しかけることに注目してきた。しかし多くの文化では、赤ちゃんはほかの子どもたちのそばで長い時間を過ごす。チューリッヒ大学の研究者たちは、生後8〜20か月の赤ちゃん127人を調べた。そのうち67人はペルー・アマゾンのシピボ・コニボの村の赤ちゃん、60人はスイス・チューリッヒの赤ちゃんである。

赤ちゃんたちは、幼い子ども同士の会話と、大人同士の会話の自然な録音を聞いた。どちらの文化でも、赤ちゃんは子どもたちの会話のほうに長く注意を向けた。注意を向けることは学習の証明にはならないが、研究者たちはそれを最初の一歩と呼んでいる。2つ目の研究では、スイスの赤ちゃんは、子どもが赤ちゃんに話しかける声を、大人が赤ちゃん言葉を使う声と同じくらい長く聞いた。

4択リーディングクイズ

Q1. How many babies took part in the first study?

Q2. What did the second study show?

Q3. What is the researchers' view about the results?

重要単語

  • infantB2
    名詞乳児、赤ちゃんThe infants sat on their parents' laps during the test. ラテン語 infans「話せない者」が語源。infancy「乳児期」。
  • language acquisitionC1
    名詞(句)言語習得Language acquisition happens quickly in the first years of life. acquire「習得する」の名詞形。second language acquisition(SLA)は第二言語習得研究。
  • child-directed speechC1
    名詞(句)子ども向けの話し方(いわゆる赤ちゃん言葉)Child-directed speech is slow and high-pitched. motherese, parentese とも呼ばれる。高い声・ゆっくり・くり返しが特徴。
  • attentionB1
    名詞注意、注目Child speech captured the babies' attention. pay attention to ~「~に注意を払う」、capture/attract attention「注意を引く」。
  • siblingB2
    名詞きょうだいMany babies in the village had several siblings. brother と sister をまとめて言う語。sibling rivalry「きょうだい間の対抗心」。
  • peerB2
    名詞仲間、同年代の人Children often learn by watching their peers. peer pressure「仲間からの圧力」は入試頻出。動詞 peer は「じっと見る」で別の意味。
  • overlookB2
    動詞見過ごす;見渡すResearchers have long overlooked the role of other children. 「見落とす」と「(高い所から)見渡す」の2つの意味に注意。
赤ちゃんは、大人同士の会話より「3歳半〜5歳の子ども同士のおしゃべり」を長く聞いているらしい。アマゾンの村の赤ちゃんでも、スイスの都会の赤ちゃんでも同じ結果。ことばを覚える“先生”は、親だけじゃないのかも。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Schick, Daum & Stoll (2025) Input to the Language Learning Infant: The Impact of Other Children, Developmental Sciencedoi.org
  2. Fernald (1985) Four-month-old infants prefer to listen to motherese, Infant Behavior and Developmentdoi.org
  3. ManyBabies Consortium (2020) Quantifying Sources of Variability in Infancy Research Using the Infant-Directed-Speech Preference, Advances in Methods and Practices in Psychological Sciencedoi.org