テクノロジー・未来

自動運転には「レベル0〜5」がある。レベル3からは運転の“責任者”が入れ替わる

自動運転には「レベル0〜5」がある。レベル3からは運転の“責任者”が入れ替わる

読む前に予想してみよう!

日本では、条件付きでレベル4(特定条件下の完全自動運転)が法律上認められている

研究カード(どんな研究?)
対象
自動運転技術と制度
規模
国際基準・各国の制度と統計的試算
研究の種類
技術基準・政策文書・統計モデル研究
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

自動運転は0〜5の6段階。レベル2までは人間が主役、レベル3以上はシステムが運転の主役に。どこでも走れる完全自動運転(レベル5)はまだ先。

ひとことで言うと「自動運転」にも段階がある。今のクルマの多くは“お手伝い”レベル!

もくじ
  1. 自動運転の6段階をざっくり解説
  2. レベル3で「運転の主役」が交代する
  3. それでもレベル5が難しい理由
  4. まとめ

「自動運転の車がもう走っているらしい」「でもまだ実現していないとも聞く」――どっちが本当なの?と混乱したこと、ありませんか?

答えは「どっちも本当」。なぜなら自動運転には、レベル0からレベル5までの6段階があるからです。

そしてこのレベル分けには、実はとても重要な“境目”があります。それがレベル2と3の間です。

01自動運転の6段階をざっくり解説

自動運転のレベルは、米国の技術者団体 SAE(米国自動車技術会) が定めた基準 J3016 がもとになっていて、日本でも使われています。

いま一般に売られている車の「自動運転っぽい機能」の多くは、レベル2までです。手を離せる機能があっても、責任はあくまでドライバーにあります。

02レベル3で「運転の主役」が交代する

レベル2までは、人間が運転の主役で、機械はお手伝い。レベル3からは、決められた条件の中でシステムが運転の主役になります。

つまり事故が起きたとき「誰の責任?」という問題が、ここから難しくなるのです。だからこそ、レベル3以上は国の法律やルールづくりとセットで進められています。

日本では2021年に、高速道路の渋滞時などに限ってシステムが運転するレベル3の乗用車が世界に先がけて発売されました。さらに2023年4月に施行された改正道路交通法で、レベル4の運行が許可制で可能になり、同じ年に福井県永平寺町で、限られたルートを走るレベル4の移動サービスが始まりました。海外でも、米国や中国の一部の都市では、運転席に誰もいないレベル4のロボタクシーが決められたエリアで営業しています(執筆時点)。

レベルが上がるほど、運転の主役は人間からシステムへ。
レベルが上がるほど、運転の主役は人間からシステムへ。

03それでもレベル5が難しい理由

「じゃあ、どこでも走れる完全自動運転はいつ?」というと、まだ見通しは立っていません。最大の壁は、道路に無数にある「めったに起きないこと」です。

  • 工事現場で警備員が手で合図している
  • 雪で車線が見えない、逆光でカメラが見えにくい
  • ボールを追いかけて子どもが飛び出してくる
  • 信号が故障していて、人間同士が目配せで譲り合っている

人間なら「なんとなく」対応できる場面でも、AIにとってはとても難しい。こうした想定外のケースは、専門家の間で「エッジケース」と呼ばれています。

04まとめ

自動運転は「ある・ない」の二択ではなく、レベル0〜5の階段。いまは、限られた場所・条件でレベル4が動き始めた段階です。

ニュースで「自動運転」と聞いたら、「それってレベルいくつ?」「どんな条件で?」と聞き返してみてください。それだけで、話の見え方がぐっと変わります。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerPeople often talk about "self-driving cars" as if they either exist or do not, but driving automation… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

People often talk about "self-driving cars" as if they either exist or do not, but driving automation actually has six levels, from 0 to 5, based on a standard created by SAE International. At Levels 1 and 2, the car helps with steering or speed, but the human must always watch the road and is responsible for driving.

The big change comes at Level 3, when the system drives under certain conditions and the human only needs to take over when asked. At Level 4, the system drives fully within set conditions. In Japan, Level 4 operation became legal with a permit in 2023, and a service began on a limited route. However, Level 5, which works anywhere, is still not in sight.

123 words ・ CEFR B1

和訳を見る

人々はよく「自動運転車」を、あるかないかのどちらかであるかのように話しますが、運転の自動化には実は、SAEインターナショナルが作った基準に基づく0から5までの6つのレベルがあります。レベル1と2では、車はハンドル操作や速度を手伝いますが、人間は常に道路を見ていなければならず、運転の責任を負います。

大きな変化はレベル3で起こります。システムが一定の条件で運転し、人間は求められたときだけ交代すればよいのです。レベル4では、決められた条件の中でシステムが完全に運転します。日本では2023年にレベル4の運行が許可制で合法になり、限られたルートでサービスが始まりました。しかし、どこでも動くレベル5は、まだ見通しが立っていません。

4択リーディングクイズ

Q1. Who is responsible for driving at Levels 1 and 2?

Q2. What happens at Level 3?

Q3. Why does the writer say "the big change comes at Level 3"?

重要単語

  • autonomous vehicleC1
    名詞(句)自動運転車An autonomous vehicle drives without a human driver. auto-(自ら)+nomos(法)=「自分で決める」。autonomy(自律)も入試頻出。
  • liabilityC1
    名詞(法的な)責任Liability shifts from the driver to the system at Level 3. 形容詞 liable(責任がある/~しがちな)。be liable to do「~しがちだ」も要注意。
  • edge caseC1
    名詞(句)めったに起きない想定外の状況Rare edge cases are the hardest part of self-driving. edge(端)=「想定の端っこにある事例」。IT・AIの文脈で頻出。
  • sensorB1
    名詞センサーCameras and radar are important sensors. sense(感じる)+-or。sensitive(敏感な)とも同語源。
  • take overB1
    動詞(句)引き継ぐ、交代するThe driver must take over when the system asks. 名詞形は takeover(買収・乗っ取り)。take over A「Aを引き継ぐ」。
  • interveneC1
    動詞介入するThe driver must be ready to intervene at any time. inter-(間に)+vene(来る)。名詞 intervention。
  • superviseB2
    動詞監督する、見守るAt Level 2, the driver must supervise the system. super-(上から)+vise(見る)。名詞 supervision、supervisor(上司・指導教員)。

動画でもっと知る

「自動運転」って一言でいうけど、実はレベル0〜5の6段階。しかもレベル2と3の間で、運転の“責任者”が人間からクルマに入れ替わるらしい。今の多くの車はまだ「お手伝い」段階。

押すと「マジかリスト」に保存されます

出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. SAE International (2021) J3016: Taxonomy and Definitions for Terms Related to Driving Automation Systems for On-Road Motor Vehiclessae.org
  2. Kalra & Paddock (2016) Driving to safety: How many miles of driving would it take to demonstrate autonomous vehicle reliability?, Transportation Research Part Adoi.org
  3. Kalra & Paddock (2016) Driving to Safety, RAND Corporationdoi.org
  4. 警察庁: 自動運転npa.go.jp