【実話】1954年、ソファで昼寝中の女性に隕石が直撃した

読む前に予想してみよう!
隕石が人に当たったという確かな記録は、歴史上ひとつもない
1954年のアン・ホッジスさんの例は、医師の診察や隕石そのもの、当時の学術報告が残る、確かな記録として知られている。
- 対象
- 1954年シラコーガ隕石落下事件
- 規模
- 1件の事例(当時の調査記録)
- 研究の種類
- 事例報告+歴史記録
- 確かさ
- ★★★☆☆
1954年、米アラバマ州で屋根を突き破った約4kgの隕石が、ソファで休む女性に当たった。大きなあざで済み、記録が確かな「隕石に当たった人」の代表例に。
ひとことで言うとむかしアメリカで、家の屋根をつきぬけた隕石が人に当たったよ。
1954年11月30日の午後。アメリカ南部・アラバマ州の小さな町シラコーガで、アン・ホッジスさんは、居間のソファで毛布をかけて昼寝をしていました。
そのとき──。ドーン! 屋根を突き破って、何かが部屋に飛び込んできたのです。
それは、宇宙からやってきた隕石でした。
01屋根を突き破り、ラジオに跳ね返って…
落ちてきたのは、約4kgの黒っぽい石。軽めのボウリングの玉くらいの重さです。
隕石は屋根と天井を突き破り、部屋の大きなラジオに当たって跳ね返り、ソファにいたホッジスさんの腰のあたりに直撃しました(手にもあざができたと伝えられています)。
ホッジスさんの体には、隕石の形がわかるほどの大きなあざができました。それでも、ラジオで勢いが弱まっていたおかげもあり、命に別状はありませんでした。

02町じゅうが大騒ぎに
当時の住民の中には、空に明るい火の玉が走るのを見た人や、大きな爆発音を聞いた人もいました。
ホッジスさんの家にはたくさんの人が押し寄せ、思いがけない注目を浴びることに。さらに、隕石を「だれのものか」をめぐって、家の大家さんとのあいだで争いまで起きてしまいました。
結局、隕石はホッジスさん側の手に渡り、のちにアラバマ自然史博物館に寄贈されました。いまもこの隕石は、町の名をとってシラコーガ隕石と呼ばれています。
事件の直後には、地質学者のスウィンデルとジョーンズが学術誌『Meteoritics』に、「人にけがをさせた最近の隕石落下」としてこの隕石の調査報告を載せています。科学的な記録が早い段階で残されたことも、この事例が「確かな記録」とされる理由です。
ちなみに翌日、近くの農家の人が同じ隕石の別のかけらを見つけています。隕石は空中で割れて、いくつかの破片になって落ちていたのです。
03隕石に当たる確率は?
「隕石に当たる」ことは、どれくらい珍しいのでしょう?
地球には、毎日たくさんの宇宙の砂やちりが降ってきています。でもその多くは大気に突入するときの高熱で燃えつきてしまい、地上に届くものはわずか。さらに地球の表面の約7割は海、陸地の多くも人がいない場所です。
そのため、隕石が人に直接当たり、しかも確かな記録が残っている例は、ほとんどありません。ホッジスさんの例は、医師が診察したことが伝えられ、隕石そのものや事件直後の学術報告も残っている点で、とても貴重なのです。
04直撃より怖い「衝撃波」
隕石の危険は、直撃だけではありません。
2013年2月、ロシアのチェリャビンスク上空で、直径20m近い小惑星が大気圏に突入し、空中で爆発しました。その衝撃波で建物の窓ガラスが広い範囲で割れ、1000人を超える人がけがをしました。その多くは、割れたガラスによるものでした。ロシアのポポワらは2013年に学術誌『Science』で、この被害の広がりや回収された隕石を詳しく分析しています。
05まとめ
- 1954年、アラバマ州で約4kgの隕石が屋根を突き破り、昼寝中の女性に当たった
- 大きなあざで済み、記録が確かな「隕石に当たった人」として知られる
- 直撃はとても珍しいが、衝撃波による被害は現実に起きている
隕石が自分に当たる確率は、ほとんど心配しなくていいほど小さいもの。でも、ゼロではない。宇宙は、思っているよりずっと身近なのです。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerOn the afternoon of November 30, 1954, Ann Hodges was taking a nap on her sofa in Sylacauga, Alabama, when…
音声
4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
On November 30, 1954, Ann Hodges was resting on her sofa in Alabama, in the United States. Suddenly, a black stone from space crashed through the roof of her house. It weighed about 4 kilograms.
It hit a big radio and then hit her near her hip. She got a large bruise, but she survived. Today, people still talk about her as someone who was really hit by a meteorite.
70 words ・ CEFR A2
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1954年11月30日、アン・ホッジスさんはアメリカのアラバマ州で、ソファで休んでいました。突然、宇宙から来た黒い石が、家の屋根を突き破りました。重さは約4kgでした。
石は大きなラジオに当たり、それから彼女の腰のあたりに当たりました。彼女は大きなあざができましたが、命は助かりました。今でも人々は、本当に隕石に当たった人として彼女のことを語り継いでいます。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
1954年に隕石に当たったアン・ホッジスさんの話なので B。
Q2. What did the stone hit before it hit Ann Hodges?
It hit a big radio and then hit her とあるので A。
Q3. In this passage, "survived" means she ...
survive は「生き延びる・助かる」。大きなあざはできたが命は無事だったという意味なので D。
On the afternoon of November 30, 1954, Ann Hodges was taking a nap on her sofa in Sylacauga, Alabama, when a meteorite of about 4 kilograms smashed through her roof and ceiling. It bounced off a large radio and struck her near the hip, leaving a huge bruise. Because the radio had slowed it down, her life was not in danger.
Some local people had seen a bright fireball in the sky or heard a loud explosion. Soon after the event, two geologists published a scientific report on the meteorite, and the next day a farmer found another piece nearby. Cases like this are extremely rare, because most space rocks burn up in the atmosphere, and about 70 percent of Earth's surface is ocean.
124 words ・ CEFR B1
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1954年11月30日の午後、アン・ホッジスさんがアラバマ州シラコーガでソファに横になって昼寝をしていると、約4kgの隕石が屋根と天井を突き破ってきました。隕石は大きなラジオに当たって跳ね返り、彼女の腰のあたりを直撃して、大きなあざを残しました。ラジオで勢いが弱まっていたので、命に危険はありませんでした。地元の人の中には、空に明るい火の玉を見たり、大きな爆発音を聞いたりした人もいました。
事件の直後、2人の地質学者がこの隕石についての科学的な報告を発表し、翌日には近くで農家の人が別のかけらを見つけました。こうした事例はきわめてまれです。宇宙の岩のほとんどは大気中で燃えつき、地球の表面の約70%は海だからです。
4択リーディングクイズ
Q1. Why was Ann Hodges's life not in danger?
Because the radio had slowed it down, her life was not in danger. とあるので C。
Q2. What did a farmer find the next day?
the next day a farmer found another piece nearby とあるので A。
Q3. Why are cases like Ann Hodges's extremely rare?
most space rocks burn up in the atmosphere, and about 70 percent of Earth's surface is ocean とあるので D。A は never が言い過ぎ。
On November 30, 1954, a meteorite of about 4 kilograms tore through the roof of a house in Sylacauga, Alabama, ricocheted off a radio cabinet, and struck Ann Hodges as she rested on her sofa. She was left with a severe bruise but survived, partly because the radio had absorbed some of the impact.
The event has become one of the most reliably documented cases of a human being struck by a meteorite, since a doctor examined her, and both the rock and an early report by two geologists survive. Such cases are rare: most incoming material burns up in the atmosphere, and the majority of Earth's surface is ocean or uninhabited land. Other evidence suggests the danger is not merely theoretical.
In 2020, researchers reported Ottoman archive documents describing a man killed by a meteorite in present-day Iraq in 1888, although no meteorite from that event has been examined. A greater threat may come from airbursts. In 2013, an asteroid nearly 20 meters across exploded over Chelyabinsk, Russia, and its shock wave shattered windows, injuring more than 1,000 people, mostly with broken glass. Events of that size are estimated to occur roughly once every few decades to a century.
200 words ・ CEFR B2
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1954年11月30日、約4kgの隕石がアラバマ州シラコーガの家の屋根を突き破り、ラジオのキャビネットに当たって跳ね返り、ソファで休んでいたアン・ホッジスさんに当たりました。彼女はひどいあざを負いましたが命は助かりました。その理由のひとつは、ラジオが衝撃の一部を吸収していたことです。
この出来事は、人が隕石に当たった事例の中で最も確かな記録のひとつになっています。医師が彼女を診察しており、隕石そのものと、2人の地質学者による事件直後の報告の両方が残っているからです。こうした事例はまれです。地球に入ってくる物質のほとんどは大気中で燃えつき、地球の表面の大部分は海か人の住んでいない土地なのです。一方で、危険が単なる理論上のものではないことを示す証拠もあります。
2020年、研究者たちは、1888年に現在のイラクで男性が隕石によって死亡したと記すオスマン帝国の古文書を報告しました。ただし、その出来事の隕石は調べられていません。さらに大きな脅威は空中爆発かもしれません。2013年、直径20m近い小惑星がロシアのチェリャビンスク上空で爆発し、その衝撃波で窓ガラスが割れ、1000人を超える人がけがをしました。その多くは割れたガラスによるものでした。この規模の出来事は、数十年から100年に1回程度起こると見積もられています。
4択リーディングクイズ
Q1. Why is the Hodges case considered so reliable?
since a doctor examined her, and both the rock and an early report by two geologists survive とあるので A。
Q2. What caution does the author give about the 1888 case?
although no meteorite from that event has been examined とあり、記録は古文書のみで実物が確認されていないので C。
Q3. What point does the author make about airbursts like Chelyabinsk?
A greater threat may come from airbursts とあり、衝撃波で1000人以上がけがをした例を挙げているので D。B は本文に頻度の比較がない。
重要単語
- meteoriteB2名詞隕石The meteorite is now in a museum.
meteor は「流れ星」、地上に落ちて残ったものが meteorite。meteorology(気象学)も同語源で「空中のもの」。 - bruiseB2名詞・動詞あざ/あざをつけるShe had a large bruise on her hip.
発音は /bruːz/(ブルーズ)。ui のつづりは fruit, juice と同じく「ウー」。 - fireballB2名詞火球(非常に明るい流れ星)People saw a bright fireball in the sky.
fire+ball で意味が推測しやすい。爆発の「火の玉」にも使う。 - shock waveB2名詞(句)衝撃波The shock wave broke many windows.
send shock waves through ~「~に衝撃を与える」という比喩表現も報道英語で頻出。 - documentB2動詞記録するThe case was well documented by scientists.
名詞「文書」だけでなく動詞でも使う。well-documented「十分に記録された・裏づけのある」は論説文の頻出語。 - ricochetC1動詞跳ね返るThe stone ricocheted off the radio.
フランス語由来で発音は /ˈrɪkəʃeɪ/(リコシェイ)。弾丸や石が当たって跳ね返るときに使う。bounce off とほぼ同じ。 - shatterB2動詞粉々にする・粉々になるThe blast shattered windows across the city.
ガラスなどが「粉々に割れる」。比喩で shatter one's dreams「夢を打ち砕く」とも言う。
動画でもっと知る
動画は各チャンネルの公式埋め込みで表示しています(YouTube)。
公式・一次情報をチェック
- Meteors and Meteorites: Facts(NASA Science)science.nasa.gov
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1954年、アメリカ・アラバマ州。ソファで昼寝していた女性の家の屋根を、約4kgの隕石が突き破った。ラジオに跳ね返って彼女の腰に直撃。大きなあざで済んだけど、記録が確かな「隕石に当たった人」として今も語り継がれている。
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出典・参考文献(4件)タップで表示
- Swindel & Jones (1954) The Sylacauga, Talladega County, Alabama, aerolite: A recent meteoritic fall that injured a human being, Meteoriticsdoi.org
- Unsalan et al. (2020) Earliest evidence of a death and injury by a meteorite, Meteoritics & Planetary Sciencedoi.org
- Popova et al. (2013) Chelyabinsk Airburst, Damage Assessment, Meteorite Recovery, and Characterization, Sciencedoi.org
- NASA, Meteors and Meteorites: Facts, NASA Sciencescience.nasa.gov
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。










