心理学ホント

【悲報】人が嘘を見抜ける確率は54%。コイン投げとほぼ同じだった

【悲報】人が嘘を見抜ける確率は54%。コイン投げとほぼ同じだった

読む前に予想してみよう!

嘘をついている人は、目をそらすことが多い

研究カード(どんな研究?)
対象
大学生・警察官など
規模
206件の研究・判定者約2万4千人
研究の種類
メタ分析
確かさ
★★★★★
3秒でわかる

206件の研究をまとめると、人が嘘と本当を見分けられた正答率は平均54%。偶然の50%をわずかに上回る程度で、「目をそらすのは嘘のサイン」も根拠は弱い。

ひとことで言うと嘘を見抜く力は、ほぼコインの表か裏を当てるのと同じくらい!

もくじ
  1. 2万4千人分の「嘘判定」をまとめたら…
  2. 「目をそらすのは嘘のサイン」はほぼ迷信
  3. プロでも見抜けない?
  4. 見るなら「しぐさ」より「話の中身」
  5. まとめ

「嘘ついてるでしょ。目が泳いでるもん」

友だちや家族の嘘、見抜ける自信はありますか? 多くの人は「わりと見抜ける」と思っています。

ところが、心理学の研究をまとめると、人が嘘を見抜ける確率はコイン投げとほとんど変わらないことがわかりました。

012万4千人分の「嘘判定」をまとめたら…

54%というのは、偶然よりはほんの少しだけマシというレベル。100回判定しても、当たりがコイン投げより4回多いくらいです。

おもしろいのは、嘘の見抜き率(47%)が半分を下回っていること。人はもともと「相手は本当のことを言っている」と信じやすい傾向があり、これを「真実バイアス」と呼びます。

たとえるなら、人の脳は「疑うより信じる」に初期設定されているようなもの。社会で暮らすには、いちいち人を疑っていたら疲れてしまうからかもしれません。

02「目をそらすのは嘘のサイン」はほぼ迷信

ところが、2003年にデパウロさんらが嘘の手がかりに関する研究を大量にまとめたところ、目をそらすことと嘘の関係はほとんど見られませんでした。

それどころか、多くの「しぐさ」は嘘との関係がとても弱いか、ほぼゼロ。そわそわする、手を触る、といった行動も、緊張しているだけの正直な人にもよく見られます。

しぐさをいくら観察しても、嘘はなかなか見抜けない
しぐさをいくら観察しても、嘘はなかなか見抜けない

03プロでも見抜けない?

「警察官や面接官なら見抜けるのでは?」と思いますよね。でも、ボンドさんとデパウロさんの分析では、こうした専門家も一般の人と大きな差はなかったと報告されています。

むしろ専門家は「自分は見抜ける」という自信だけが高いことも。自信と正確さは別物、というのも大事な教訓です。自信と正確さは別物、というのも大事な教訓です。

04見るなら「しぐさ」より「話の中身」

では、嘘を見抜くのは不可能なのでしょうか?

イギリスの大学で研究する心理学者ヴレイさんらは、話の中身に注目する方法を研究してきました。たとえば、出来事を時間を逆の順番で話してもらうと、嘘をついている人は頭の負担が大きくなり、ぼろが出やすくなるという研究があります。

嘘をつくのは、頭の中で作り話を管理し続ける大変な作業。その負担を増やすと、ちがいが出やすくなる、という考え方です。ただし、この「認知的負荷」アプローチがどこまで実際の取り調べで役立つかは、研究者の間でまだ議論が続いています。

なぜ人はこんなに見抜けないのか。2011年のメタ分析(Hartwig & Bond)の答えは意外なものでした。「私たちが間違ったサインを見ているから」というより、そもそも嘘と本当を分ける、目に見えるサイン自体がとても弱いから、というのです。見る側の能力不足というより、手がかりが乏しいのが根本原因なのです。

05まとめ

人が嘘を見抜ける確率は約54%。ほぼコイン投げです。しかも「目をそらす」などの有名なサインは、あまり当てになりません。

「自分は嘘を見抜ける」と思っている人ほど、要注意。見抜く自信より、確かめる仕組みを持つことが、いちばん賢い嘘対策なのかもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMost of us believe we can spot a liar, but research tells a different story. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Most of us believe we can spot a liar, but research tells a different story. In 2006, two American psychologists combined the results of 206 studies involving about 24,000 judges. On average, people correctly identified lies and truths only 54% of the time, just slightly better than the 50% you would get by chance. They recognized true statements more often than false ones, because people tend to assume others are honest. This is called truth bias.

Another surprise is that looking away, the most widely believed sign of lying around the world, has almost no connection with deception. Even police officers did not perform much better than ordinary people.

109 words ・ CEFR B1

和訳を見る

私たちのほとんどは、嘘つきを見抜けると信じていますが、研究は違う話を伝えています。2006年、2人のアメリカの心理学者が、約2万4千人の判定者が参加した206件の研究結果をまとめました。平均すると、人々が嘘と本当を正しく見分けられたのは54%だけで、偶然に得られる50%をわずかに上回る程度でした。人は他人が正直だと思い込みやすいため、嘘よりも本当の発言を正しく見分けることのほうが多くありました。これは「真実バイアス」と呼ばれます。

もう1つの驚きは、世界中で最も広く信じられている嘘のサインである「目をそらすこと」が、ごまかしとほとんど関係がないことです。警察官でさえ一般の人より大きく優れているわけではありませんでした。

4択リーディングクイズ

Q1. What did the 2006 analysis find?

Q2. What is "truth bias"?

Q3. What can we infer about police officers from the passage?

重要単語

  • deceptionC1
    名詞ごまかし、欺くことThe magician's trick was a clever deception. 動詞 deceive(だます)、形容詞 deceptive(人を欺く・見かけ倒しの)。receive/reception と同じ変化。
  • accuracyB2
    名詞正確さThe accuracy of the test was about 90 percent. 形容詞 accurate。with accuracy=accurately。precision(精密さ)との違いも評論で出る。
  • cueB2
    名詞手がかり、合図A smile can be a cue that someone is happy. queue(行列)と同じ発音 /kjuː/。nonverbal cue=非言語的な手がかり。
  • eye contactB1
    名詞(句)視線を合わせることMaking eye contact shows you are listening. make / avoid eye contact で使う。gaze aversion は「視線回避」の学術的な言い方。
  • chance levelC1
    名詞(句)偶然の水準His score was close to chance level. by chance(偶然に)。研究で「当てずっぽうと同じ程度」を表す定番表現。
  • laypersonC1
    名詞素人、一般の人The report was written for laypeople, not experts. 複数形は laypeople。in layman's terms=「素人にもわかる言葉で」。
  • generalizeB2
    動詞一般化するWe cannot generalize from one small study. generalize from ~ / to ~ の形で。名詞 generalization。研究の限界を述べる英文で頻出。

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4コマでわかる

【悲報】人が嘘を見抜ける確率は54%。コイン投げとほぼ同じだったの4コマ漫画
人が嘘を見抜ける確率、2万4千人分の判定をまとめた研究では平均54%。コイン投げの50%とほぼ同じだったらしい。しかも世界中で信じられている「嘘つきは目をそらす」も、あまり当てにならないんだとか。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Bond & DePaulo (2006) Accuracy of deception judgments, Personality and Social Psychology Reviewdoi.org
  2. DePaulo et al. (2003) Cues to deception, Psychological Bulletindoi.org
  3. Global Deception Research Team (2006) A world of lies, Journal of Cross-Cultural Psychologydoi.org
  4. Hartwig & Bond (2011) Why do lie-catchers fail? A lens model meta-analysis of human lie judgments, Psychological Bulletindoi.org
  5. Vrij et al. (2008) Increasing cognitive load to facilitate lie detection: The benefit of recalling an event in reverse order, Law and Human Behaviordoi.org