英語日記は効く? 研究でわかった「書くだけで伸びる力」と「直してもらわないと伸びない力」

読む前に予想してみよう!
英語日記は、書きっぱなしでも文法の間違いがどんどん自然に減っていく
書くことで表現の穴に気づく効果はあるが、自分では気づけない誤りも多い。添削(フィードバック)を受けると正確さが伸びることがメタ分析で示されている。
- 対象
- 英語などの第二言語学習者
- 規模
- 数十〜数百人の研究多数
- 研究の種類
- 理論的レビュー+実験研究+メタ分析
- 確かさ
- ★★★☆☆
書くことは、話すよりゆっくり考えられるので文法に目が向きやすく、言葉の「穴」にも気づける。ただし正確さを伸ばすには、ときどき添削を受けるのが効果的。
ひとことで言うと英語日記で「書く力」は育つ。でも、たまに直してもらうともっと伸びる!
「英語日記をつけよう!」
英語学習の定番アドバイスです。1日3行でいい、スマホのメモでもいい。手軽に始められるのが魅力ですよね。
でも、本当に英語力は伸びるのでしょうか。研究を見ていくと、英語日記には書くだけで伸びる部分と、それだけでは伸びにくい部分があることが見えてきました。
01「書く」は、ゆっくりできるアウトプット
まず、書くことそのものの力から。
アメリカの研究者ウィリアムズは2012年の論文で、書くことが第二言語の発達を助ける理由を整理しました。ポイントは、話すことと比べたときの2つの特徴です。
- ゆっくり考えられる:会話と違って、相手を待たせない。単語や文法を選ぶ時間がある
- 文字として残る:書いた文を見直し、比べ、直すことができる
この2つのおかげで、書いているときは意味だけでなく「形」(文法やつづり)にも注意を向けやすい。言いたいのに書けない表現に出会えば、自分の知識の穴にも気づけます。
スペインの研究者マンチョンらは、こうした「書くことで言語を学ぶ(writing-to-learn)」という視点の研究をまとめ、書くことを単なる作文練習ではなく、言語習得の場として捉え直しています。
02「書く前に考える」と、文が豊かになる
日記に当てはめると、「何を書くかを先に決める」と量や表現の幅が広がり、「急がず見直しながら書く」と正確さが上がる、ということです。

03弱点:自分の間違いには気づけない
ただし、英語日記の大きな弱点は、自分では気づけない間違いがあることです。気づけない誤りは、何度書いても直りません。むしろ、同じ間違いをくり返して定着させてしまうおそれもあります。
ここで力を発揮するのが添削(フィードバック)です。書いた英語の誤りを指摘してもらう効果を調べた研究を集めた2015年のメタ分析では、添削は書く英語の文法の正確さを高めると結論されました。
つまり、英語日記は「書く習慣」だけでは半分。ときどき誰かに直してもらうことで、ようやく両輪がそろいます。
04まとめ
英語日記は、ゆっくり考えながら英語を作る、とても良い練習です。書くことで、話すときには素通りしていた文法に目が向き、自分の穴も見えてきます。
ただし、正確さを伸ばすにはフィードバックという相棒が必要。「書く習慣」と「ときどき直してもらう」をセットにすれば、英語日記はとても頼れる独学ツールになります。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIs keeping an English diary worth it?
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4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
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Keeping a diary in English is a popular way to study. Is it useful? Researchers say writing is slower than speaking, so you have time to think about grammar. Your words also stay on the page, so you can check them again.
But there is a problem. You cannot find all your own mistakes. Getting corrections from a teacher sometimes helps you write more correctly.
65 words ・ CEFR A2
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英語で日記をつけることは、人気のある勉強法です。それは役に立つのでしょうか。研究者たちによると、書くことは話すことよりゆっくりなので、文法について考える時間があります。また、書いた言葉はページに残るので、もう一度確かめることができます。
しかし、問題があります。自分の間違いをすべて見つけることはできないのです。ときどき先生に直してもらうと、より正しく書けるようになります。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
英語日記の良い点(考える時間、記録が残る)と弱点(自分の間違いに気づけない)の話なので C。
Q2. What is the problem with writing alone?
But there is a problem. You cannot find all your own mistakes. とあるので A。
Q3. In this passage, "correctly" means ...
correct(正しい)の副詞で「正しく、間違いなく」。直前の mistakes と対になっているので B。
Is keeping an English diary worth it? In 2012, the American researcher Williams explained two features that make writing useful for language learning. First, writers can take their time to choose words and grammar. Second, writing stays on the page, so learners can review and correct it.
Because of this, writers notice both meaning and form, and they discover expressions they cannot yet produce. A 2004 study found that learners who planned for ten minutes before writing wrote more and used more varied sentences. However, learners cannot find all of their own errors. A 2015 meta-analysis showed that written corrections improve grammatical accuracy.
103 words ・ CEFR B1
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英語日記をつける価値はあるのでしょうか。2012年、アメリカの研究者ウィリアムズは、書くことを言語学習に役立つものにする2つの特徴を説明しました。第一に、書き手は時間をかけて単語や文法を選ぶことができます。第二に、書いたものはページに残るので、学習者は見直して直すことができます。
このため、書き手は意味と形の両方に気づき、まだ自分では作れない表現を発見します。2004年の研究では、書く前に10分間計画した学習者は、より多く書き、より多様な文を使いました。しかし、学習者は自分の誤りをすべて見つけることはできません。2015年のメタ分析は、文章の添削が文法の正確さを高めることを示しました。
4択リーディングクイズ
Q1. Which feature of writing did Williams mention?
Second, writing stays on the page, so learners can review and correct it. とあるので D。B・C は本文と逆。
Q2. What happened to the learners who planned for ten minutes before writing?
learners who planned for ten minutes before writing wrote more and used more varied sentences とあるので B。
Q3. What would the author most likely recommend?
書くことには利点があるが、自分では誤りをすべて見つけられず、添削が正確さを高めるので、両方を組み合わせる C。
English diaries are a staple of self-study advice, but what can they actually achieve? In a 2012 article, Williams argued that writing supports second language development because, unlike conversation, it is slow and leaves a permanent record. Writers have time to select words and structures, and they can reread, compare and revise what they have written, which encourages attention to form as well as meaning and helps them notice gaps in their knowledge.
Manchón and colleagues similarly treat writing not merely as composition practice but as a site for language learning. Research on planning adds practical detail. In 2004, Ellis and Yuan found that Chinese learners of English who planned for ten minutes before writing a story produced more text with greater complexity, whereas those allowed unlimited time to think while writing made fewer errors.
The main weakness of diary writing is that learners cannot detect errors they do not know they are making, and repeating them may reinforce them. A 2015 meta-analysis concluded that written corrective feedback improves accuracy. Note, however, that few studies have tested diary writing itself; these conclusions are drawn from related research, and some scholars dispute the value of written correction.
196 words ・ CEFR B2
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英語日記は独学のアドバイスの定番ですが、実際に何を達成できるのでしょうか。2012年の論文で、ウィリアムズは、書くことは会話と違ってゆっくりで、永続的な記録が残るため、第二言語の発達を支えると論じました。書き手は単語や構文を選ぶ時間があり、書いたものを読み返し、比べ、書き直すことができます。そのため、意味だけでなく形にも注意が向き、自分の知識の穴に気づきやすくなります。
マンチョンらも同様に、書くことを単なる作文練習ではなく、言語学習の場として捉えています。計画に関する研究は、実践的な詳細を加えています。2004年、エリスとユアンは、物語を書く前に10分間計画した中国の英語学習者はより多くの文章をより複雑な形で書いた一方、書きながら考える時間を無制限に与えられた学習者は誤りが少なかったことを見いだしました。
日記の主な弱点は、学習者は自分が犯していると気づいていない誤りを見つけられず、それをくり返すことで定着させてしまうおそれがあることです。2015年のメタ分析は、文章による訂正フィードバックが正確さを高めると結論づけました。ただし、日記を書くこと自体を検証した研究は少ないことに注意してください。これらの結論は関連する研究から導かれたものであり、文章による訂正の価値に異議を唱える研究者もいます。
4択リーディングクイズ
Q1. According to Williams, why does writing support language development?
because, unlike conversation, it is slow and leaves a permanent record とあるので A。
Q2. In Ellis and Yuan's study, what was the advantage of unlimited time while writing?
those allowed unlimited time to think while writing made fewer errors とあるので D。A と B は事前に計画したグループの結果。whereas の前後を区別するのがポイント。
Q3. What caution does the author add at the end?
few studies have tested diary writing itself; these conclusions are drawn from related research とあるので B。C は「無意味と証明」が言い過ぎで、異議を唱える研究者もいる、にとどまる。
重要単語
- journalB1名詞日記・記録I keep a journal in English.
keep a journal / diary「日記をつける」。「学術誌」の意味もあり、研究紹介の長文ではこちらが多い。 - draftB2名詞・動詞下書き/下書きするMy first draft had many mistakes.
first draft「初稿」、final draft「最終稿」。「徴兵」「すきま風」の意味もある多義語。 - reviseB2動詞見直す・書き直すI revised my diary entry after class.
re(再び)+vise(見る)。イギリス英語では「(試験に向けて)復習する」の意味も。名詞 revision。 - accuracyB2名詞正確さFeedback improved her accuracy.
形容詞 accurate。fluency(流暢さ)、complexity(複雑さ)と並ぶ言語能力の指標。 - pre-task planningC1名詞(句)書く(話す)前の計画Pre-task planning made the stories longer.
pre-(前)+task(課題)。書きながらの計画は online planning と呼ばれる。 - permanenceC1名詞永続性・残ることWriting has permanence, unlike speech.
形容詞 permanent(永続的な)。反対は temporary(一時的な)。 - reinforceC1動詞強化する、定着させるRepeating a mistake may reinforce it.
re(再び)+in+force(力)。名詞 reinforcement。心理学では「強化」として頻出。
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英語日記は効くのか? 研究者によると、書くことは話すよりじっくり考えられ、文字として残るので、文法に注意が向きやすい「学びの場」になるらしい。ただし書きっぱなしでは間違いに気づけない。添削が文法の正確さを高めることはメタ分析で示されている。
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出典・参考文献(4件)タップで表示
- Williams (2012) The potential role(s) of writing in second language development, Journal of Second Language Writingdoi.org
- Manchón (Ed.) (2011) Learning-to-Write and Writing-to-Learn in an Additional Language, John Benjaminsdoi.org
- Ellis & Yuan (2004) The Effects of Planning on Fluency, Complexity, and Accuracy in Second Language Narrative Writing, Studies in Second Language Acquisitiondoi.org
- Kang & Han (2015) The Efficacy of Written Corrective Feedback in Improving L2 Written Accuracy: A Meta-Analysis, The Modern Language Journaldoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。







