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【時事英単語】ニュース頻出英単語帳

【時事英単語 “supersede”とは?】supersedeの意味や使い方は?

【スクリプト】

Geoffrey Hinton, a computer scientist who helped develop early artificial intelligence, left his job at Google with a message.

SUPERSEDE

Hinton spoke of the risk caused by computers that may soon supersede human intelligence. He said they will have learned from us by reading all the books and stories that ever were.

The verb supersede means to force out and replace with something better — maybe something stronger or smarter. Supersede comes from an old Latin word meaning “to sit on top of.”

【日本語訳】

AIの先駆者ジェフリー・ヒントン氏、警告を残してグーグルを退社

初期の人工知能開発に貢献したコンピューター科学者のジェフリー・ヒントン氏が、メッセージを残してグーグルを退職しました。

SUPERSEDE(凌駕する、取って代わる)

ヒントン氏は、近い将来、人間の知能を凌駕するかもしれないコンピューターがもたらすリスクについて語りました。コンピューターは今までに書かれたすべての本や物語を読むことで、私たちから学習するだろうと彼は言います。

動詞のsupersedeは、何かをより良いもの(おそらくより強力なものやより賢いもの)で強制的に排除し、置き換えることを意味します。supersedeは「上に座る」を意味する古いラテン語に由来しています。

【単語・熟語チェック】

・pioneer 先駆者、開拓者
・artificial intelligence (AI) 人工知能
・leave 去る、辞める
・message メッセージ
・risk リスク、危険性
・cause 引き起こす、原因となる
・human 人間の
・intelligence 知能
・force out 追い出す、排除する
・replace 取り替える、置き換える
・on top of ~の上に

【単語解説】

・supersede
⇒「凌駕する、取って代わる」という意味の動詞。何かがより優れたもので置き換えられることを表します。名詞形はsupersession。語源はラテン語のsupersedere「座る、控える」に由来し、「上に座る、優越する」という意味合いがあります。

・artificial intelligence (AI)
⇒「人工知能」を意味する言葉。コンピューターに人間のような知的能力を持たせる技術や研究分野を指します。語源は、ラテン語のartificialis「人工の」と intelligentia「知性、理解力」を組み合わせた造語です。

【OXFORD辞書チェック】

supersede
/ˌsuːpəˈsiːd/
/ˌsjuːpərˈsiːd/ US

verb
[transitive]
to replace something, especially something older or more old-fashioned
何か、特に古いものや時代遅れのものを置き換える
例: “Typewriters have now been superseded by word processors.”(タイプライターは現在ワープロに取って代わられた)

Word Origin
late 15th century (in the sense ‘postpone, defer’): from Old French superseder, from Latin supersedere ‘be superior to’, from super- ‘above’ + sedere ‘sit’. The current sense dates from the mid 17th century.

【原田英語メモ】

AI分野の第一人者であるヒントン氏のグーグル退社は、AIの発展に警鐘を鳴らす象徴的な出来事として注目を集めました。ヒントン氏は、AIが人間の知性を超える「特異点(シンギュラリティ)」の到来を危惧し、AIの制御可能性やリスク管理の重要性を訴えたのです。

ヒントン氏は、ディープラーニングの基礎を築いた研究者の一人であり、「AIの父」とも称されています。彼の研究はAIの発展に大きく寄与してきましたが、同時にAIの負の側面についても警鐘を鳴らし続けてきました。AIが兵器に悪用されたり、雇用を奪ったりする可能性を指摘し、倫理的な規制の必要性を説いてきたのです。

今回の退社劇には、AIの技術的進歩とそれに伴う社会的影響の拡大に対する危機感が表れています。ヒントン氏は、AIが自律的に学習し、人間の制御を超えて独り歩きを始める可能性を危惧しているのです。AIに膨大な情報を学習させ続ければ、いずれ人間の知性をsupersede(凌駕)するかもしれないというわけです。

一方で、ヒントン氏はAI開発そのものを止めるべきだとは考えていません。AIのポテンシャルを生かしつつ、リスクを最小化するためのガイドラインづくりが肝要だと指摘します。技術の発展と歩調を合わせた法的・倫理的議論を深め、AIと人間が共生できる未来を模索していくことが求められているのです。

AI時代の幕開けを告げるヒントン氏の決断。人類にとって、AIとどう向き合っていくかが改めて問われる契機となりそうです。