【スクリプト】
Russian Opposition Leader Alexei Navalny Dies in Arctic Prison
On February 16, Russia announced that Russian opposition leader Alexei Navalny had died in an Arctic prison.
CRUSADE
People around the world gathered to remember Navalny. He led a crusade against official corruption in Russia and organized anti-Kremlin protests. President Joe Biden and Navalny’s wife, Yulia blamed his death on Russian President Vladimir Putin.
A crusade is an especially intense campaign for social change. The historical Crusades were Christian wars against non-Christians that took place from about 1100 to 1300.
【日本語訳】
ロシア反体制派指導者ナワリヌイ氏、北極圏の刑務所で死亡
2月16日、ロシアは反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が北極圏の刑務所で死亡したと発表しました。
改革運動
世界中の人々がナワリヌイ氏を偲ぶために集まりました。彼はロシアの公的腐敗に対する改革運動を率い、クレムリン反対デモを組織していました。ジョー・バイデン大統領とナワリヌイ氏の妻であるユリアさんは、彼の死をロシアのウラジーミル・プーチン大統領のせいだとしています。
crusadeとは、社会変革のための特に熱心な運動のことです。歴史的な十字軍は、1100年頃から1300年頃にかけて行われたキリスト教徒による非キリスト教徒との戦いでした。
【単語・熟語チェック】
・opposition 反対、反体制派
・leader 指導者
・die 死ぬ
・Arctic 北極の
・prison 刑務所
・crusade 改革運動、十字軍
・gather 集まる
・remember ~を偲ぶ、思い出す
・lead 率いる、指導する
・corruption 腐敗
・organize 組織する
・protest デモ、抗議
・blame A on B Aの責任をBに負わせる
・especially 特に
・intense 熱心な、強烈な
・campaign 運動
・social 社会の
・change 変化
・historical 歴史的な
・Christian キリスト教の
・war 戦争
・non-Christian 非キリスト教徒
・take place 起こる
【単語解説】
・opposition
⇒「反対、対立」を意味する名詞。反対党、反体制派という意味合いもあります。動詞は oppose。語源はラテン語の opponere「反対する、対抗する」に由来します。
・crusade
⇒「改革運動、聖戦」を意味する名詞。十字軍の意味が原義で、現代では社会変革のための熱心な運動を指します。動詞形は crusade。語源は十字架を意味するラテン語 crux に由来します。
【OXFORD辞書チェック】
crusade
/kruːˈseɪd/
noun
a medieval military expedition, one of a series made by Europeans to recover the Holy Land from the Muslims in the 11th, 12th, and 13th centuries.
11、12、13世紀にヨーロッパ人がイスラム教徒から聖地を奪回するために行った中世の軍事遠征。十字軍。
a vigorous campaign for political, social, or religious change.
政治的、社会的、または宗教的変革のための精力的な運動。
例: “a crusade against crime”(犯罪との戦い)
verb
lead or take part in an energetic and organized campaign concerning a social, political, or religious issue.
社会的、政治的、宗教的問題に関する精力的で組織的な運動を率いる、または参加する。
例: “the party is crusading against racism”(その政党は人種差別と闘っている)
【原田英語メモ】
ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の獄中死は、プーチン政権による政敵の弾圧を象徴する出来事として世界に衝撃を与えました。ナワリヌイ氏は以前から当局に目をつけられ、2020年には神経剤による暗殺未遂事件に遭っています。今回の死因についてもロシア政府の説明は不透明で、国際社会からは真相究明を求める声が上がっています。
ナワリヌイ氏は反体制活動を通じて多くの支持を集め、近年プーチン体制にとって最大の脅威と目されていました。汚職や人権侵害を告発する姿勢から、若者を中心に圧政に抗する「希望の星」として映っていたのです。SNSを活用した情報発信力にも長けていました。
その活動はcrusade(改革運動)とも形容されるほど熱心で組織的なものでした。しかしその分、政権側の反発も強く、逮捕・投獄という形で弾圧を受けてきました。2021年には禁錮2年半の実刑判決を受け、シベリアの過酷な環境下にある刑務所に収監されていたのです。
ナワリヌイ氏の死は、プーチン体制の強権ぶりと反体制派の置かれた厳しい現実を浮き彫りにしました。ロシアの民主化を求める内外の声にもかかわらず、当局の締め付けは一層強まっているのが実情です。今後、欧米諸国がロシアに対してどのような姿勢で臨むのか、注視していく必要がありそうです。