【スクリプト】
Wildlife officials in Thailand are working to contain some beloved monkeys that live in a small city northeast of Bangkok.
NUISANCE
Officials have recently built massive cages to contain the celebrated macaques of Lopburi. Their growing population has become a public nuisance following physical interactions with humans.
A nuisance is a troublesome, difficult person or thing or situation. The word partly comes from a Latin word meaning “to harm.” We usually use it when talking about minor problems.
【日本語訳】
タイ、人気のサルの管理に奔走
タイの野生動物保護当局は、バンコク北東部の小さな町ロッブリーに生息する人気のサルの管理に取り組んでいます。
NUISANCE(迷惑、厄介者)
当局は最近、ロッブリー県の有名なマカクザルを収容するための大規模なケージを建設しました。サルの個体数増加に伴い、人間との物理的な接触が増えたことで、公衆の迷惑となっているのです。
Nuisance は、厄介で扱いにくい人、物、状況のことを指します。この言葉は、ラテン語で「害を及ぼす」という意味の nocēre に部分的に由来しています。通常、小さな問題について話す際に使われる表現です。
【単語・熟語チェック】
・wildlife 野生生物
・official 当局者、公務員
・contain 抑制する、管理する
・beloved 愛されている、人気のある
・monkey サル
・northeast 北東
・recently 最近
・massive 大規模な、巨大な
・cage ケージ、檻
・celebrated 有名な、称賛される
・macaque マカクザル
・population 個体数、人口
・public 公衆の、公共の
・nuisance 迷惑、厄介者
・physical 物理的な
・interaction 相互作用、交流
・human 人間
・troublesome 厄介な、面倒な
・difficult 扱いにくい、難しい
・situation 状況
・partly 部分的に
・Latin ラテン語
・harm 害を及ぼす
・minor 小さな、些細な
・problem 問題
【単語解説】
・wildlife
野生動植物を指す名詞。wild (野生の) + life (生命、生物) が組み合わさった複合語。動物だけでなく植物も含む。類義語に fauna and flora がある。
・nuisance
厄介者、迷惑な人・物・状況を表す名詞。語源はラテン語の nocēre (害する) から派生したフランス語の nuire に由来。形容詞形は nuisant。
・macaque
マカク属のサルの総称。東南アジアや日本に生息。頭頂部の毛が放射状に広がるのが特徴。「猿」を意味するポルトガル語 macaco が語源とされる。
・contain
抑える、管理する、抑制するという意味の他、「含む」という意味もある多義語の動詞。語源はラテン語の continēre (一緒に保つ)。名詞形は containment。
【OXFORD辞書チェック】
nuisance
/ˈnjuːsns/
noun
・a person, thing, or circumstance causing inconvenience or annoyance
迷惑や煩わしさの原因となる人、物、状況
例: “It’s a nuisance having all those people clomping through the house.”
(大勢の人が家中を歩き回るのは迷惑だ)
・(law) an act, condition, or thing that is illegal because it interferes with the rights of the public, especially in matters of health and safety
(法律) 特に健康と安全に関して公衆の権利を侵害するため違法とされる行為、状態、物
例: “Vandalism and graffiti are usually punishable as a public nuisance.”
(器物破損や落書きは通常公害として罰せられる)
【原田英語メモ】
タイのロッブリー県では、マカクザルの個体数増加が問題となっています。サルは観光客に人気ですが、餌付けなどにより人間との接触が増え、時に攻撃的になることもあるのです。
特に市街地では、サルが商店に侵入して食べ物を奪ったり、建物を傷つけたりするなどの被害が出ています。住民からは「まるで檻の中に暮らしているようだ」との声も。
これを受けて野生動物保護当局は、サルを捕獲して郊外の大型ケージで管理する方針を打ち出しました。観光資源でもあるサルを駆除するのではなく、棲み分けを図ることで、人間との軋轢を減らす狙いです。
ただ、捕獲は容易ではありません。サルは学習能力が高く、一度捕まえられたら仲間に警戒心を与えてしまうからです。まずはオスザルから捕獲を進め、最終的に2500頭を収容する計画ですが、長期戦は避けられそうにありません。
一方、サルに依存してきた観光業への影響も懸念されます。ロッブリーは「猿の町」として知られ、サルを目当てに訪れる観光客も多いのです。サル管理と観光振興をどうバランスさせるかは、地元にとって大きな課題となりそうです。
人とサルとの共生は世界各地で模索されていますが、ロッブリーの取り組みは一つの先行事例になるかもしれません。野生動物の保護と管理、地域経済への配慮、そして人間社会との折り合いをつけることの難しさを示す一幕だと言えるでしょう。