【読み方】
カレン
【意味・使い方】
★ 自己中心的で特権意識の強い中年の白人女性を指す言葉。
★ 店員などに対して威圧的な態度を取り、些細なことでマネージャーを呼び出そうとする人物像を表す。
★ 人種差別的な発言や行動をとることも多い。
★ 新型コロナウイルスのパンデミック下では、マスク着用を拒否したり社会的距離の確保に反発したりする人々を指すようになった。
★ 男性版は「Ken」と呼ばれることがある。
【ポイント解説】
Karenは2010年代後半から使われ始めたインターネットミームに由来するスラングです。もともとは、黒人コミュニティの間で特権的な振る舞いをする白人女性を風刺する言葉として使われていました。
その後、SNSの普及とともに一般的に使われるようになり、社会的地位や人種に関係なく、自己中心的で理不尽な要求をする人物を指すようになりました。特に、サービス業の従業員に対する横柄な態度が特徴的です。
コロナ禍においては、公衆衛生上の規則に反発し、自由の侵害だと主張する人々を表す言葉としても使われています。この言葉の使用をめぐっては、性差別的、年齢差別的だという批判もあります。
【例文】
A: I can’t believe that Karen demanded a refund just because her coffee was too hot.
「信じられない。あのKarenは、コーヒーが熱すぎるからって返金しろって言い出したのよ。」
B: Yeah, and then she started yelling at the barista and threatening to call corporate.
「そうそう。それから店員に怒鳴り始めて、本社に電話すると脅し始めたの。」
<<どうしてKaren(カレン)という名前になったの?>>
☆Karenというスラングの語源には諸説ありますが、おそらく以下のような経緯で使われるようになったと考えられています。
1. アメリカでは1950年代から1960年代にかけて、Karenという名前が非常に人気があり、多くの白人中流階級の女性がKarenと名付けられました。
2.2000年代後半になると、インターネット上で「Karenという名前の中年白人女性」を描いたミームが流行し始めました。これらのミームでは、Karenという名前の女性が威圧的、わがまま、理不尽な要求をする様子が風刺的に描かれていました。
3.2010年代になると、このミームがさらに広まり、「Karenという名前の中年白人女性」が、人種差別的な態度を取ったり、些細なことで店員にクレームをつけたりする存在として定着しました。
そして、Karenという名前が、特権意識が高く、自己中心的で、他人に対して攻撃的な態度を取る中年白人女性を指す一般的なスラングとして使われるようになったわけです。