日本文化英語説明【1月-4月】

【寒中見舞い申し上げます】を英語で言うと?寒中見舞いを出す時期は?寒中見舞い&冬の挨拶に使える英語文例つき

寒中見舞いとは?

「寒中見舞い」は、一年で最も寒さが厳しい時期(1月7日頃から立春前日(2月3日頃)まで)に、相手を気遣う挨拶状として日本で古くから親しまれているものです。年賀状との違いや、喪中の方への配慮など、知っておくと便利な情報をご紹介します。最近では年賀状を“卒業”したい人が代わりに送るケースも増えています。

由来と歴史的背景は?

(1) “寒の入り”がスタートの合図

  • 暦の上で1月5日頃の“小寒”を境に、立春(2月4日頃)直前までを「寒(かん)」と呼びます。
  • この期間は一年で最も気温が低く、昔から「相手の無事や健康を確認するため」のお見舞いとしてハガキや手紙が活用されてきました。

(2) 江戸時代~近代:直接訪問から郵便文化へ

  • 江戸時代までは「年始回り」が一般的でしたが、地域的な距離や諸事情で行けない時に手紙を送ったのが寒中見舞いの始まりといわれます。
  • 明治以降、郵便制度が普及すると、冬の挨拶としてハガキで送る習慣がより広がり、現代まで定着しました。

寒中見舞いを出す時期とマナー

(1) 寒中見舞いを出す期間

  1. 松の内明け(1月7日頃)
    • 多くの地域では1月7日までが“松の内”(年神様をお迎えしている期間)とされます。
    • そのため、1月8日頃から寒中見舞いの送り始めとするのが一般的です。
  2. 立春前日(2月3日頃)まで
    • 「寒」の時期は立春前日までなので、2月4日頃を過ぎると「余寒見舞い」に変わるのが礼儀。

(2) 喪中や年賀状じまいのときに活躍

  • 喪中の方への挨拶
    年賀状では控えるべき「おめでとう」の表現を避け、代わりに「寒中お見舞い申し上げます」として送ることで、相手を思いやる気持ちを伝えられます。
  • 年賀状じまい
    「今後は年賀状のやりとりを控えたい」と考えている方でも、寒中見舞いで意向を伝えることでスムーズにコミュニケーションが図れます。

寒中見舞いの書き方・文例

(1) 基本的な文例(日本語)

寒中お見舞い申し上げます。
まだまだ厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
おかげさまで私どもは元気に過ごしております。
どうぞお身体を大切に、お元気にお過ごしください。
令和〇年 一月

  • 冒頭には季節の挨拶として「寒中お見舞い申し上げます」を入れる
  • 本文で相手の健康を気遣う
  • 結びには自分の近況や祈念の言葉を添える

(2) 喪中向け文例(日本語)

寒中お見舞い申し上げます。
ご服喪中とのことを存じ上げながら、年頭のご挨拶を失礼いたしました。
まだ寒さが続きますが、どうかご自愛ください。
令和〇年 一月

  • 「おめでとう」などの言葉は避け、シンプルな表現で相手をいたわる

寒中見舞いを英語で言うと?

(1) 「Mid-winter Greetings」が直訳に近い表現!

  • 日本独自の「寒中見舞い」にあたる、はっきりした欧米文化はありません。
  • 英語で説明したい場合、辞書的には “Mid-winter Greetings” と訳されることが多いです。

(2) よく使われる実用的フレーズ

  • Season’s Greetings!
  • Happy Holidays!
  • Best Wishes for the Winter Season.
  • Much peace, love and joy to you all in the new year.

これらは年末年始の寒い時期に幅広く使えるため、寒中見舞いとしての役割を英語圏向けにアレンジする際にも便利です。

寒中見舞いチャートdeガチ・まとめ

(画像をクリックして詳細をチェック!)

https://www.haradaeigo.com/haradasensei/kanchu.svg

寒中見舞い&冬の挨拶に使える英語文例

  1. I hope you have a wonderful holiday season.
    (素敵なホリデーシーズンをお過ごしください)
  2. Warmest Greetings of the season to you and your loved ones.
    (あなたと大切なご家族へ、心から季節のご挨拶を申し上げます)
  3. Best of luck in the year to come.
    (来る年が幸運に満ちたものでありますように)
  4. Much peace, love and joy to you all in 2025.
    (2025年が皆様にとって安らぎと愛、そして喜びにあふれる年となりますように)

寒中見舞いの豆知識10選

  1. “小寒”から“立春”前日までが“寒”
  2. 1月20日頃の“大寒”が一年で最も冷え込みやすい
  3. 2月4日を過ぎると「余寒見舞い」に呼び方が変わる
  4. 喪中時の挨拶としての寒中見舞いは非常に便利
  5. 年賀状じまい宣言に使われるケースが増加中
  6. 「寒中お見舞い申し上げます」は文頭に書くのが通例
  7. デザインも多彩になり、写真付きや洋風テイストなど自由度が高い
  8. 欧米での類似文化はあまりなく、“Season’s Greetings” が汎用フレーズ
  9. 松の内は地域差があり、1月7日までではなく1月15日までとする所も
  10. 寒中見舞いを送ることで、相手への思いやりと気遣いがより強く伝わる

まとめ

寒中見舞いは、一年で最も寒い時期に相手の無事や健康を気づかう日本独自の風習です。年賀状の代わりに使われたり、喪中や年賀状じまいなど多用途に活躍したりと、“後からでも気持ちを伝えられる”柔軟さが魅力。英語圏には直訳となる文化はないものの、「Mid-winter Greetings」という表現や“Season’s Greetings”などを上手に活用すれば、海外の相手にも似た趣旨を伝えることが可能です。

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