
SNSを開けば毎日のように目にする「#morningroutine」。特に最近では、フィットネスインフルエンサーのアシュトン・ホールによる独特のモーニングルーティンが大きな話題となっています。氷水に顔を浸すフェイシャルやバナナの皮で肌をこするなど、一見奇妙に思えるこれらの習慣は本当に効果があるのでしょうか?今回は、2025年にバズっているモーニングルーティンについて徹底的に解説し、科学的な視点からその効果を検証します!!

アシュトン・ホールとは?バイラルになったモーニングルーティン
アシュトン・ホールは、2025年2月7日にTikTokに投稿した6時間に及ぶモーニングルーティンの動画が再拡散され、一躍時の人となりました。この動画は現在TikTokだけでも1億500万回以上の再生回数を記録しています。[USA Today]
アシュトン・ホール氏は、アメリカ・フロリダ州ジャクソンビル出身のフィットネスインフルエンサー兼起業家で、1995年10月24日生まれです。 彼はアルコーン州立大学でアメリカンフットボールのランニングバックとしてプレーしましたが、NFLでのキャリアは実現しませんでした。
その後、ホール氏はフィットネス業界に転身し、2020年にオンライン・トレーニング・プラットフォーム「ASH Fitness」を立ち上げ、2022年には「Ashton Hall Official」としてリブランドしました。彼のコンテンツは、特に入念なモーニングルーティンで注目を集めています。このルーティンには、午前3時52分の起床、口をテープで塞ぐ「マウステーピング」、アイスバス、バナナの皮を使ったフェイシャルなどが含まれています。
この独特なルーティンはSNSで大きな話題となり、賛否両論を巻き起こしました。一部からは過度であるとの批判もありますが、彼の規律正しい生活を称賛する声もあります。さらに、彼の動画はエド・シーランなどの著名人によってパロディ化されるなど、広範な影響を与えています。
現在、ホール氏はTikTokアカウント「@ashtonhallofficial」で570万人以上のフォロワーを持ち、フィットネス関連のコンテンツを発信し続けています。
アシュトン流モーニングルーティンのハイライト
- 朝3:52に起床
- マウステーピング(就寝時に口をテープで閉じる)後に歯磨き
- 朝4:04にバルコニーでプッシュアップ
- 瞑想
- 氷水フェイシャル(サラトガスプリングウォーターを使用)
- 朝6:20にジム
- 朝8:45にバナナの皮を顔に擦りこむ
この一見極端に見えるルーティンは、その独特さから多くの人々の関心を集め、パロディやリアクション動画が次々と投稿され、「モーニングルーティン」というワードは爆発的に広がりました。投稿から4日後には、インターネット全体で20万件以上の言及があったと報告されています。[Brandwatch]
科学的に検証!氷水フェイシャルの真実

アシュトン・ホールのルーティンで最も注目を集めた要素の一つが、氷水に顔を浸す「氷水フェイシャル」です。この習慣は実際にどのような効果があるのでしょうか?
氷水フェイシャルの利点
- むくみの軽減: 低温は血管を収縮させ、顔のむくみを一時的に軽減します
- 肌の引き締め効果: 血管収縮によって肌が一時的に引き締まります
- 覚醒効果: 冷たい刺激は脳を目覚めさせ、朝の活力を高めます
- 抗炎症作用: 炎症を抑制し、肌の赤みを軽減する可能性があります
認定皮膚科医のアレクシス・スティーブンス博士によると:「氷フェイシャル(またはアイスプランジ)は、近年、ソーシャルメディアによって人気が再燃しています。インフルエンサーやコンテンツクリエイターが、クイックフィックスの美容ハックを紹介することで、このトレンドを普及させています。特に、手軽で、アクセスしやすく、視覚的にも魅力的だからです。人々は朝の肌とエネルギーを低コストで向上させる方法が好きなのです。」[USA Today]
注意点
ただし、専門家は次のような注意点も指摘しています:
- 過剰使用のリスク: 過度に行うと肌のバリア機能を損なう可能性があります
- 不適切な肌質: 赤ら顔(ロザセア)や非常に敏感な肌の方には適さない場合があります
- 毛細血管の損傷: 長期間の使用で毛細血管が破れる可能性があります
代替案
氷水に顔を浸すのが苦手な方には、以下の代替案があります:
- 冷やしたフェイスマスクの使用
- 冷蔵庫で冷やした翡翠ローラーの使用
- 冷却効果のある金属製ツールの活用
「これらは冷却効果を提供しつつ、肌へのショックをより制御できるメリットがあります」—スティーブンス博士
バナナの皮スキンケアの真相とは?

アシュトン・ホールが実践するもう一つの特徴的な習慣が、バナナの皮を顔に擦り付けるスキンケアです。この習慣は科学的に効果があるのでしょうか?
バナナの皮に含まれる成分
バナナの皮には次のような成分が含まれています:
- ビタミンC: 抗酸化作用があり、フリーラジカルのダメージから肌を守ります
- カリウム: 肌の保湿に役立つ可能性があります
- 抗酸化物質: 肌の明るさを助ける可能性があります
しかし、認定皮膚科医のジョシュア・ザイクナー博士によると:「バナナの皮にビタミンCが含まれている可能性はありますが、その濃度は低く、皮を肌に当てただけでは、皮膚に十分浸透しないでしょう。」[Glamour]
リスクと注意点
認定皮膚科医のキラン・ミアン博士は、以下のリスクを警告しています:
- 農薬や微生物: バナナの皮には農薬や微生物が付着し、肌に刺激を与える可能性があります
- 限定的な吸収: 有効成分の皮膚への吸収・生物学的利用性は限られています
- 感染や刺激のリスク: 不適切な使用で感染や刺激を引き起こす可能性があります
効果的な代替案
バナナの皮よりも効果的な選択肢として、専門家は以下を推奨しています:
- ビタミンC配合の美容液: 高濃度かつ安定化されたビタミンCが含まれ、確実に肌に浸透します
- 栄養バランスの良い食事: これらの栄養素を食事から摂取することで、内側から効果を得られます
ミアン博士はこう述べています:「スキンケア製品は、市場に出る前に安定性、微生物、その他の反応テストなど厳密にテストされています。あなたの肌に実際に効果をもたらすように配合されているのです。毒イバラも自然ですが、それを顔に塗りたくはないですよね。」
2025年流行中のその他のモーニングルーティン

アシュトン・ホールのルーティンだけでなく、2025年には様々なモーニングルーティンが流行しています。以下に、最も注目を集めているものをいくつか紹介します。
1. 5-5-5-30ルーティン
- 5回のプッシュアップ
- 5回のスクワット
- 5回のランジ
- 30秒間のプランク
これらを朝起きてすぐに行うだけで、代謝を活性化し、自然なエネルギー増強効果が得られるとされています。
2. ハーバーマン博士の科学的モーニングルーティン
- 朝の日光浴: 起床後すぐに10〜30分間外出し、自然光を浴びます
- カフェイン摂取のタイミング: 起床後90〜120分は摂取を避けます
- ジャーナリング: 朝の日光浴中に、その日やりたいことを書き出します
3. モーニングメニュー
TikTokで人気のこのコンセプトは、毎朝のセルフケアメニューを自分で選ぶというもの:
- 正午までデジタルデトックス
- 汗をかくカーディオセッション
- 10分間の部屋の整理整頓
- ジャーナリング
- アイスローリング
4. メル・ロビンス式モーニングルーティン
- 5秒カウントダウンしてすぐ起床(スヌーズボタンは禁止)
- すぐにベッドメイキング
- 自分自身にハイタッチ
実践的アドバイス:自分に合ったモーニングルーティンの作り方

エクストリームなルーティンに憧れても、実際に取り入れるのは難しい場合があります。以下は、バランスの取れたモーニングルーティンを作るためのアドバイスです。
Step 1: 自分のゴールを明確にする
モーニングルーティンを始める前に、あなたが朝に何を達成したいのかを考えましょう:
- エネルギーを高めたいですか?
- メンタルの準備をしたいですか?
- 生産性を向上させたいですか?
Step 2: 科学的に効果が実証されている習慣を選ぶ
- 水分補給: 起床後すぐにコップ1杯の水を飲むことで、夜間の脱水を解消します
- 自然光を浴びる: 朝の太陽光は体内時計を調節し、セロトニン産生を促進します
- 軽い運動: 5〜10分の軽いストレッチやヨガで血流を促進します
- マインドフルネス: 5分間の瞑想で精神的な安定を得られます
- 栄養バランスの良い朝食: タンパク質、健康的な脂質、繊維質を含む朝食で持続的なエネルギーを確保します
Step 3: 実行可能なルーティンを設計する
- 時間を現実的に: 朝3時52分起きは多くの人にとって持続不可能です。7時間の睡眠を確保できる時間設定にしましょう
- 段階的に導入: 一度にすべてを変えようとせず、一つずつ新しい習慣を追加していきましょう
- 一貫性を重視: 完璧なルーティンよりも、毎日続けられるルーティンの方が効果的です
モーニングルーティンのメリットと科学的根拠
一貫したモーニングルーティンには、科学的に裏付けられた多くのメリットがあります:
1. コルチゾールの管理
朝は自然にコルチゾール(ストレスホルモン)レベルが上昇しますが、意図的なルーティンによってこれをコントロールできます。
2. 意思決定疲れの軽減
毎朝同じルーティンを実行することで、意思決定の数を減らし、その日の重要な決断のために精神的エネルギーを温存できます。
3. 集中力と生産性の向上
構造化された朝のルーティンは、脳に「仕事モード」のシグナルを送り、集中力と生産性を高めます。
4. 習慣形成の促進
朝は意志力が最も高い時間帯のため、新しい習慣を形成するのに最適です。
まとめ:バランスと持続可能性が鍵
アシュトン・ホールの極端なモーニングルーティンが話題を呼んでいますが、最も重要なのは、自分自身のライフスタイル、目標、健康状態に合ったルーティンを見つけることです。
インターネットの話題になるためのエクストリームな習慣より、あなたの生活を本当に向上させる、持続可能なルーティンを選びましょう。氷水フェイシャルやバナナの皮スキンケアなど、トレンディな要素を試すのは楽しいかもしれませんが、科学的な視点と専門家のアドバイスを忘れずに!
あなただけの、効果的で持続可能なモーニングルーティンを作り、毎日を充実させましょう!
参考文献
- USA Today – Ashton Hall’s ice water facials broke the internet
- Glamour – What Does Rubbing a Banana Peel on Your Face Do, Really?
- Brandwatch – What’s Your Morning Routine? Behind the Viral Trend
- Mayo Clinic Press – The science behind ice baths for recovery