【callous】
[問] 次の文中の”callous”の最も適切な意味を1~4より選びなさい。
Despite the victim’s pleas for mercy, the criminal remained callous and showed no remorse for his actions.
1. 恐れている
2. 感情的な
3. 冷酷な
4. 興奮した
【出典】 早稲田大(国際教養)2024
【解答&解説】
正解は3番です。
callous /ˈkæləs/
形容詞
(1) 冷酷な、無情な、思いやりのない
(2) (皮膚などが)たこができた、かたくなになった
callousは、感情や良心が麻痺しているような状態、他者の気持ちに配慮せず冷たく接する様子を表します。「冷酷な、無慈悲な、薄情な」といった日本語が近いでしょう。物理的な意味では、皮膚や心などが「硬くなった、たこができた」状態も指します。
【問題文の日本語訳】
被害者が情けを請うても、犯人は冷酷なままで、自分の行為に一切の後悔の念を示さなかった。
【callousを使った例文】
★ The nurse’s callous treatment of the elderly patients shocked and disappointed the hospital staff.
その看護師が高齢の患者たちに冷たく接する様子に、病院のスタッフは衝撃を受け、失望した。
★ Years of working in a high-stress environment had left him emotionally callous and unable to connect with others.
長年のストレスの高い環境での仕事が、彼を感情的に麻痺させ、他者と心を通わせることができなくしていた。
【語源や関連語】
callousは、ラテン語の「堅い皮」を意味する”callum”に由来します。これは動詞の”callēre”(堅くなる)が語源で、「こすれや摩擦によって皮膚が硬くなる」という物理的なイメージが、「感情が麻痺する、思いやりがなくなる」という比喩的な意味合いに転じたと考えられます。
類義語としては、cruel(残酷な)、heartless(薄情な)、insensitive(鈍感な)、unfeeling(無感覚な)などがあります。反意語はcompassionate(思いやりのある)、sympathetic(同情的な)、sensitive(感受性の高い)などです。
callousという単語には、心理学や社会学の観点から興味深い側面があります。
犯罪心理学の分野では、「冷酷さ(callousness)」は、反社会的パーソナリティ障害の特徴の一つとされています。感情の欠如、共感性の欠如、罪悪感の欠如などがその症状とされ、callousという言葉がまさにそれを表しているのです。
また、社会学では「無関心(apathy)」や「疎外(alienation)」という概念と関連づけられます。現代社会において、人々が感情的に麻痺し、他者への思いやりを失っていく過程を表す言葉としてcallousが使われることがあります。
さらに、callousの比喩的な意味合いを巧みに活用した表現もあります。例えば、”a callous disregard for the truth”(真実への冷酷な無視)や “a callous indifference to suffering”(苦しみへの冷淡な無関心)など、callousを用いることで、言葉に一層の重みと印象深さを与えています。
このように、callousという一言には、人間の心理や社会の病理を映し出す力があると言えるでしょう。言葉の奥深さを感じさせる興味深い単語だと思います。