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TOPIC
Should developing countries prioritize economic growth over environmental protection?
● Write an essay on the given TOPIC.
● Give THREE reasons to support your answer.
● Structure: Introduction, main body, and conclusion
● Suggested length: 200–240 words.
● Write your essay in the space provided on your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.
【解答例】
In today’s developing countries, a debate rages over whether economic growth should be prioritized over environmental protection. I firmly believe that focusing solely on economic growth at the expense of the environment is misguided and ultimately harmful.
First, environmental damage can undermine long-term economic prospects. For example, unchecked industrial growth might boost GDP in the short term, but it often leads to problems like polluted air and water, which in turn cause health crises and expensive clean-up efforts. These outcomes can stall development and impose heavy costs on society.
Second, many environmental resources are the foundation of economic activity. Deforestation, overfishing, or soil depletion may generate quick profits, but they jeopardize the natural resources that agriculture, tourism, and other industries rely on. Sustainable use of the environment ensures that developing countries can continue to benefit from their natural wealth for generations.
Third, environmental neglect contributes to global issues such as climate change, which disproportionately affect developing nations. Floods, droughts, and extreme weather linked to climate change can wipe out years of economic progress in vulnerable countries. By investing in green technologies and sustainable practices, developing countries can both grow their economies and build resilience against these threats.
In conclusion, while economic development is essential for improving living standards, it should not come at the cost of irreversible environmental damage. A balanced approach that incorporates environmental protection will lead to more stable and sustainable growth. (234words)
【訳】
今日の発展途上国では、経済成長を環境保護よりも優先すべきかどうかをめぐる議論が激しく交わされています。私は、環境を犠牲にして経済成長だけに焦点を当てるのは誤った判断であり、結局のところ有害であると強く信じています。
まず、環境破壊は長期的な経済的見通しを損なう可能性があります。例えば、規制のない産業成長は短期的にGDPを押し上げるかもしれませんが、空気や水の汚染といった問題を引き起こし、それが健康危機や高額な浄化作業につながることがよくあります。これらの結果は発展を停滞させ、社会に大きな負担を課します。
次に、多くの環境資源は経済活動の基盤です。森林伐採、過剰漁業、土壌の枯渇は短期的には利益を生むかもしれませんが、農業や観光業など自然に依存する産業が頼る資源を危険にさらします。環境の持続可能な利用は、発展途上国が自然の富を何世代にもわたって享受し続けられるようにします。
さらに、環境を軽視することは気候変動のような地球規模の問題を悪化させ、特に発展途上国に不均衡な影響を及ぼします。気候変動に関連する洪水、干ばつ、異常気象は、脆弱な国々で何年もの経済的進歩を一瞬にして消し去る可能性があります。グリーン技術や持続可能な実践に投資することで、発展途上国は経済を成長させつつ、これらの脅威に対する強さを築くことができます。
結論として、生活水準を向上させるために経済発展は不可欠ですが、それが取り返しのつかない環境破壊の代償を伴ってはなりません。環境保護を組み込んだバランスの取れたアプローチが、より安定した持続可能な成長につながるでしょう。
解説:
- 論理展開: 序論で自分の立場(環境より経済成長を優先すべきではない)が明確に示されています。本論では3つの理由を「First,」「Second,」「Third」の接続詞で順序立てて述べ、それぞれ経済と環境の関係について具体例や説明を加えています。各段落が主張→具体例→分析の構成で論理的につながっており、結論で主張を再確認しつつ環境保護と経済成長の両立の重要性に言及してまとめています。
- 語彙・表現: 「economic prospects(経済的な見通し)」「polluted air and water(汚染された空気と水)」「sustainable use of the environment(環境の持続可能な利用)」「disproportionately affect(不均衡に影響する)」などトピックに適した語彙が使われています。接続表現(for example, in conclusion など)も適切で、文章の流れを滑らかにしています。語彙水準は英検1級相応で、「jeopardize(危険にさらす)」「resilience(回復力)」といった高度な単語も盛り込まれ、説得力を高めています。
- 採点基準のポイント: 内容の面では、設問に忠実に答え、経済優先に反対する立場を三つの根拠で支えています。構成の面では、イントロ→理由3つ→結論の明確な構成で論旨の流れが分かりやすく、段落ごとに論点が整理されています。語彙はトピックに見合った専門的かつ豊かな表現力を示し、文法も複雑な構文を正確に使いこなしています。一貫性と説得力があり、内容・構成・語彙・文法のバランスが取れた模範的なエッセイになっています。
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Long-term economic prospects(長期的な経済的展望)
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模範解答での展開: 環境破壊が短期的な経済成長をもたらす一方で、汚染による健康危機や修復コストが将来的な発展を阻害すると述べています。例えば、空気や水の汚染は医療費を増大させ、労働力を減少させるため、経済にマイナス影響を及ぼします。
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補足展開例: 「発展途上国では、環境規制を緩和して工場を誘致すれば雇用が増えるが、汚染が進むと労働者の健康が悪化し、生産性が落ちる。これにより、長期的な成長が損なわれる。」
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反対意見の視点: 「短期的な経済成長を優先することで、インフラや教育に資金を投入でき、それが長期的な発展を支える基盤となる。環境対策はその後でも対応可能。」
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Natural resources(自然資源)
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模範解答での展開: 森林伐採や過剰漁業が即時の利益を生む一方で、農業や観光業など自然に依存する産業の基盤を壊すと指摘。持続可能な利用が将来の経済的利益を保証すると主張しています。
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補足展開例: 「例えば、アマゾンの熱帯雨林を伐採すれば木材収入は得られるが、土壌流出で農地が失われ、観光資源としての価値も減少する。これでは一時的な利益しか得られない。」
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反対意見の視点: 「自然資源を今活用することで得た資金を技術開発に回せば、将来的に代替資源やエネルギーを作り出せる。持続可能性は後で考えればよい。」
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Climate change(気候変動)
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模範解答での展開: 環境を無視すると気候変動が悪化し、洪水や干ばつが経済的進歩を台無しにすると説明。グリーン技術への投資が経済成長と防御力を両立させると提案しています。
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補足展開例: 「バングラデシュのような国では、海面上昇で農地が失われ、経済が壊滅するリスクがある。環境保護はこうした災害への備えとして不可欠。」
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反対意見の視点: 「気候変動対策は先進国の責任であり、発展途上国はまず経済基盤を固めるべき。国際支援を待つ方が現実的。」
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Public health(公衆衛生)
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賛成側の展開例: 「環境保護を軽視すると、大気汚染や水質汚濁が公衆衛生を脅かし、医療費が増大する。健康な労働力があってこそ経済は成長する。」
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反対側の展開例: 「公衆衛生は経済成長後に改善すればよく、まず工業化で雇用と収入を増やすべき。健康対策はその利益で賄える。」
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Introduction: 主題の提示と自分の立場を明確に。「誤った選択だ(misguided)」と強い語彙を使って印象づけ。
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Main body: 各段落で一つの理由を展開し、具体例(汚染、森林伐採、気候変動)を効果的に使用。
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Conclusion: 主張を再確認し、「バランスの取れたアプローチ」という前向きな解決策で締めくくり。
【最新情報・豆知識】
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COP(気候変動枠組条約締約国会議): 2023年のCOP28(ドバイ開催)では、発展途上国への気候資金支援が議題に。経済成長と環境保護の両立が求められ、「損失と損害基金」が設立された。これは、気候変動で被害を受けた国の復興を支援する仕組みで、経済的安定と環境対策のリンクを強化。
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グリーン経済の成長: 世界銀行の報告(2024年最新データ)によると、再生可能エネルギーへの投資が発展途上国で増加。インドでは太陽光発電が経済成長率(年6-7%)を支えつつ、CO2排出を抑制している例が注目されている。
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経済vs環境のトレードオフ: インドネシアでは、パーム油生産のための森林伐採が進む一方、2022年に政府が輸出規制を導入し、持続可能な農業への転換を図っている。経済的利益(GDPの約3%)と環境保全の間で葛藤が続く。
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気候変動の影響: IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の2023年報告書では、発展途上国の気候変動による経済損失が年間1000億ドル超と試算。特にアフリカのサヘル地域では、干ばつで農業生産が30%減少。
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ODA(政府開発援助): 日本は発展途上国に対し、環境技術支援を拡大。2024年に発表された「グリーンODA」では、途上国のインフラ整備に再生可能エネルギーを組み込むプロジェクトが進行中(例: ベトナムの風力発電支援)。
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企業の動き: 日本の企業(例: トヨタ)は、発展途上国での電気自動車(EV)生産を加速。経済成長を促しつつ、環境負荷を減らすモデルケースとして注目。
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環境保護のメリット: 持続可能な観光業(例: コスタリカではGDPの8%がエコツーリズム由来)、健康コスト削減(WHO推計: 大気汚染による年間死者700万人)、気候レジリエンス向上。
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経済優先のデメリット: 短期利益優先による長期リスク(例: 中国の大気汚染で年間医療費がGDPの5%超)、国際的な批判と貿易制裁(EUの「炭素国境調整メカニズム」導入)。
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循環経済: 発展途上国で注目される概念。ケニアでは廃プラスチックを建材に変える企業が急成長し、雇用創出と環境保全を両立。
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歴史的背景: 1970年代のオイルショック後、経済成長優先の途上国は工業化を急いだが、環境コストが後で表面化(例: メキシコの河川汚染)。
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「再生可能エネルギーは発展途上国の経済成長を支えられるか?」
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「環境保護は貧困削減の妨げになるか?」
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「気候変動対策における先進国と途上国の責任分担について」
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「持続可能な開発目標(SDGs)は現実的か?」
これらに対応するには、具体例(国名、統計)、論理的展開、バランスの取れた視点が求められます。例えば、「先進国の技術支援が必要」と具体策を提案すると高評価に繋がるでしょう。