原田英語ジャーナル

「笑いの裏に誤訳あり?!日米首脳会談後の共同記者会見で石破首相が放った“仮定の質問”騒動の裏側」~仮定(hypothetical)は実は理論的(theoretical)!~【原田英語ジャーナル7】

https://x.com/May_Roma/status/1888184629972115906

2025年2月7日、ワシントンD.C.のホワイトハウスで開かれた日米首脳会談後の共同記者会見で、興味深い場面がありました。この会見では、ドナルド・トランプ大統領と石破茂首相が、日米同盟の強化や経済協力について議論した内容を報告しました。

会見の最後に、記者から「米国が日本の輸入品に関税を課した場合、日本は報復するでしょうか」という質問がありました。これに対し石破首相は、外交的な対応として、「仮定の質問にはお答えしかねます、と言うのが日本のだいたい定番の回答でございます」と述べたのです。これは、まだ具体的な政策や決定がない段階での推測的な質問を避けるために、日本の政治家がよく使う表現で、それを「定番の回答」とまとめることで、ある意味ユニークな受け答えになったと言えます。

 

ところが、この発言を英語に通訳する際、”仮定の質問”を、hypothetical questionでなく、theoretical questionと翻訳していました。会場では、トランプ大統領や記者たちが笑い出し、場が和むという一幕が上の動画です。

日本のメディアでは、

  • 「石破首相の発言が(良い意味で)笑いを誘った」
  • 「トランプ大統領にも認められた!石破首相のギャグセンス!」

といった報道がなされましたが、めいろまさん曰く、

「意味が分からないので笑われてんだよ!」

ということですが・・・

https://x.com/crabman_2525/status/1888317049614786990

https://x.com/Bilingual_News/status/1888250620198482000

たしかにtheoreticalには机上のという意味もあり、通訳の方はこちらの意味で使ったと考えるのが妥当ですね。。。

日米関係において貿易問題は常に重要なテーマです。石破首相は今回の訪問で、日本企業による対米投資の拡大やアメリカのLNG輸入拡大などを提案し、貿易不均衡の解消に向けた姿勢を示しました。今後、両国がどのように経済関係を発展させていくのか、引き続き注目が集まっています。

【日米首脳会談後の共同記者会見の様子】

 


【原田英語ジャーナル】このコーナーでは、高校英語教師の原田高志が大学受験英語や、学習全般に役立つ深堀りコラムを執筆&掲載していきます。英検1級や全国通訳案内士の資格に独学&一発合格したノウハウをふんだんに詰め込んで、皆さんに役立つ情報をご提供します。