英検1級英作文(意見論述)

【英検1級ライティング英作文ガチ予想問題集<3>】模範解答テンプレート&全訳&解説つき!定型表現をガチ暗記せよ!

TOPIC

Does social media do more harm than good to society?

● Write an essay on the given TOPIC.
● Give THREE reasons to support your answer.
● Structure: Introduction, main body, and conclusion
● Suggested length: 200–240 words.
● Write your essay in the space provided on your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.

【解答例】

Social media has revolutionized communication and information sharing in recent years. However, I contend that its detrimental effects on society outweigh its advantages.

Firstly, social media amplifies the spread of misinformation. Platforms like X and TikTok often circulate unverified claims, such as health myths or political hoaxes, which mislead millions. For instance, during the COVID-19 pandemic, false remedies gained traction online, undermining public health efforts. This erodes trust in credible sources and fuels societal confusion.

Secondly, it takes a toll on mental well-being. Constant exposure to idealized lifestyles on Instagram fosters insecurity and low self-esteem, particularly among youths. Research shows a correlation between prolonged social media use and rising anxiety levels. Moreover, cyberbullying thrives in these spaces, with victims facing relentless harassment that can lead to severe emotional distress.

Thirdly, social media compromises privacy. Companies harvest user data for profit, often without clear consent, as seen in scandals like the 2018 Facebook data breach. This not only violates personal boundaries but also exposes individuals to identity theft and manipulation, posing a significant societal risk.

Admittedly, social media facilitates global connectivity and activism, such as organizing climate protests. Yet, these benefits are overshadowed by rampant misinformation, mental health challenges, and privacy violations. In conclusion, until these issues are addressed, social media’s harm surpasses its good. (216 words)

【訳】

ソーシャルメディアは近年、コミュニケーションと情報共有を劇的に変えてきました。しかし、私はその社会に対する有害な影響が利点を上回ると考えます。

まず、ソーシャルメディアは誤情報の拡散を増幅します。XやTikTokなどのプラットフォームでは、健康に関する迷信や政治的なでっち上げといった未検証の主張が広まり、数百万人の人々を誤解させています。例えば、COVID-19パンデミック中、偽の治療法がオンラインで注目を集め、公衆衛生の取り組みを損ないました。これは信頼できる情報源への信頼を失わせ、社会的混乱を助長します。

次に、精神的な健康に悪影響を及ぼします。Instagramで理想化されたライフスタイルに常にさらされることで、特に若者の間に不安感や自尊心の低下が生じます。研究では、ソーシャルメディアの長時間使用と不安レベルの上昇に関連があることが示されています。さらに、サイバーブリングがこれらの場で横行し、被害者は執拗な嫌がらせに直面し、深刻な精神的苦痛を引き起こされます。

第三に、ソーシャルメディアはプライバシーを危険にさらします。企業は利益のためにユーザーデータを収集し、2018年のFacebookデータ漏洩事件のようなスキャンダルで見られるように、明確な同意なしにこれを行います。これは個人の境界を侵害するだけでなく、個人を詐欺や操作にさらし、社会に重大なリスクをもたらします。

確かに、ソーシャルメディアは気候変動デモの組織化など、グローバルなつながりや活動を促進します。しかし、遍在する誤情報、精神的健康への挑戦、プライバシー侵害によって、これらの利点は霞んでしまいます。結論として、これらの問題が解決されない限り、ソーシャルメディアの害は利を上回ります。

解説:

  • 論理展開: 冒頭で「SNSは社会に益より害をもたらしている」という自分の主張が明示されています。本論では3つの害について段落を分けて論じています。1つ目の段落では情報拡散の弊害(デマやヘイトスピーチ)について述べ、2つ目ではメンタルヘルスへの悪影響、3つ目ではプライバシー侵害と生産性低下について言及しています。それぞれ具体的な現象や研究(「不安や孤独」「匿名性によるいじめ」「データ流出の事例」など)を織り交ぜ、論点を裏付けています。結論では肯定面にも触れつつ、現状では弊害が上回るとの判断を繰り返し述べ、議論をまとめています。
  • 語彙・表現: 「misinformation(誤情報)」「conspiracy theories(陰謀論)」「hate speech(ヘイトスピーチ)」「curated images(取捨選択された画像)」といったSNSに関するキーワードが適切に使われています。また「notorious for ~(~で悪名高い)」「go viral(拡散する)」「erode trust(信頼を蝕む)」「cyberbullying(ネットいじめ)」などの表現により、SNSの弊害を的確に描写できています。比較級を用いた構文(”more harm than good”)や分詞構文(”leading to feelings of…”)も使われ、表現に変化をつけています。
  • 採点基準のポイント: 内容の観点では、SNSの悪影響に絞って3点挙げており、設問に明確に応答しています。構成は序論で立場表明、本論3段落で論拠提示、結論で主張再確認という定型に沿い、論理の流れが明快です。語彙は社会問題・IT分野の用語を駆使し高度で、多彩な表現で説得力があります。文法も適切で時制・語法の誤りがなく、複文や関係代名詞を用いて情報を効率的に盛り込んでいます。全体として説得力と一貫性があり、高い評価を得られる内容です。
★ポイントごとの具体的な展開方法
このトピックでは、「社会に対するソーシャルメディアの害が利を上回るかどうか」を問われており、模範解答では「害が上回る」という立場を支持しています。以下に、各ポイント(Misinformation, Mental health, Privacy, Productivity)を使用した主張の展開例を詳しく解説します。
  1. Misinformation(誤情報)
    • 模範解答での使用例: 「誤情報や有害コンテンツが拡散し、社会的分断や信頼の低下を引き起こす」と述べています。具体的には、「偽ニュースや陰謀論が選挙に影響を与える」「アルゴリズムが扇情的な投稿を優先する」と説明。
    • 他の展開例: 「ソーシャルメディアは情報検証のプロセスが欠如しており、一般ユーザーがジャーナリストのような役割を果たすが、正確性に欠けることが多い。例えば、2020年の米国大統領選挙では、投票に関する偽情報が拡散し、有権者の判断を歪めた事例が報告されている。」
    • 反対意見への反論: 「情報の拡散速度が速いため、社会運動の組織化に役立つ」という利点を認めつつ、「しかし、その速度が誤情報の拡散を加速させ、訂正が追いつかないため有害」と反論可能。
  2. Mental health(精神健康)
    • 模範解答での使用例: 「過度な使用が不安や孤独感を引き起こす」「他人との比較やサイバーブリングが問題」と指摘。
    • 他の展開例: 「2021年の研究では、10代のソーシャルメディア利用時間が1日3時間を超えると、自尊心の低下が顕著になることが示された。また、Instagramのような画像中心のプラットフォームでは、非現実的な美の基準が若者にプレッシャーを与えている。」
    • 反対意見への反論: 「ソーシャルメディアがコミュニティ形成やサポートを提供する」という主張に対し、「その繋がりは表面的で、現実の対人関係を代替できず、むしろ孤立感を増す」と反論可能。
  3. Privacy(プライバシー)
    • 模範解答での使用例: 「個人データの収集や悪用が問題」「データ漏洩が頻発」と説明。
    • 他の展開例: 「2018年のCambridge Analytica事件では、Facebookのデータが政治的プロパガンダに悪用され、数百万人のプライバシーが侵害された。このような事例は、ユーザーが同意の範囲を理解していない状況で起きている。」
    • 反対意見への反論: 「プライバシー設定で自己防衛可能」という主張に対し、「設定が複雑で、一般ユーザーが適切に管理するのは困難であり、企業側の透明性不足が根本的な問題」と指摘。
  4. Productivity(生産性)
    • 模範解答での使用例: 「通知や中毒性が集中力と効率を下げる」と述べています。
    • 他の展開例: 「2023年の調査では、平均的な成人がソーシャルメディアに1日2時間以上費やし、その半数が業務時間中に利用していることが判明。これにより、タスクの遅延や創造性の低下が報告されている。」
    • 反対意見への反論: 「情報収集やネットワーキングに役立つ」という意見に対し、「その利点は限定的で、多くの場合エンタメ目的の使用が支配的であり、時間の浪費に繋がる」と反論。
★反対の立場での主張例
「ソーシャルメディアは社会に利をもたらす」とする反対意見も構築可能です。
  • Misinformation: 「プラットフォームはAIやファクトチェックを導入し、誤情報を減らす努力をしている。ユーザーのメディアリテラシー向上も進んでいる。」
  • Mental health: 「サポートグループや自己表現の場として機能し、孤立を防ぐ。特にパンデミック中は精神的な支えとなった。」
  • Productivity: 「リモートワーク時代に、迅速な情報共有やコラボレーションを促進し、業務効率を高めるツールとして活用されている。」
★ライティングのコツ
  • 論理の流れ: 導入で意見を明確にし、各段落で1つのポイントを掘り下げ、最後に反対意見に触れて再主張する構造が効果的。
  • 語彙と文法: 「notorious」「erode」「facilitate」「overshadow」など、高度な語彙を自然に使い、多様な文構造(条件文、関係詞節など)を活用。
  • 字数調整: 200~240語を守るため、各段落を60~80語程度にまとめる意識を持つ。

【最新情報・豆知識】

★ソーシャルメディアの現状と動向
  1. 統計データ
    • 2024年のStatistaによると、全世界のソーシャルメディア利用者は約50億人(世界人口の約62%)。日本では約8割が何らかのプラットフォームを利用。
    • 1日の平均利用時間は約2.5時間で、特に若年層(18~34歳)で顕著。
  2. 規制と対策の進展
    • EU: 2022年の「デジタルサービス法(DSA)」により、プラットフォームは違法コンテンツや誤情報の削除義務を負う。違反企業には年間収益の6%までの罰金が科される。
    • 米国: 2023年、TikTokの国家安全保障リスクを巡り、一部州で公務員の利用が禁止に。連邦レベルでの規制議論も加速。
    • 日本: 2024年、総務省が「プラットフォームサービスに関する研究会」を設置。プライバシー保護や誹謗中傷対策を強化する方針。
  3. 精神健康への影響
    • 2023年の英国NHS調査では、16~24歳の約30%がソーシャルメディア使用後に「自己評価の低下」を報告。
    • Meta社は2024年に「青少年保護機能」を強化し、利用時間制限や有害コンテンツフィルターを導入。
  4. プライバシー問題の進展
    • 2023年、WhatsAppがEUのGDPR違反で2億ユーロ超の罰金を支払う。データ共有の透明性が焦点に。
    • Appleの「アプリ追跡透明性(ATT)」導入(2021年)以降、広告業界はターゲティング精度低下に直面。
  5. 技術革新
    • AIによるコンテンツモデレーションが進化。XやYouTubeは2024年にAI検出精度を向上させ、ヘイトスピーチ検出率が90%超に。
    • VRソーシャルメディア(例: MetaのHorizon Worlds)が注目され、新たなプライバシー課題も浮上。
★豆知識
  • 歴史: Facebook(2004年開始)が現代ソーシャルメディアの先駆け。Twitter(現X、2006年)やInstagram(2010年)が追随し、多様化が進んだ。
  • 文化差: 日本ではLINEが主流だが、欧米ではWhatsAppやMessengerが人気。TikTokはグローバルで若者に浸透。
  • 経済効果: 2023年、ソーシャルメディア広告市場は約3000億ドル規模に成長。インフルエンサー経済も拡大中。
★今後の出題予想
英検1級では、社会問題や技術の影響をテーマにしたエッセイが頻出。以下のトピックが予想されます:
  1. AIとプライバシー: 「AIの進化が個人のプライバシーをどう変えるか?」
  2. デジタルデトックス: 「ソーシャルメディアの使用制限は必要か?」
  3. 情報リテラシー: 「現代社会でメディアリテラシーを学校教育に取り入れるべきか?」
  4. テック企業の責任: 「ソーシャルメディア企業はコンテンツにどこまで責任を持つべきか?」
  5. メタバースの影響: 「仮想空間の普及が社会に与える影響とは?」
    これらのトピックでは、賛否両論をバランスよく検討し、具体例(統計、事件、政策)を織り交ぜた論理的な主張が求められます。