【要約問題サンプル１】
● Read the article below and summarize it in your own words as far as possible in English.
● Suggested length: 90–110 words
● Write your summary in the space provided on Side A of your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.
In recent years, the surge in popularity of online education has initiated a profound transformation in the landscape of traditional learning institutions. The accessibility and flexibility offered by online courses have attracted learners of all ages, enabling them to pursue education at their own pace and from the comfort of their homes. This shift in educational delivery methods has been particularly pronounced in the wake of global events such as the COVID-19 pandemic, which not only accelerated the adoption of remote learning but also forced educators and institutions to rethink traditional teaching models.
This transformation raises pivotal questions about the future of traditional educational institutions. Brick-and-mortar schools and universities, long considered the cornerstone of formal education, now face the challenge of adapting to this digital shift. Providing quality online content is just one aspect; maintaining the sense of community and engagement that physical campuses offer is equally crucial. Striking the right balance between online and in-person learning experiences has become a central consideration in educational planning and policy-making. Educational leaders must navigate these changes strategically to ensure that the benefits of online learning are maximized without compromising the core values and social aspects of traditional education.
Despite the undeniable advantages of online education, concerns persist about potential drawbacks. The digital divide remains a significant issue, where not all students have equal access to technology and the internet, potentially creating disparities in educational opportunities. Moreover, questions about the effectiveness of online learning in fostering social skills, critical thinking, and hands-on experiences underscore the need for ongoing research and development in the field of digital education. Addressing these concerns and navigating the challenges associated with the evolving educational landscape will be essential for creating a well-rounded and inclusive educational system that meets the needs of diverse learners in the future.
【解答例】
Online education has soared in popularity, providing learners of all ages with flexible, accessible study options from home. During the COVID-19 pandemic, its adoption increased dramatically, prompting institutions to reconsider established teaching methods. While digital platforms broaden educational opportunities, brick-and-mortar schools must retain strong community ties and achieve a harmonious blend of online and face-to-face instruction. Leaders also face a significant digital divide, as not every student enjoys reliable internet access or adequate technology. Moreover, concerns persist about cultivating essential interpersonal skills and critical thinking virtually, underscoring the need for ongoing research, targeted support, and balanced instructional strategies.
要約問題サンプルの日本語訳：
近年、オンライン教育の急激な普及により、伝統的な教育機関の在り方は大きな変革を遂げつつある。オンラインコースが提供する「誰でもアクセス可能」「自由度が高い」といった特徴は、あらゆる年齢層の学習者を惹きつけ、自宅に居ながら各自のペースで教育を受けることを可能にした。こうした教育方法の変化は、特にCOVID-19パンデミックのような世界的な出来事をきっかけに著しく加速した。遠隔学習の普及が急速に進むなか、教育者や教育機関は、従来型の授業モデルそのものを再考せざるを得なくなった。
この変革は、伝統的な教育機関の未来に関する重大な問いを投げかけている。長らく正式な教育の中心であった物理的な学校や大学は、デジタル化への適応という課題に直面している。質の高いオンライン教材を提供することは一つの側面に過ぎず、キャンパスがもつコミュニティ意識や交流の機会をどのように維持するかも同じくらい重要な要素となる。オンラインと対面教育の適切なバランスを見つけることが、教育政策や計画を立てるうえで中心的な課題となっている。教育関係者は、この変化を戦略的に管理し、オンライン教育の利点を最大限に活かしながらも、従来型教育が持つ本質的価値や社会的要素を損なわないよう努める必要がある。
オンライン教育がもたらす明確な利点がある一方で、その潜在的なデメリットに対する懸念も根強く存在している。デジタル・ディバイド（情報格差）は依然として大きな問題であり、全ての学生が技術やインターネットに平等にアクセスできるとは限らないため、教育機会に格差が生じる恐れがある。また、オンライン学習が社会性や批判的思考、実践的体験を効果的に促進できるかという問題も残っており、デジタル教育に関する継続的な研究や開発が求められている。こうした課題を解決し、変化し続ける教育環境を上手く切り抜けることが、多様な学習者のニーズに応えられるような包括的でバランスの取れた教育システムを将来的に実現するうえで欠かせない。
解答例の訳：
オンライン教育は急速に普及し、あらゆる年齢の学習者に自宅から柔軟かつ広範囲に学習機会を提供しています。COVID-19パンデミックの影響で導入が一気に拡大し、多くの教育機関が従来の教授法を再考する必要に迫られました。デジタルプラットフォームは機会を拡充する一方で、対面教育を中心とする学校はコミュニティの結束や、オンラインと直接指導を調和させる課題に直面しています。さらに、インターネット環境が不十分な学生もおり、社会性や批判的思考力をオンラインで効果的に育む方法への懸念も残ります。こうした課題解決のためには継続的な研究とサポート、そして指導法のバランスが求められています。
解説・解き方
以下では、英検1級レベルの要約問題において、90～110語で要約文を書く手順を詳しく解説します。試験全体の時間管理を考慮した目安を示しているので、参考にしてください。
A. 時間配分の目安（合計約20分）
| ステップ | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1. 指示文＋本文精読 | 指定語数・段落数を確認 → 本文の主張・構成をざっと把握 | 約 5分 |
| 2. 要点メモ作成 | 各段落のキーワードや重要事項を抜き出し、箇条書きでまとめる | 約 3分 |
| 3. 要約構成案作成 | パラグラフ構成（3段落程度）や要約の流れを考える | 約 2分 |
| 4. 下書き執筆 | 実際に90～110語で書いて語数を確認 → 必要に応じて修正 | 約 7分 |
| 5. 推敲・修正 | 文法・スペル・論理展開の最終チェック | 約 3分 |
| 合計 | 約 20分 |
注: 英検1級では長文読解やエッセイ問題もあり、配点と自分の得意分野を考慮しながら時間を調整する必要があります。要約問題には平均20分程度を目安にするのが一般的ですが、個人差がありますので適宜調整してください。
B. ステップ別ポイント
-
指示文＋本文精読 (約5分)
- 要約の指定語数（90～110 words）を確認。
- 本文を通読し、主張・論点・各パラグラフの働きを大まかに把握する。
- 本文は「オンライン教育の急速な普及」「従来型教育機関の課題」「デジタルデバイドや教育効果への懸念」と進んでいる。
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要点メモ作成 (約3分)
- 第1段落：オンライン教育が拡大した背景（COVID-19を含む）
- 第2段落：対面型教育の強み・コミュニティ維持とオンラインのバランス
- 第3段落：デジタルデバイド、社会性や批判的思考の育成の懸念
- キーワードを箇条書きで簡潔にまとめる（英語でも日本語でもOK）。
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要約構成案作成 (約2分)
- 冒頭：オンライン教育の台頭とそのきっかけ（COVID-19など）
- 中盤：従来型教育機関が直面するコミュニティ・対面授業維持の課題
- 結論：デジタルデバイドや教育効果への疑問 → 研究と支援の必要性
- 接続語（While, However, Yet, Moreoverなど）で論理展開をスムーズに組み立てる。
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下書き執筆 (約7分)
- 先に英作文を書き上げてから語数を数え、90～110語に収めるよう微調整する。
- 文が複雑になりすぎないように注意しながら、要点を的確に含める。
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推敲・修正 (約3分)
- 文法・スペルミスを確認し、論理展開が自然かどうかを再点検する。
- 語数オーバーや不足の場合は言い回しを調整し、指定語数に合わせる。
C. まとめのコツ
- キーポイントを落とさない: オンライン教育の「利点」と「課題」の両方をしっかり含む。
- 固有名詞や細かい数字は最小限: COVID-19は触れるが、具体的な年・統計は必要なら一言程度。
- 接続詞で流れを明確に: While や However で対比を作り、要点間の関係を明確に示す。
- 抽象的表現を入れすぎない: 具体的な文脈（コミュニティ維持、デジタルデバイドなど）を入れて要点を際立たせる。
- 読んだだけで全貌が伝わるかを意識する: 原文にない人でも大枠が理解できる要約であることが理想。
原田英語アドバイス
- 要約問題は、出題意図を踏まえた“抜き出し+再構成”です。本文に含まれる主張の骨格をしっかり押さえ、指定語数内で論理的につなぎ合わせる練習を繰り返し行いましょう。
- 英検1級レベルでは文章が抽象的かつ長めになるため、素早くキーワードを拾い、正確に整理できるかが合否を分ける大きなポイントになります。
- 時間配分を守りながら、5分（精読）+3分（メモ）+2分（構成）+7分（執筆）+3分（推敲）＝計20分前後というペースを身体で覚えておくと、本番でも落ち着いて作業できるでしょう。
以上のプロセスと改訂版の模範解答を参考に、ぜひ要約問題に取り組んでみてください。練習を重ねることで、論理的かつ簡潔な英文要約を短時間で作成する力が着実につきます。
